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辻村深月の『東京會舘とわたし』の上巻に続く「新館」をモチーフにした小説です。こちらも全5編の連作短編集となっています。
第6章『金環のお祝い/昭和51年1月』から物語が始まるのですが、このお話はとてもいいです。ジーンときて最初から泣かされてしまいました。次の第7章『星と虎の夕べ/昭和52年12月』の越路吹雪と彼女のマネージャーだった岩谷時子のお話も、越路の知られざる一面をうかがわせて良かったです。第8章『あの日の一夜に寄せて/平成23年3月』は実際に東京會舘へ寄せられた手紙をもとに東日本大震災の際の出来事を物語にしたもので、不安な一夜を過ごす中でのクッキングスクールに纏わるお話が感動的です。第9章『煉瓦の壁を背に/平成24年7月』では著者の体験をベースにしつつ東京會舘へ寄せる想いが凄く伝わってきて、これも素敵でした。そして第10章『また会う春まで/平成27年1月』、大正11年の創業から93年目にして2度目の建て替えを控え、最後の営業日の結婚披露宴の模様を綴ったものですが、これもホロリとさせられるいいお話です。
上下巻合わせて10の短編、いずれも東京會舘のスタッフの方々の繊細で心に染み入るようなホスピタリティが随処にちりばめられていて、本当のプロフェッショナルの「おもてなし」って凄いなと思って読んでいました。
平成30年の春には新しい東京會舘がお目見えするようですので、完成したら行ってみたいと思っています。
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