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辻村深月の『東京會舘とわたし 上(旧館)』は面白かったです。
丸の内の皇居お濠に面した東京會舘を舞台にした連作短編集です。創業の大正12年から関東大震災、戦中、戦後を経て昭和39年の東京五輪までの激動の時代を生きる人々とそれを暖かく見守る東京會舘を描いています。
内容は読んでいただければと思いますが、私が個人的に印象に残ったのは、第1章の「クライスラーの演奏会/大正12年」では、クライスラーが弾いたベートーヴェンのクロイツェルソナタを、第2章の「最後のお客様/昭和15年」はレストラン・プルニエの「舌平目魚の洋酒蒸」のことかな。第3章の「灯火管制の下で/昭和19年」では遠藤波津子理容館のこと、第4章「グッドモーニング、フィズ/昭和24年」は"アメリカン・クラブ・トーキョー"の「モーニング・フィズ」、第5章「しあわせな味の記憶/昭和39年」は、ガトーアナナとプティフールでしょうね。うふふ、音楽や食べものばかりに目が行ってますが、本当のところはこれに纏わる登場人物がとても魅力的な人達ばかりで、こちらが物語の本筋です。
東京會舘は前を通っただけで中へは入ったことがありませんので、こんど行った時にはレストランで美味しいものを食べてみたいと思っています。そうそう、雰囲気も味わってこなくては。
『東京會舘とわたし 下(新館)』は、昭和51年から始まって、現在までとなっています。今読み始めたところです。
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