カテゴリ:
川口俊和の『コーヒーが冷めないうちに』、いい本でした。読みながら飲んでいた珈琲が冷めたのも忘れるほどに・・・。

物語の舞台は、ビルの地下にある古い喫茶店「フニクリフニクラ」。お店の奥にある席に座ると過去の望みの時間へ戻ることができるという都市伝説があります。そんな噂を聞きつけて訪れる客のお話です。
しかし、過去に戻るには細かいルールがあって、戻れる時間は出されたコーヒーが冷めるまでの間だけ。そして椅子から動く事もできません。また、過去に戻ってどんなに努力してもこの喫茶店に来たことがない人には出会うことはできず、そして現実を変えることもできません。

物語は4つのエピソードで構成されていますが、みな大切な人との別れを経験しています。愛情を言葉で伝えられないまま、結婚を考えていた男性が海外に去ってしまった女性のお話『恋人』。若年性認知症の夫に自分の存在を忘れられた妻のお話『夫婦』。家出した姉と一緒に実家の老舗旅館で働くことを夢見ていた妹のお話『姉妹』。そして、子供を産めば命を落とすという状況の中、命のある内に未来へ行くことを願う妊婦のお話『親子』。

読み終えるとほっこりとした暖かさに包まれる本です。
PB100004
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 函館情報へ