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2015年10月

『リバース』 湊かなえ

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湊かなえの『リバース』を読み終えました。
事務機会社に勤めるしがないサラリーマンの深瀬和久。珈琲を飲むことが唯一の趣味です。大学時代にゼミ仲間での旅行の際、遅れて到着する仲間を迎えに行った広沢由樹が車ごと崖から転落して死亡します。少しだけアルコールが入っていたものの、仲間内では秘密にすることで単独事故ということで処理されますが、数年後、残った仲間たちに匿名の告発文が届きます。告発文を送ったのは誰なのか、その目的は何なのか。深瀬は広沢の中高生時代の過去を遡ることで、手がかりを掴めるのではと考えます。深瀬の大好きな「珈琲」と広沢の実家で採取される「蜂蜜」がキーワードとなって物語は進んでいきます。あまりミステリーらしくありませんが、終章では思わぬどんでん返しが待っています。「リバース」の意味も含めて面白い一冊です。

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『サラバ! (上・下)』 西加奈子

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作家生活10周年で直木賞を受賞した西加奈子の『サラバ!』をやっと読み終えました。
主人公の「僕」こと歩が、長い時間をかけて自分が信じるものを見つけるまでの物語です。上巻は歩と家族の歴史がこと細かく描かれており、個人的には退屈な内容で、何度も読むことを中断してしまいました。それでも何とか数週間をかけて上巻を読み終えて、ページを開いた下巻。こちらはスピーディーな展開でぐいぐい読んでしまいました。
「僕はこの世界に、左足から登場した」という文章で始まる物語。最後まで読むと、この小説は作者の自伝に近い小説だということが分かってきます。そして退屈だった上巻の長い長い圷(あくつ)家の歴史が、下巻での劇的な結末に結びついて行きます。これから読まれる方は、上巻で飽きて放棄せずに下巻まで読み進めてください。(^^♪
装幀の絵も西さんが描いたらしいです。

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寒い日曜日

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朝から寒い日曜日です。ゆっくりと朝食をとって、そのあと犬を連れて散歩に出たのですが、寒くて寒くてブルブルしながら歩いていました。雨まじりの強い風が吹き、先日MTBでクライムした木地挽山や七飯岳はうっすらと白くなっていました。もう少しでタイヤ交換など冬の準備をしないといけないようです。
午後から晴れ間が出てきましたので、だいぶ色づいてきた晩秋の庭の紅葉を・・・

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『オールド・テロリスト』 村上龍

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村上龍の『オールド・テロリスト』を読み終えました。
社会的な地位や名誉がある11人の老爺が、「いったんリセットしないと、もうこの国はもたない・・・」という已むに已まれぬ思いから独自のネットワークを作って、粛々とテロを計画・実践するといった物語です。オールド・テロリストの主張と行動を描き、そこから現代日本の社会的病理を炙り出そうとした著者の意図が感じられます。連載だったようですから、少し冗長感が否めませんが、時代の空気、社会現象、不可解な事件にいち早く着目し、それらを作品の中に取り込んでいった龍ワールド全開の一冊と言ってよいでしょう。

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ヒルクライム 城岱牧場~大沼公園

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晩秋の晴天に誘われて、城岱牧場(標高約550m)を越えるヒルクライムに行ってきました。登りは晴天のせいで汗ばむほどでしたが、下りは風を切ることもあって凍えるほどの寒さでした。ミルクロードを通り、大沼湖畔を半周してみましたが、紅葉は今が見頃でとても綺麗でした。

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地図上の赤線は今日走ったトラック・ログです。イクサンダー大沼のヒゲさんから「ロードバイクだと漕ぎが2倍軽いよ」と言われていたのですが、やはりマウンテンバイクでの登りはしんどいです。ロードバイク欲しいなぁ・・・(^^♪

Shirotai 2015-10-23

少しずつ秋の片付け

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山の麓も少しずつ秋が深まってきました。雪虫が乱舞していたり、テントウムシやカメムシも日向を求めて姿を見せるようになりました。そんな小春日和の良い天気も午前中だけで、午後には強い雨が降り出してきました。庭の片付けも比較的順調に進んでいます。まだ本格的な紅葉には早いのですが、雨に濡れてしっとりした木々の眺めが作業の疲れを癒してくれます。

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紅葉を求めて湖面へ

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大沼の紅葉鑑賞を兼ねてカヤックを漕いできました。風はほとんどなく、絶好の秋晴れのもと湖面を走るのはとても気持ちがいいです。紅葉はちょうど見頃を迎えており、湖岸から見るのとは、また違った美しさがあります。頭上には早くもシベリアから渡ってきた白鳥の一団を目にすることも出来ました。11月にはクローズするようですが、もう一度くらい練習に来たいなと思っています。

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今日、ご一緒していただいたのはガイドのトオルさんです。ガイド歴10年と言いますから、カヌーの漕ぎも素晴らしいですし、大沼の自然などを熟知されており、漕ぎながらのお話はとても楽しいものでした。そして秘密の場所でトオルさんが淹れてくれたコーヒーでひと休みです。駒ケ岳を正面にゆったりと最高の時間を過ごすことが出来ました。

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プルーンのドライフルーツ作り

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今年のプルーンはあまり出来が良くなく収量も少なめで、期待していたのにちょっとがっかりです。それでもジャムを数本作り、残りは今年初めてドライフルーツにしてみました。
作り方はいたって簡単で、プルーンを半分に割って種を出し、それをザルに並べて、2週間ほど日向で乾かすだけです。熟し過ぎて汁が出るようなのは避けた方が良いようですし、最初の数日は乾燥した強い日差しに当てた方がカビが生えないようです。それとハエが寄ってきますので、私は大きめのガーゼですっぽり覆うようにしました。2週間経ったらご覧のようにいい感じのドライフルーツが誕生していました。これを消毒の意味で1分ほど電子レンジをかけたら完成です。少し皮が固いですが、甘味が凝縮して美味しいです。

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古澤巌 & クリスティアン・アガピエ コンサート

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「古澤巌 & クリスティアン・アガピエ」 ロマンティック・コンサートを聴いてきました。古澤巌さんのヴァイオリンはCMなどでよく流れていますので、ぜひ聴いてみたいと思っていました。
冒頭のシモネッティのマドリガルの最初の音が出た瞬間に、その音色に惹きつけられてしまいました。がんがん弾くというイメージがあったのですが、一つ一つの音をとても大切にしており、時に情熱的に時に抒情的にと多彩な演奏を聴かせていただきました。今夜のコンサートからは色彩を感じさせるヴァイオリニストという印象を持ちましたが、特にジプシー音楽やラテン系の色合いを持った音楽の演奏が素晴らしいと思いました。後半のロベルト・ディ・マリーノの「愛のツィガーヌ」は、旋律が美しいうえに、古澤さんの情感溢れる演奏に会場はうっとりと魅了させられていました。

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ちょっぴり秋色に

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10月も半ば、霜が降りるような時季になりました。少し前まで暑い暑いと言っていたのが嘘のようです。今日は小春日和で日差しが暖かなのですが、陽が落ちると一気に寒くなってストーブが欠かせなくなっています。庭から眺める景色も少しずつ秋色に染まってきました。

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訃報 冨田栄二さん逝く

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冨田栄二さんが7月6日にお亡くなりになっていたことを3ヵ月も経った一昨日に知り、とてもショックを受けています。家が近いこととスキーでいつもご一緒していただいてましたので、悲しくて沈んでいます。
中富良野の景色を思わせるラベンダーに囲まれた素敵なログハウスにお住まいで、いつも庭先で趣味の年代物のバイクの修復をしていたり、広大な庭の手入れや薪割りなどをされていました。犬の散歩などのたびにいつもお会いしてスキーや畑の話をしていましたが、あの静かな語り口と素敵な笑顔が忘れられません。

白いハンチングにサングラス、コールテンのパンツ、ストックなしですいすい滑るスキーは、ゲレンデで知らない方はおられないほどで、若い頃に鍛えた技術は80歳になっても衰えず、『竜のようにきれいに自在に滑る』といわれるほどの腕前でした。「私はゆっくり行くので、macotoさんお先にどうぞ」といつも言われていたのですが、下に着いてみると、いつも冨田さんが先着して待っていました。少し疲れると、ロッジのカウンターでホットケーキとコーヒーを楽しむのが定番で、その後ろ姿が忘れられません。後ろ姿も絵になる方でした。・・・いろいろ思い出しちゃいます。

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奥様の話によりますと、中富良野にあります「ファーム富田」の会長で栄二さんのお兄さんの富田忠雄さんのお通夜の席で倒れられてそのままお亡くなりになったそうです。もともとお元気な方でしたが、七飯から8時間もかけて中富良野まで車を運転されたうえに、親族一同がお集まりということで、お酒もいつもより弾んだらしいのです。奥様は、ご苦労を共にされたお兄さんと一緒に、しかも親族一同に見守られて息を引きとられたので幸せだったのではと話されていました。

この数ヵ月、家の前でもお見かけしないことが気になってはいたのですが、「ファーム富田」へ行かれているものとばかり思っていて、まったく気が付かなかったことが悔やまれます。

個人的なことですが、冨田さんがお亡くなりになられた日は、私は大雪山系の白雲避難小屋で雪まじりの大嵐にあって停滞していた日でした。悪天候の中、下山を引き留めてくれたのは冨田さんだったのかもしれません。トムラウシ山で低体温症のために私と同姓の方が亡くなって、大変な騒ぎになったあの日です。

7月12日、自宅にバイクのお仲間の方が沢山集まり、お別れ会をして冨田さんをお送りしたようです。冨田さんには最高のお見送りだったことでしょう。写真はバイクのお仲間のコンロッドさんのブログからお借りしました。このバイクとヘルメット、ゴーグルが一番のお気に入りだったようです。優しくて品のある感じが「ファーム富田」のお兄さんとそっくりですね。

私のブログをとても楽しみにしてくださっていた冨田さん。天国からも見ていただければ嬉しいな・・・。ご冥福をお祈り申し上げます。

色づく秋

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家の周りも少しずつ秋色に染まってきましたが、庭のリンゴの実も一段と色づいてきました。
春に可憐な花を楽しみ、摘花、摘果、防除と少しだけ手入れをしましたが、台風や爆弾低気圧に耐えて、よく実りの秋を迎えたと思います。まったくの素人ですので、剪定や摘果が上手く出来ず、ひいき目に見ても売れるようなリンゴではありませんが、これだけ出来たのは初めてですので、嬉しくて毎日眺めています。

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「君の膵臓をたべたい」 住野よる

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ちょっとタイトルが怖いのですが、「君の膵臓をたべたい」 住野よる著を読みました。
もう何十年も前の青春時代を思い出すような爽やかで、読み進むにつれ涙なしでは読めない一冊でした。物語は、主人公の『僕』が病院で「共病文庫」と題された1冊の文庫本を拾うことから始まります。敢えてこれ以上の内容は記しませんが、若い「仲良し」の二人がお互いを見つめることから自分を知り、相手を知りそして共に成長していく過程がリズミカルで美しい文章で綴られています。
いま青春真っただ中の若い人、そして遥か昔に青春時代を謳歌した人も共に感動する本だと思います。ぜひ多くの人に読んで欲しい一冊です。いずれテレビドラマや映画になりそうな予感がします。

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