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宮下奈都の『静かな雨』を読み終えました。
交通事故による高次脳機能障害で新しい経験や情報を覚えられなくなった女性とその傍で彼女の為に生きる青年のお話です。『羊と鋼の森』でも感じた事ですが、宮下さんのゆったりとした日常の描き方がとてもいいですね。宮下さんは人の可能性について書きたかったと仰っていますが、諦めというか可能性を失った先に見える世界を描きたかったのではと私は思っています。『羊と鋼の森』と同様に、丁寧に書かれた文章は美しい旋律を聴くように、とても心地よく心に響いてきます。
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