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親戚から「うちでは使いませんので、macotoさんのところで使ってください」というお言葉に甘え、美しい堤重箱を譲っていただきました。箱書きによりますと、明治44年(1911年)とありますので、今度のお正月がきますと106年経つことになります。芸術的な価値はあまり分かりませんが、親戚の家は新潟県で代々蚕種業を営まれていましたし、描かれている金蒔絵などを見ますと、当時は相当高価なものだったように思われます。また傷は殆どなく、漆の保存状態もとても良いものですので、代々に渡って大切にされてきたことがうかがわれます。

蚕種業というのは北海道など養蚕の行われないところでは聞きなれない言葉ですが、蚕の卵を和紙などに産ませて、それを養蚕農家に売ることを生業としていたようです。群馬県の富岡製糸場が世界遺産になるなどして話題になっていますが、シルクに纏わる歴史なども調べてみると面白そうですね。

さてこの器ですが、堤重箱というものですから春のお花見、神社仏閣への参り、お芝居の見物などの際に、楽しく歓談しながら美味しいものをいただく時に用いたものなのでしょう。この重箱を眺めていますと、106年前の人達の楽しい宴のひと時が蘇ってくるような気さえします。この重箱が使われなくなって久しいと聞いていますので、お正月にはお手製のおせちを詰め込んで、長い眠りから覚まさせてあげようと思っています。我が家では国宝級の扱いを受けていますが、器ですからどんどん使わないと意味がないですものね。
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