及川浩治ピアノ・リサイタル
- カテゴリ:
- コンサート、演劇など
昨夜、函館市芸術ホールで開かれた及川浩治さんの"不滅のベートーヴェン5大ソナタ+「エリーゼのために」"というピアノ・リサイタルを聴いてきました。耳の病を自覚しはじめた28歳頃に作曲された「悲愴」、絶望の中で出会った少女に捧げた「月光」、死を考え遺書を書いた前後に生まれた「テンペスト」、苦難を受け入れて飛躍していく課程の「ワルトシュタイン」「熱情」そして「エリーゼのために」という豪華なプログラム構成のリサイタルでした。1999年のショパン没後150年の「ショパンの旅」コンサートツアーで大成功を収めたということは知っていましたが、今回のベートーヴェンも素晴らしい演奏でした。とくにプログラム最後の「熱情」はベートーヴェンの魂が及川さんに乗り移ったのではないかと思えるほどの熱演で、演奏が終わって拍手をしている間も鼓動の高まりを押さえることができませんでした。アンコールは、一転して静かに流れるようなショパンを弾いて下さいましたが、こんな素晴らしいショパンを聴けたのも久し振りでした。「幻想即興曲」「ノクターン第20番"遺作"」は泣けてくるほどに感動的な演奏でした。機会があれば及川さんのオール・ショパンも聴いてみたいと思っています。
9/15にはサントリーホール、9/22大阪シンフォニーホール、11/29札幌コンサートホールKitaraで同じプログラムでリサイタルがありますので、お近くで機会がございましたら是非お聴きになってください。