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お馴染みの『宵待草』をフルートで吹いてみました。
大正浪漫を代表する画家で詩人の竹久夢二による詩歌が原詩になっていることは知られていますが、1912年に雑誌「少女」で発表された後、バイオリニストの多忠亮(おおのただすけ)により曲がつけられたそうです。モチーフとなった待宵草(まつよいぐさ)は、夕暮れ時に黄色い花を開き、朝にはしぼんでしまう花ですが、この待宵草の儚さが夢二のひと夏の恋と重ねられたと言われています。

楽譜と伴奏は、いつもの「フルートとクラシック音楽好きの人に」というウェブサイトから提供していただきました。初めに楽譜を見た時には簡単そうに思えたのですが、なかなか6/8拍子のリズムが捉え切れなかったことと、音域がとても広くて、思っていた以上に悪戦苦闘しました。ちなみにこの曲の一番下の音は、低いオクターブのド(C)で、高い音はその2オクターブ上のソ(G)です。上の音域は思いっきりヒステリックに吹くと何とか出ますが、下のド(C)はなかなか音になってくれず、自分の下手さ加減を棚に上げてフルートが壊れているのではと思ったほどでした。低い音域をきれいに響かせて吹いている演奏を聴いているといいなと思います。
とても宵を待つような演奏ではありませんが、お聴きいただければ嬉しいです。