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思いがけないところから昭和31年(1956年)9月2日の毎日新聞が出てきました。あるものの緩衝材として詰められていましたので、破れていたりして読めるところはほんの一部ですが、60年前のものですから興味津々眺めています。
おりしも、日本とロシアとの北方領土返還に関わる話題がこのところ俄かに活発になっていますが、まさにこの新聞の発行から僅か1か月後の10月19日に当時の鳩山首相とソ連のブルガーニン首相が今回の話題の元となる共同宣言に署名し、その2か月後に宣言が発効しています。これにより両国の国交が回復し関係も正常化しましたが、北方領土の問題は先送りされ、目立った進展がないままに現在に至っています。
僅かな新聞記事の断片ですが、交渉に当たった鳩山首相と河野農相の生々しい遣り取りやそれを取り巻く政局の動きの一端がうかがわれます。鳩山首相は共同宣言の発効を見届けるように、この年の12月に退陣しています。
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ラジオ、テレビ欄の興味も尽きません。テレビはまだ一般家庭には普及していませんし、放送時間もお昼に1時間程度の放映があって、その後は夕方まで休み、夜は6時から10時ころまでの放送となっています。私の記憶では、放映の少し前になると幾何学模様のようなテストパターンという画像が出てきたように思います。あとは雨降りのようなザーッという映像でしたね。
この日は日曜日のようですから、お昼の12時15分から宮田輝アナ司会の「のど自慢素人演芸会」になっています。夜には「今週の明星」という歌番組があり、灰田勝彦、津村謙、藤島恒夫、大津美子、藤山一郎なんていう懐かしい名前が見えています。ラジオでは8時半からの「私は誰でしょう」も人気がありましたね。
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スポーツ欄も面白いです。
プロ野球球団では、東映、毎日、阪急、西鉄、南海、近鉄、国鉄、大洋という懐かしい球団とともに私はあまり記憶にない高橋(ユニオンズ)なんて名前もあります。でもこの当時は何といっても巨人でしょうね。オーダーを見ますと、与那嶺、坂崎、加倉井、川上、南村、藤尾、土屋、大友、広岡などというそうそうたるメンバーが名を連ねています。そして、長嶋、王という私たちを熱狂させた選手の登場は、それぞれ1958年、1959年ですから、この数年ののちに紙面を賑わすことになります。

文芸欄では、志賀直哉がフランス映画『赤い風船』に纏わる私的な出来事を書いたと思われる文章が掲載されています。志賀直哉って相当昔の作家と思っていましたら、この当時はまだ現役で作家活動をされていたのですね。

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