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柴田よしきの『さまよえる古道具屋の物語』を読み終えました。
見慣れた町の通りに忽然と古道具屋が現れるのですが、それはそれぞれの登場人物が人生の岐路に立った時に限られるのです。気になって入ってみると、年齢も性別も不明な店主から、決まって役に立たない商品を強引に買わせられます。絵と文章がさかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、取っ手がなく持てないバケツ、お金を入れる口のない金色の豚の貯金箱など。それらの商品を手にした人々の生活は不思議と一変するのです。ファンタジーのようなミステリーのような面白いお話です。
物を集めたり、捨てたり、依存したり、はたまた懐かしんだりと、物に価値を与えるのは人間ですが、個人の思い入れの度合いなどもありますから、物との関係は意外と複雑ですよね。物に限らず何ものにも過度に囚われないことが大切なのかも知れません。
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