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今年の谷崎潤一郎賞受賞作、長嶋有の『三の隣は五号室』はちょっと風変わりな設定ですが、面白かったです。

東京近郊に60年代に建てられた木造賃貸アパート「第一藤岡荘」の五号室、登場人物は1966年から2016年までの半世紀のあいだ順番にそこに暮らした十三世帯です。そんな普通の人々を時系列にもばらばらに描いた物語です。
大学生、若夫婦、訳ありの男、単身赴任者、失恋したOL、外国人など様々な人たちが、お互いを知らぬまま「第一藤岡荘」の五号室で暮らし、いろいろな痕跡を少なからず残して行きます。そんな人々の営みの一つ一つが、時間という枠を超えて偶然の糸で縫い合わされる不思議さ面白さを描写しています。
「第一藤岡荘」という共通の場が物語を支えており、50年という長い間に起きる悲喜こもごもの出来事を暖かく見守る「三の隣の五号室」が人格を持っているような気さえします。
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