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葉室麟の『津軽双花』、これも面白かったです。
津軽藩二代藩主・信枚(のぶひら)公に嫁いだ二人の姫、辰姫と満天(まて)姫、そして辰姫の実兄の杉山源吾の三人が幕藩体制初期の津軽藩の難しい時世を手を携えて乗り越えてゆくという物語です。辰姫は豊臣秀吉の正室(高台院)の養女であり石田三成の実娘です。満天姫は徳川家康の姪に当たる方で、家康の養女になっています。
天下分け目の関ケ原の戦いから13年、勝者と敗者として異なる立場に置かれた二人の女性が、津軽を舞台に不思議な友情で結ばれつつもそれぞれの威信をかけた生き方を貫きます。時代に翻弄された二人の姫の美しくも凛とした生きざまが感動を呼びます。

弘前市茂森町の禅林街の名刹・長勝寺には信枚公と満天姫のお墓があり、新寺町の貞昌寺には辰姫のお墓があるそうです。新寺町には住んでいたことがありますが、貞昌寺の辰姫のことは知りませんでしたので、いつか行ってみたいなと思っています。
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