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春のお彼岸の昨日、函館の津軽海峡に面した大森浜にある啄木浪漫館で開かれた和太鼓朗読劇『石川啄木物語 君に与ふウタ』を楽しんできました。
主催は七飯男爵太鼓創作会で、太鼓と篠笛という和楽器、そして石川啄木が遺した言葉で構成される朗読の公演です。日本だけではなく世界中に啄木のファンは沢山おりますが、私もその中の一人です。子供の頃から啄木が身近にあったということもあるのですが、彼の歌が日々の歩みの中でそっと寄り添ってくれるように感じたこともあったからです。啄木には人それぞれに思いを寄せる魅力があるのだと思います。

金谷藍子さんの朗読と一人芝居は啄木の魂が乗り移ったのではと思わせるほどの好演でしたし、竹内ひとみさんの奏でるフルートとピッコロの音色も和太鼓に美しい色彩を添えているようでとても良かったです。そして圧巻は和太鼓でした。演奏は高橋リサさんが代表を務めるNeriという4人の和太鼓ユニットで、それぞれが異なる複雑なリズムをたたいているにもかかわらず、全体としてひとつの楽曲を構成するという、迫力満点の鳥肌が立つような素晴らしい演奏でした。
啄木の心象を見事に表現しており、彼の息遣いまでもが身近に感じられるような感動の舞台でした。再演も約束してくださいましたので、今から来年の公演を楽しみにしています。
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かつて大きな砂山があった大森浜の浜辺へ下りてみました。啄木はこの浜辺や砂山をこよなく愛していたようです。1907年5月から9月まで函館に住んでいたようですから、この浜辺から眺められる函館山の白い雪もすっかり解けていたことでしょう。3月のお彼岸の頃の津軽海峡がキラキラと輝く早春の海も見せてあげたかったと思います。1912年、若くして26歳で旅立つのですが、彼の生前の願いがかなって、大好きだった大森浜を見下ろす立待岬に埋葬され静かに眠っています。

砂山の砂に腹這ひ 初恋の いたみを遠くおもひ出づる日  石川啄木
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