強い風と雨で、栗が一気に落下
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昨日の箱館歴史散歩の会の続きですが、昭和3年に建築されたプレーリーハウス(旧佐田邸)を紹介します。15年ほど前に北海道大学工学部の角幸博教授から「地域資産としての歴史的建物 (田上義也、マックス・ヒンデル、上遠野徹)」という講義を受けたことがあり、今回は特別に内部が見学できるということでプレーリーハウス訪問をとても楽しみにしていました。
函館元町の住宅街の奥まった所に在り、建築家F.L.ライトの弟子で大正から昭和にかけて北海道を拠点に活躍した田上義也(1899~1991)の設計によるものです。水平と垂直線を強調した外観で、幾何学的モチーフの門扉や純白の外壁に独特の形状の窓を配置したライト式の特徴の良く出た住宅です。とても上品で魅力的な田上の代表的作品で、海産商だった佐田家として建てられ、すぐに小熊家の住宅として長く使われました。プレーリーハウスという名はライトが実践した「草原住宅」に因んでいるそうです。
中尾仁彦さんが主宰している箱館歴史散歩の会へ参加さていただきました。第89回となる今回は「西部地区の国指定重要・登録文化財巡り」と題して5カ所の重文と3カ所の登録文化財を訪ねてきました。古来の和風の文化と中国や欧米の文化を積極的に取り入れて独特の風景を醸成させた函館西部地区に点在する文化財を中尾さんの詳しい解説のもとに堪能することが出来ました。
下の写真は、太刀川家住宅店舗(国指定重要文化財)です。明治34年。米穀店であった店舗は現在はお洒落な喫茶店になっています。
続いて旧北海道庁函館支庁庁舎(北海道有形文化財)。明治42年竣工で、現在は函館市写真歴史館となっています。2Fの展示室ではペリー艦隊付きの報道写真家ブラウンが1854年4月に撮影した日本最古の銀板写真(ペリーを応接した3人の松前藩士)《複製展示》を見ることが出来ます。(国指定重要文化財)