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2015年01月

「山桜記」 葉室麟

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葉室麟の「山桜記」を読み終えました。戦国時代末期から江戸時代初期に生きた実在の武将の奥方達に纏わる7つの短編で構成されています。個人の意思と関係なく政略的な婚姻が当然視されていた武士社会。封建的な世にあって、けっして表舞台に出ることがなかった女性が、愛を追求しつつ山に咲く桜のように清々しく可憐に生きた様が描かれています。

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フルート 「ダニー・ボーイ」

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どこか懐かしい感じのする「ダニー・ボーイ」を吹いてみました。よく知っている曲ですし、もう少し情感をこめられるといいですが、音符を追うことで精一杯で、いっぽん調子になってしまいました。
"O Danny Boy O Danny Boy, I love you so." という気持ちをこめて演奏することが大事らしいのですが・・・(^^♪



楽譜の曲紹介です。
アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」に歌詞をつけた曲が「ダニー・ボーイ」です。この旋律は北アイルランドのロンドンデリー州で歌われた民謡です。1855年に出版され、様々な歌詞が付けられましたが、最も有名なのは、F.ウェザリー(1848-1929)の作詞によるものです。そのなかでは、戦争に行く息子ダニーへの親の切ない気持ちと愛情が、アイルランド民謡の自然の情景のなかで表現されています。

3週続けて好天の日曜日

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今冬の函館、七飯は積雪が少なく、雪かきから解放されて少し楽な状態が続いています。しかも1月に入ってから3週続けて日曜日の好天が続いています。そんなことで今日も1週間ぶりにスノーシューを担いで裏山に登って来ました。気温が高く歩き出して少ししたら汗が噴き出してきました。踏みしめる雪も解け加減で、暦のうえではまだ1月というのに3月のような陽気でした。
今日は七飯岳(779m)を目の前にした牧場の550m付近が最高地点でした。北斗市の木地挽の山々や大野平野に弧を描くようにして延びる北海道新幹線の高架を望むことが出来ました。

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「泣き童子」 宮部みゆき

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今の時季に怪談話はそぐわないかも知れませんが、炬燵開きという今の季節にぴったりのお話から始まる宮部みゆきの「泣き童子」、面白かったです。
神田三島町の袋物屋三島屋を営む伊兵衛・お民叔父夫婦に行儀見習いとして預けられたおちかは、叔父の提案で変わり百物語を語る人を聞き集めます。そんな三島屋変調百物語の三巻目の作品です。
若い娘がおちかと炬燵のなかで、戒めを守らなかった祖母の身に起こった話を語る「魂取の池」、幼い頃に遭った山津波で幼なじみを失った苦しみとその後の不可思議な出来事を語る「くりから御殿」、人の心の中にある悪を見抜いて泣く、哀しくも恐ろしい「泣き童子」、おこぼさん(小法師)の優しさを綴った「小雪舞う日の怪談語り」、村にまつわる不思議な伝統と、危険を顧みず村の危機を救った母の役割を語る「まぐる笛」、二十四節気の日だけ顔が変わる「節気顔」の6編です。どのお話も怖いのですが、日常生活で忘れかけていることを自らに問いかけてくるようないいお話でした。

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あのモンサンミシェルのよう

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天気に誘われて今日も家内と裏山ハイクです。足腰や呼吸機能を少し鍛えたいという思いがあるのですが、10年以上も使わずに箱の中に眠っていた登山用のアンダーウェアがまだ大丈夫か確認したいこともあって、スノーシューでバタバタと登ってきました。途中は少し風が強いところもありましたが、標高を上げるに従って風も弱まり、アンダーウェアが快適なこともあって楽しいハイキングになりました。
展望が開けた所から函館山方面を見ましたら、逆光のなか海と陸地が混沌とした幻想的な風景が広がっていました。あのモンサンミシェルのようで、吹きさらしの寒さも忘れて見入っていました。

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「やってみなはれ みとくんなはれ」 山口瞳/開高健

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NHK朝ドラ「マッサン」で、亀山政春(玉山鉄二)の生涯の師でありライバルとなる「鴨居商店」の社長・鴨居欣次郎(堤真一)がユニークで面白いですね。ニッカウィスキーの創業者のマッサン・亀山政春こと竹鶴政孝は、リタ(エリー)婦人ともども一途で魅力的な人ですが、個人的には鴨居欣次郎こと鳥井信治郎にとても惹きつけられるものを感じます。ご存知のように鳥井信治郎はあの「洋酒の寿屋(現在のサントリー)」の創業者ですが、彼のことを詳しく書いているのが山口瞳と開高健による「やってみなはれ みとくんなはれ」という本です。ご両人とも寿屋の宣伝部の社員として席をおきながら、内職で小説を書いてそれぞれ直木賞と芥川賞を受賞していますが、この鷹揚さをみても鳥井社長(大将)率いる寿屋という会社のとてつもない懐の深さを垣間見ることができます。

本によりますと、信治郎は明治12年に大阪市東区で両替商を営む家に生まれています。小さい頃から才気煥発な腕白小僧だったらしく、13歳で道修町の薬種問屋に丁稚奉公をします。父親の営む両替屋が米屋に転業し、副業としてラムネやサイダー、ときにはイミテーションのウィスキーなども売ることがあったそうで、このウイスキーが薬種問屋で調合されていたこともあって、調合技術の習得などを目的に父親が奉公に出したようです。これが「鳥井信治郎の鼻」といわれる天与の資質に磨きをかけたと云われています。

そして22歳で南区安堂寺橋通に「寿屋洋酒店」を開業し、あの懐かしい「赤玉ポートワイン」を自ら調合し製品化して発売します。葡萄酒が「人参規那鉄」などと呼ばれていた時代ですから、このネーミングは画期的でしたし、あの半身ヌードの斬新なポスターも広告に一役かったのでしょう。ドラマの通り、これが売れまくって会社の土台を築く基になったそうです。このあとも歯磨き粉(これも懐かしいスモカ)、ビール、ソース、醤油、紅茶、合成清酒、ジュースなどなど種々のものに参入し、そして失敗し、その繰り返しを続けたようです。

開高健の筆によると、『スイスの時計をし、ドイツの万年筆を持ち、"国産愛用、舶来不要"を叫んでウィスキー製造に邁進する紳士大将が南無妙法蓮華経をとなえ、八卦に凝り、"体を洗うのや"と言って朝は必ずソーダ水を1本飲むのである。およそ矛盾を恐れない。矛盾を矛盾として呑みこんでケロリとしている。』・・・云々。 朝ドラの鴨居の大将も凄いと思いますが、当の信治郎はこんなもんではなかったことが想像されます。

そうそう、昭和4年にマッサン(竹鶴政孝)のブレンドした山崎工場初のウィスキー(サントリー白札)が発売になりますが、朝ドラでもやっていたように、これが不評でまったく売れませんでした。高級ウィスキーにしか使わないシェリー酒を染み込ませた樽を使っていたにもかかわらず・・・。ウィスキーはまだ一般のものではなかったのでしょう。
ただ、サントリーでは「あの時に売れなくて良かった」というのが伝説になっているそうです。その売れない原酒が貯蔵庫で寝ることになり、熟成した「12年もの」角瓶の発売に繋がっていくのです。これが売れて売れて、売れまくったそうです。ちなみにマッサン(竹鶴政孝)は、昭和9年に約束の期間を終えて鳥井の大将の元を辞していますので、マッサンの最高傑作は皮肉にも心血を注いだ主が去った7年後に見事に開花することになります。

そんなことで私も「山崎ピュアモルト12年」をみびりちびりやりながら読んでいます。芥川賞・直木賞作家コンビが綴った軽妙、洒脱なとても面白い本でした。ぜひ読んでみてください。

・・・それと、今日(1/17)の朝ドラの鴨居の大将の小切手を切るシーン、格好良くて泣けてしまいました。ドラマは来週からいよいよ余市に舞台が移りますね。(^^♪

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雪が欲しい

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今日も朝のオープンからスキー場でした。1月に入ってから目立った降雪はありませんので、一部スケートリンクのようになっているところもあったりして、ゲレンデは硬く締まって、転んだら相当に痛そうな状態になっています。街なかに雪はいりませんが、スキー場だけにはもう少し雪が欲しいなと思います。天気予報では今晩から雪マークになっていましたから、来週はちょっと期待が持てるかもしれません。

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これはいいかも・・・ ヘッドライト

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以前に持っていたヘッドライトが壊れたまま箱の底に仕舞いこまれていましたので、それを捨てて新しい製品を購入しました。ヘッドライトは国内外のいろいろな会社から発売になっていますが、選んだのはドイツのツヴァイブリューダー オプトエレクトロニクスという会社のレッドレンザーH7.2というものです。単4形アルカリ電池4本を使用し、最大250ルーメンで7時間、最小の20ルーメンで60時間持つという優れものです。250ルーメンといっても分かりにくいと思いますが、光の届く距離が160mで、真正面から光源を見ると目がつぶれるのではないかと思うほどの強い光です。光源にはリフレクターレンズというものが付いていて、それを廻すことによってフォーカス(照射角度)を無段階に設定することも出来ます。
地震や台風などの自然災害による停電時は勿論のこと、避難をする際などにも両手をフリーに使えますので、重宝しそうな製品と思っています。縁の下や屋根裏の点検などにも使い道があるかも知れません。

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ちょっぴり冬山気分

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寝坊をして遅い朝食を摂った日曜日の朝。スキー場やプールは連休で混んでるだろうし、今日は読書日かなと思っていたら、雪雲の間から薄日が・・・。家内に「雪遊びはどうかな」と誘うとOKとのこと。ストックとスノーシューを抱えて裏山へ出掛けてみました。今日は先日よりもしっかり着込み、食料も少しだけ持ちましたから、ちょっとだけ高いところまで登ることができました。まったくの気ままなハイキングですが、登り2時間半、下り1時間半のちょっとだけ冬山気分を味わった一日でした。

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フルート 「グリーンスリーヴス」

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2曲目のフルート演奏を収録してみました。曲目はイギリス民謡の「グリーンスリーヴス」です。デジタル録音は少しずつ要領を掴んできましたが、フルートのほうは相変わらず一進二退の状態です。客観的に収録したものを聴いてみますと、一つ一つの音が綺麗でない、音の立ち上がりが悪い、テンポがばらばら、曲にメリハリがない、ビブラートが上手くかかっていないなどなど、レッスン時に指摘された課題が手に取るように分かります。
ピーターラビットの遊ぶ湖水地方やコッツウォルズ丘陵地帯などの田園風景を想像して吹きたかったのですが、楽譜を追うだけで一杯でそんな余裕は全くありませんでした。



楽譜に「グリーンスリーヴス」の曲紹介がありました。
16世紀から17世紀にかけて歌われた作者不明のイングランドでもっとも古い民謡です。そのためリュートの楽譜として当時出版されました。「グリーンスリーヴス」というのは女性の名前ですが、この女性への愛を歌ったものではなく、このメロディに自由にいろいろな詩をつけて歌われていたようです。20世紀半ばにヴォーン・ウィリアムスが「グリーンスリーヴスによる幻想曲」としてオーケストラ用に編曲したことで、世界中に広く知られるようになりました。

「慟哭の海峡」 門田隆将

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あの「アンパンマン」の作者である"やなせたかし"さんと弟の千尋さん、そして千尋さんと同時期を同じ戦場で過ごした中嶋秀次さんという方の生き様を描いたノンフィクションです。「輸送船の墓場」と称され、10万人を超える日本兵が犠牲になったとされる台湾とフィリピンの間のバシー海峡が千尋さんと中嶋さんの物語の舞台です。千尋さんは壮絶な魚雷攻撃で23歳という若さで人生を閉じ、一方の中嶋さんは12日間の漂流を経てただ一人奇跡の生還を遂げます。中嶋さんは死んだ戦友の鎮魂のために戦後の人生を捧げ、千尋さんのお兄さんの"やなせたかし"さんは「アンパンマン」のなかに幼い頃から優秀で可愛いかった弟・千尋さんの面影を映し込んでいきます。「生」と「死」の狭間で揺れ、自己犠牲を貫いた大正生まれの男たちの物語です。

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「お文の影」 宮部みゆき

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reikoさんからお借りした宮部みゆきの「お文の影」、面白かったです。単行本で出版されていた『ばんば憑き』を改編し文庫化したもので、「あやし(怪し・奇し)」の世界のお話全6編で構成されています。この方の細かい心理描写にはいつも惹きつけられますが、江戸怪奇物もただ怖いだけではなく、温かくて切ない心情が伝わってきます。江戸下町の市井の人々の慎ましくも逞しく生きる姿が、切なく悲しい怪談話に絡めて描かれており、心に沁みる6編のよいお話が詰まっています。

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スノーシューを持ってちょっと裏山へ

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どこもお正月休みで混んでいると思い、裏山へふらっと出かけてみました。天気が良く、比較的暖かいので、上下のウィンドブレーカーと長靴という軽装で出発です。途中で山スキーで登る方と出会っただけで、ちょっと入っただけで雪山はとても静かです。途中からスノーシューを装着しての登りです。昨年末にドッペルギャンガーアウトドアより発売になった両足あわせて1kgという軽量のスノーシューを購入しましたので、それを試してみたいということもありました。耐久性は分かりませんが、片足500gですから信じられないくらい軽いですし、足さばきも割りとスムーズに出来ます。長靴と軽装ですから途中で引き返してきましたが、軽いのでちょっとした雪の山を歩くには重宝しそうなツールだと思いました。登り1時間半、下り1時間のお手軽雪山ハイキングでした。

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