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2016年01月

『命の響』 舘野泉

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"左手のピアニスト、生きる勇気をくれる23の言葉"との副題がついてる舘野泉の『命の響』を読み終えました。"左手の"という部分だけがあまりにも有名になり過ぎて、「左手でどのような演奏をするのだろう」という少し興味本位で舘野さんを見ていた部分が私自身にもありましたが、そんなことを遥かに超越しているというか、新たな音楽の可能性や魅力の追究に挑戦している舘野さんの姿を存分に知ることのできる一冊でした。

遥か昔、確か音鑑(労音)主催だったように思うのですが、リサイタルで舘野さんのピアノを聴いたような気がしています。聴いたような気がしているというのは舘野さんに失礼なのですが、正直あまり記憶に残っていないのです。私も若かったですし、新進気鋭の「北欧音楽のスペシャリスト」というパンフレットを見て、リサイタルを聴きに行ったのかもしれません。

それから何十年になるのでしょうか、間近でお見かけした一昨年の清和の丘コンサートでの舘野さん。以前のように颯爽という訳にはいきませんでしたが、左手から紡ぎ出される音は、深く心に沁みわたるものでした。この本を読んでみて、ここまでの道のりでの心の葛藤、すさまじいリハビリの日々などを知り、あの清和の丘コンサートで見せてくれた柔らかい表情のことを私なりに納得することが出来ました。
清和の丘コンサートで弾いてくださったカッチーニのアヴェ・マリア。このブログを書きながらCDで聴いています。あの時の演奏を思い出すと今でも胸が熱くなります。
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厚沢部町での清和の丘コンサートのことも書かれています。
そうそう、一昨年のコンサートの終演の後にトイレに行き、何気なしに気が付いたらお隣に舘野さんがいらっしゃいました。間が悪いことに廃校の古いトイレで、しかも男子用は2つしかないというシチュエーションです。舘野さんがお先に用を足しておられ、私も所定位置に着いた手前出るに出られない状況になってしまいました。軽く会釈をして、まさしく舘野さんと「感動」のツレションです。気の利いた言葉も思い浮かばず、無言のままの時間の長かったこと、忘れることが出来ません。トイレでなければ、何か簡単な言葉を交わして握手くらいはしてくださっと思うと残念でなりませんが、後にも先にも一生の思い出になることは間違いないようです。(^^♪
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『ユートピア』 湊かなえ

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湊かなえの『ユートピア』。美しい海辺の町、鼻崎町を舞台に、それぞれの理想郷を夢見る三人の女性が出会うことから物語が始まります。
ミステリーとしてのストーリーも面白いのですが、女性の細かい心理描写を書かせてはこの作家さんの右に出る人はいないのではと思うほどに鋭いです。何気ない日常に潜む微妙な女の駆け引き、ユートピアという現存しえない理想郷を追い求める女たちの心理戦争小説といっても良いような感じのミステリーです。
結末で、登場人物のひとりが書いた"神様への手紙"という手記に思いもよらない事実が書かれています。常識的に考えて、実行しそうにない人物が考えた策略の凄さに、戦慄をおぼえるというか唖然とします。
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ワン少 ニャン多

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ギネスに挑戦中のダッキーです。お父さんのmacotoさんとお母さんは、「天気がいいぞ」とばかり、僕のことはほったらかしにして、いそいそとスキーに出かけてしまいました。僕は年ですし、そんな寒いところは苦手ですので、家でぬくぬくしていた方がハッピーです。

ところで、このところ犬を飼う家が少なくなって、猫を飼うところが増えたとニュースでやっていましたね。ワンコの端くれとして、由々しき事態が起きているようです。何やら犬は散歩が面倒とか、吠えるのでうるさいなどと云うのが理由のようですが、それしきのことで犬飼いが減少するとは日本人も軟弱になったものだと思います。

どちらかというとワンコ派のmacotoさんですが、1枚だけ猫の絵(木版画)が壁に掛けられています。だいぶ前に猫好きの親類からいただいたもので、サインからみて、稲垣知雄(1902-1980)という画家の作品らしいです。「歩く猫」(53年)「猫の化粧」(55年)「尾長猫」(58年)など猫を好んで描いた画家として国内外で知られているそうです。
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『舘野泉 ピアノ・リサイタル ~左手の音楽祭~』

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1月18日(月)~22日(金)のNHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」は"世界のピアニストたち"と題するシリーズで、その二日目の19日は『舘野泉ピアノ・リサイタル~左手の音楽祭~』でした。
2014年10月の厚沢部町・旧清和小学校での「清和の丘コンサート」を聴きに行って深い感銘を受けたピアニストですので、放映を楽しみにしていました。吉松 隆の「タピオラ幻景 作品92」、「アイノラ抒情曲~左手のための作品95 モーツアルティーノ」など4曲を演奏していましたが、「清和の丘コンサート」での素敵な情景を思い出して聴き入ってしまいました。
ご自身のエッセイによりますと、お父さんの弘さんはチェリスト、お母さんの光さんはピアニストだったようです。ご両親の北海道での演奏旅行に連れられての初旅が1歳の時で、函館の埠頭で撮った写真があるそうです。「清和の丘コンサート」に7度もお越しになって演奏しているのも、ひとつにはこんな深い縁があってのことなのかも知れません。
今年も「清和の丘コンサート」で舘野さんのピアノを聴くことが出来ればと思い今から楽しみにしています。

写真はいずれもNHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」の放映画面を撮影したものです。
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『二度寝で番茶』 木皿泉

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木皿泉の『二度寝で番茶』、かっぱさん(妻鹿さん)と大福さん(和泉さん)ご夫妻の対談集ですが、とにかくいいです。木皿さんの本を読んでいると、人生が楽しくなるというか、捨てたもんではないなぁという気がしてきます。お二人の会話の中にスーッと入っていって三人でお茶を啜りながら他愛のないことを話しているような、そんな雰囲気の対談集です。
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サンデー・バードテーブル

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全国的に猛烈な寒波が押し寄せているようですが、北海道は晴天の日曜日になっています。
そんな日曜日の昼下がり、我が家のバードテーブルには沢山の小鳥が来ています。
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ワンコの性格

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このところ度々登場しているダッキーです。今日は性格について考察してみたいと思っています。「考察」って言葉、お父さんのmacotoさんから教えてもらいました。

ワンコを飼ったことのない方で、犬に性格なんてあるのと仰る方がいますが、僕から言わせるとそれは認識不足です。macotoさんは今までに4匹の犬を飼ったらしいのですが、それぞれ性格がとても違っていたと言ってます。事実、先日星になったノエタンは繊細、従順、甘えん坊、そして少し臆病なところがありましたが、僕は頑固、言うことを聞かない、独立心旺盛、野性味が強いという正反対の性格を持っています。小さい頃からマイペースで、来宅者から「躾がなっていませんねぇ」なんてことをいつも言われていましたので、我ながら頑固者だと思っています。
でも、生まれてこのかた一度もウゥーと唸ったことも噛んだこともありませんから、性格はいたって温厚です。皆さん顔に似合わないと言いますが、余計なお世話と思いつつもこれは本当です。温厚な性格はワンコの世界ではとても重要なんです。例えばドッグランに行って大きな噛みつきそうな犬に出会っても、絶対に反抗はせず、ひっくり返って死んだふりをしますから、全然へっちゃらです。ヒトの世界でも「負けるが勝ち」と言いますでしょう。
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くっきりと駒ヶ岳

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朝からすっきりとした青空になり、家内とスキーへ行ってきました。積雪80cmということで、前回雪不足で閉鎖していたコースも滑れるようになって、いずれのコースもいい状態になっていました。平日は空いているのかなと思ったのですが、小学校のスキー学習や外国人観光客がたくさん来ていて、結構賑やかでした。2時間滑って、お昼を食べて、温泉でのんびりというパターンに嵌りそうな感じです。(^^♪
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ドッグフードねぇ

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は~い。『ギネスに挑戦』している17歳のダッキーです。今日は第2弾として、ドックフードそしてそこから見えるものを僕なりに考えてみたいと思っています。

僕はmacotoさんのところに来てから、ずっとドライのドックフードを食べています。(「いました」といった方が正確です) macotoさんが見つけてきた吉岡油糧という会社のフードです。これだけ食べていると栄養的に満点だし、預けた時も困らないというのが理由らしいのですが、本音のところは皿にザーッと入れれば済むので簡単というのが一番の理由のようです。僕は他のフードの味を知らないので、こんなものかと思って食べています。食事は朝夕の2回で、量は1度に31グラムと厳密に決められています。僕には、31グラムという半端な数字が解せませんが、macotoさんは「この1グラムが大事なんだ」と言ってききません。本当に理解不能です。でも、この吉岡さんのフードと1グラムのお蔭で、ここまで長生きできたのかなと思って感謝しています。吉岡さんのフード、作り置きしないで、その都度作ってくれますから、いいですよ。「ダッキーさんからのお勧めです」と言っても、特典はありませんので、悪しからず・・・

でも、先日ノエタンが体調を崩した時に、お母さんが野菜や肉の入った手作りの食事を作ってくれて、僕も一緒に食べてから、その旨さにびっくりして、ドライフードを食べることが出来なくなってしまいました。いやはや、こんなに旨いものがあるとは知らず、今までの17年間は何だったのかと思う日々です。ワンコの立場から言えば、手作りフードが一番ですね。ただし栄養のバランスを考えての上ですけどね。

それにしましても、先日から報道されている廃棄物として捨てられたカツがスーパーで売られていたというニュース。macotoさんは「そんなもの食わんからいい」なんてことを言ってますが、僕は食べられずに廃棄された何十万枚という膨大な数のカツのことが気になって仕方がありません。同じ命のある動物として本望を果たせずに捨てられて何とも無念なことだろうと小さな胸を痛めています。それを横流しして流通した人はもっと悪いんですけどね。以前、macotoさんは八雲で羊を飼っていた知人からラム肉をいただいていたそうで、彼は飼育から屠畜まですべて自分でやっていたそうです。「『いただきます』と言うのは、こんな尊い命をいただくからなんですよね」と言っていた彼の言葉が忘れられないとmacotoさんは話しています。食べ物から命が見えなくなってしまったこんな国、僕から見ても大丈夫なのかなと思います。
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『6粒と半分のお米』 木皿泉

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木皿泉の『6粒と半分のお米』、読み終えると肩の力がすぅーっと抜けるようで心地よかったです。神戸新聞やいろいろな雑誌へ書かれたエッセイや対談、そして文芸誌の解説、書評、映画評と盛りだくさんですが、いずれも先日のテレビドラマ『富士ファミリー』で観たような、ふんわりと暖かい真綿で包まれたような気持になります。

巻末というか終わりに2014年3月に放送されたNHK FMシアター『どこかで家族』の全シナリオが掲載されています。東日本大震災で罹災し離散した家族4人の物語です。母と息子は愛媛へ、父と娘は地元に残って暮らしを立て直そうとします。当初は、一時的に離れるだけのつもりだったのが、日常に追われ元どおりになるきっかけを失ったまま時間だけが過ぎていきます。それから9年後の2020年、東京オリンピックを機に一家は再会を果たします。
オリンピックのバスケットの試合を4人で観戦しているシーン。実際にゲームをしている時に広く感じたコートが外から見ると意外と小さいことに驚きます。
「中にいる人と、外にいる人って、コートのラインが全然違うように見えるんだよね」と言い合う4人、家族もコートと一緒だということに気付きます。「一緒に住むことが家族なんてよぉ、それは外から見てるヤツが言うことでよぉ、中にいるほうは必死で、ラインなんて、どこにあろうが、もうどうだっていいべな」と言って安心します。4人は家族の深い絆を確認して、それぞれの元の日常へと戻っていくというドラマです。どこか寅さんの映画のようで、木皿さんの家族を見る目がいいですね。
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大雪の朝

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爆弾低気圧が通過して全国的に大雪に見舞われているようですが、当地でもそれなりの雪が降りました。夜中に除雪車の音がしていたので、朝の雪かきを覚悟していたのですが、予想通り家の前の道路脇に雪の山が出来ていました。でも道路はピカピカに除雪されていますから、このくらいは屁の河童です。
学校も始まったことで渋滞を予想し、雪かきもそこそこに出勤したのですが、予想は的中して職場のある湯の川まで1時間ほどかかりました。これも好きな音楽を聴いてのんびり運転していきますので、さほど気にはなりません。ただ、函館市内の除雪はひどい状態で、幹線道路を外れるとガタガタ、ザクザクの連続で、これはどうにかならないのかと思います。冬になると、つい我が七飯町は函館市と合併しないで良かったなと思ってしまいます。
そうそう、この大雪で、ホームグラウンドのグリーンピア大沼スキー場も全面的に滑走可能になったことでしょう。
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STYLUS TG-4 Toughの顕微鏡モードで

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オリンパスSTYLUS TG-4 Toughの顕微鏡モードで撮影してみました。被写体は、私のところの窓辺で咲いている洋ランです。花の大きさは花弁の両端で15mmほどの小さなものです。
1cmまで被写体に近づけて、ズームも使えますので、かなり迫力のある写真を撮ることが出来ます。窓際ということで少し逆光気味ですが、LEDガイドライトが補光して、いい感じになっています。一眼のマクロレンズには敵わないかもしれませんが、コンデジでこれだけ撮れれば立派ですね。
なお、画像はRAWで撮影し、一切いじらないでそのまま現像してjpegへ変換したものです。
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新しいカメラTG-4 仲間入り

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昨春に一緒に旅行をしていただいたアルパイン・ツアーの渡部さんが持っていて羨ましく眺めていたオリンパスのSTYLUS TG-3 Tough、さらに性能をアップしたTG-4が登場し、値段もそこそこ安くなったので、手に入れることにしました。

このカメラの最大の特徴は、岩場や雪の中、そして水中とどんな過酷な環境の中でも使えることです。防水(ハウジングをつけないで水深15m)、防塵(高気密性)、耐衝撃(2.1m落下テスト・クリア)、耐荷重(100kgf)、耐低温(-10℃)などと云いますから凄いです。レンズもF2.0と明るいので、暗所の動きのある被写体でも速いシャッター速度で撮れるのではと思っています。

そうそう、このカメラのもう一つの凄いところは、顕微鏡モードというマクロ・システムです。被写体距離1cmまで近づけますので、驚きの拡大撮影を行うことが出来ます。右の輪っかの様なものは、LEDガイドライトというもので、レンズのところに嵌めて使用します。通常のマクロ撮影では、カメラや操作する手が被写体に影を落とすのですが、これで被写体に均一に照射し、影を消し込んだ撮影が可能になります。
アウトドア派にはお勧めの一台と思います。
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17歳と2ヶ月 ギネスに挑戦

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飼い主のmacotoさんが、ブログ内に『ダッキーのギネスに挑戦』という馬鹿々々しいカテゴリーを新しく始めるそうで、生まれて初めてこのような場にアップで登場することになりました。犬にも肖像権や個人情報があると思うのですが、こんな飼い主の勝手はありなのでしょうか。

という僕の名前はダッキー、写真の右側の目の小さい醤油顔のワンコが僕です。左のちょっとハンサムなのが先日14歳で星になったノエタンです。この写真はだいぶ前の冬に撮ったもので、この時は僕も若かったので、艶々のブラック&タンが自慢でしたが、今月で17歳2ヶ月にもなり、タン(こげ茶)の部分は真っ白になりました。
17歳というと人間では青春真っ盛りですが、ワンコの世界では85歳くらいになるそうです。知らない間にmacotoさんの年齢を追い越して、この家の長老になってしまいました。平均寿命からいっても、あとそんなに生きられないかもしれませんが、『ギネスに挑戦』ということで頑張ってみようと思っています。目も少し白内障ですし、耳も聴こえ難くなってきているのですが、食欲は旺盛ですから、ちょっとは期待が持てるかなと思っています。ふふ、心労になりますので、あまり過度の期待はしないでくださいね。
そんな僕ですが、生まれは東京の国分寺です。どういう訳か生後6ヶ月の時に北海道のこんな田舎に連れてこられ、この年になるまで田舎暮らしを続けています。macotoさんと奥さんは僕の写真も見ないで、飼うことを決めたらしく、空港で初対面の時は「・・・」と声が出なかったようです。あとで聞いた話ですが、もっと可愛い子犬を想像していたようです。6ヶ月も経っていたこともあるし、オヤジ顔で今と殆ど変わらなかったようです。ワンコは顔じゃないんですよね。

人間の人生にもいろいろなことがあるようですが、17年間のワンコの犬生にもいろいろなことがありました。これについてはおいおいお話しますね。ああ、そうそう、このカテゴリーの話題が消滅したと思ったら、その時は僕が星になった時ですので、このカテゴリーのことも忘れてくださいね。CIMG00391-2

初滑りと森らいす

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雪不足と日程の都合で、すっかり出遅れてしまったスキー、今日が今シーズンの初滑りになりました。今シーズンは、家から25分ほどのところにあるグリーンピア大沼スキー場をホームゲレンデにすることにしました。ここのプールで一緒に泳いでいるtuさんの勧めもあって鞍替えしたのですが、ほぼ30年前に出来たここのスキー場で滑ったことは一度もありませんでした。
リフトはペアリフトが2基のみで、ゲレンデの距離も短いのですが、お手軽に楽しめるスキー場といった感じです。スキー場のてっぺんからは駒ヶ岳、そして右手に昨シーズンまで滑っていた七飯スノーパーク・スキー場を望むことが出来ます。一緒に行ったsumiさんは2時間券の設定があることを喜んでいました。2時間も滑ると飽きちゃいますからね。
スキーの後は勿論温泉です。本当はスキーよりも温泉が楽しみなのかも・・・。
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このスキー場のある森町は、昨年ご当地グルメとして『森らいす』なるものを創作し、町内9つのレストランで提供するようにしました。各店独自の『森らいす』があるのですが、決められたルールがあるらしく、①オリジナルのハヤシライスとする②森町産のトマト、ほたて、豚肉を用いる③ワンプレートにルーとライスを盛り付ける④ルーにトマトを用いる⑤ライスを駒ヶ岳型にするという5つの約束事を守るのが条件らしいです。
お昼は、ここのホテルの『森らいす』にしてみました。ベビー・ホタテの入ったバターライスに、森町のブランド肉『ひこま豚』を使ったハヤシ風のルーが添えられて、とても美味しかったです。ふふ、バターライス、森町から見る駒ヶ岳の形をしていますね。
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『風かおる』 葉室麟

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葉室麟の『風かおる』を読み終えました。
好きな作家のひとりですから、一気に読んでしまいました。この作家さんの本はちょっとミステリー風で、人間の本質をついているにも拘わらず、ほのぼのとして読後感がいいのが好きな理由なのかも知れません。
あらすじは記しませんが、『些細な嫉妬から流転する人生を哀歓豊かに描く傑作時代小説』と帯に書いてありました。小説の最後のほうで、事件の全貌を話すひとりの男のくだりが、この小説のすべてを語っているようです。
「(誰が悪かったのか)わからないな。今回の件で悪人はひとりもいないようだ。しかし、ひとの心には時として魔が入り込む。魔は毒となってひとを次々に蝕んでいく。その様はまるで疫病のコロリのようだな」と。
面白い時代小説です。
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『人魚の眠る家』 東野圭吾

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東野圭吾の作家デビュー30周年記念作品という『人魚の眠る家』を読み終えました。
あらすじについては他に譲るとして、本書の核心は脳死、臓器移植、延命処置という難しい問題を取り上げたところにあると思われます。

可愛い我が子が脳死状態と宣告されても、高度医療や最新の科学技術を駆使して延命治療を施したいと思うのは親として当たり前の気持ちでしょうし、一方で臓器移植でしか命を継続することが出来ない子を持つ親の切実な気持ちも理解できます。「こんな物語を自分が書いていいのか、今も悩み続けています」と東野さんは語っていますが、それぞれの個人や家族のおかれた状況、宗教観などに帰結するものが大きく、何が適切で何がそうではなのか一概には論ぜられないように思っています。

平成22年7月17日に改正臓器移植法が施行されて6年目を迎えますが、昨年6月末までに15歳未満の子供からの提供で行われた臓器移植は7例(うち6歳未満は3例)にとどまっているそうで、小児のドナー(臓器提供者)およびレシピエント(移植希望者)それぞれの苦悩がいかに深いかを物語っています。

また、脳死という言葉も普通に見聞きしていましたが、これほどまでに深く考えたことはありませんでした。一昔前までは、誰もが共通して抱いていた死(臨終)という概念がありましたが、臓器移植に伴って脳死判定というものが持ち込まれてからは、死そのものの扱いが複雑になったことをあらためて認識させられました。
医学を含めた科学技術の進歩は人類の幸福に繋がっていると信じていますが、同時に生殖医療や高度治療などの選択肢が際限なく増えるということでもあり、それに伴う社会的な問題も否応なしに個人や社会に課せられてくると思っています。
そんなことを考えさせられた一冊です。多くの方にお読みいただきたいと思います。
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カラフルなミニトマト

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昔は、冬の北海道にトマトなんて考えられませんでしたが、今では普通に売られて普通に食卓に並ぶようになりました。そんなことでカラフルなミニトマトのパック・バイキングをスーパーでやっていましたので買ってきました。パックの蓋が閉まればいいということで、ぎゅうぎゅう詰めにしたあと、sumiさんと振ったりして何とかOKになりました。貧乏人はこのへんに根性を発揮します。後遺症として少し変形しているのもありましたが・・・(^^♪
名前も書かれていましたが、詰め込むことに夢中になり、まったく憶えていません。緑色とか茶色はトマトにしてはどうなのかなと思いましたが、食べてみると味が濃くて意外と美味しいのにはびっくりです。アイコを含めて8種類ほどありましたが、こんなにカラフルなら今年はこれらの珍しい品種を植えてみたいなと思っています。畑はまだ雪で真っ白ですが、今年のトマト栽培に思いを馳せています。
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これは感動もの『BALMUDA The Toaster』

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『BALMUDA The Toaster』。早速使ってみました。
セットはとても簡単で、まずパンをトースターの網に置き、専用カップで5ccの水を上部の注水口に入れます。左ダイヤルでパンの種類を選び、右のダイヤルで時間をセットします。
カチカチと時計の音がして(・・・いい感じ)、3分経ったら、ご覧のような出来上がりです。写真だけで、味わってもらうことが出来ないのが残念ですが、ふっくらモチモチして、本当に焼き上がりのようなパンに仕上がります。これは感動もので、パン好きには絶対にお勧めのトースターだと思います。フランスパンやクロワッサンなども試してみたいと思っていますので、順次紹介しますね。

このトースターを使ってみて感じたことは、デザインもそうですが、遊び心がいっぱい詰まっていて、製作に携わったBALMUDAの技術者の心意気が感じられる製品のように思っています。先日読んだ『下町ロケット』の佃製作所にダブるようで、何となく嬉しいです。
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こんなトースターが仲間入り

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『最高の香りと食感を実現する感動のトースター』という触れ込みにつられて衝動買いしたトースターが、我が家にやってきました。その名も『BALMUDA The Toaster』。何やらBALMUDAという小さな会社を立ち上げた寺尾玄さんが、1991年にスペインのロンダで食べたパンが忘れられなく、それがこのトースターの開発の出発点といいますから、ストーリーからして面白いです。
トースターごときにしては、値段が「う~ん」という気がするのですが、終戦後のアメリカの粉食政策に毒されたせいでパン好きの私たちは「まあ、いいかぁ」って感じで買ってしまいました。
先ほど届けられたばかりですので、まだ使っていませんが、『スチームテクノロジーと完璧な温度制御が最高の味を提供』と書いてあるパンフレットをうやうやしく見つつ、半信半疑ながら興味津々です。今使っているトースターとどの程度違うものなのでしょうね。明日の朝に焼いてみますので、感動するか落ち込むか楽しみにしていてください。
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『小さな賢者たち 天空のお花畑 大雪山』

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本日(1月8日)、NHK総合で道内だけで放映された北海道スペシャル『小さな賢者たち 天空のお花畑 大雪山』(20:00~)、登山愛好者だけではなく、多くの方々がご覧になったことと思います。視聴することが出来なかった道外の方は残念でしたが、4Kカメラを駆使しての映像は息をのむほどに綺麗でした。
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上の3枚の画像はNHK総合で放映された北海道スペシャルの映像を撮影したものです。

番組の映像が撮影された時期より少し後(7月上旬)に、私も大雪山系を縦走していました。下の写真は、早朝に白雲岳避難小屋からトムラウシ山を撮影したものですが、同スペシャルの最初のタイトル画面もほぼ同じアングルからの映像でした。大雪山系では私もこの景色が雄大でいいなと思っています。今年もテントを担いで行きたいと思っています。
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地元スーパーでキヌアをみつけた

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南米原産のキヌア、健康食品として都市部では普通に売られているようですが、田舎ではなかなか見かけることがありません。そんなキヌアを地元のスーパーで見かけ、「こんな田舎でも売ってる」と感激して、一袋だけ買ってきました。売られていたのはキヌアをポン菓子のように高圧で膨らませたキヌア・パフという製品で、そのまま食べてもサクサクして美味しいものです。一緒に買ってきたチア・シード、食べたことがありませんが、どんな味がするのかこちらも楽しみです。
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キヌアはボリビア、ペルーでは主食に近いもので、プチプチ感を生かしてスープにしたり、お米のようにリゾット(キノットといいます)にしたり、また甘く煮てデザートになったりといろいろ工夫して食べられています。とにかくキヌア、キヌアですから、連日これでもかというふうに出されると、「もう、いいっ~」って叫びたくなります。

下の2枚の写真は、昨年3月にボリビアで撮影したものですが、どこへ行ってもジャガイモなどと並んでキヌア畑が広がっています。日本の田んぼのように整然とした田畑ではなく、勝手に生えてるといったら言い過ぎかも知れませんが、野性味の強い感じです。緑っぽい色から、徐々に赤くなると収穫時期が近付いている徴なのかも知れません。
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『世界遺産で神話を舞う』

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1月3日、BS-TBSで放映された『世界遺産で神話を舞う』(21:00~)をご覧になられた方はおられるでしょうか。人間国宝で能楽師の梅若玄祥が、古代ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を題材に創作した新作能「冥府行~NEKYIA(ネキア)」をギリシャ・エピダウロスの古代劇場で上演した時の映像でした。

私と家内は、20年ほど前にアテネから車で2時間ほどのところにあるエピダウロスへ行ったことがあります。二人だけの貧乏ギリシャ旅行でしたので、途中ジプシーの子供たちによる強奪事件にあったりして、やっとたどり着いた思い出の地です。エピダウロスの円形劇場は、2400年前に完成したもので、そのスケールの大きさには圧倒されます。今でこそ小さな町のはずれにありますが、その当時は相当な賑わいがあったことが偲ばれます。PICT0006
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取り上げるのは叙事詩「オデュッセイア」はホメーロスの作品と言われていますが、今回はその第11章の「ネキア」を題材にしたもので、オデュッセウスが、魔女キルケーの助言に従い、冥府にいるという予言者ティレシアスに会いに行くという物語です。
ギリシャ人演出家のミハイル・マルマリノスと新作能「冥府行」を編纂する能脚本家・笠井賢一の息詰まるようなやり取りが凄かったですが、幽玄な能の世界とギリシャの古代演劇を見事に融合させた梅若玄祥の舞も息をのむほどに素晴らしいものでした。なお、入場者は約10,000人だったそうです。
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ギリシャにおける叙事詩というのは、紀元前8世紀頃から各地を定期的に廻る吟遊詩人によってもたらされたようです。吟遊詩人は他の地域の身近な出来事なども織り交ぜて吟唱していたようですから、情報伝達者のような役割もしていたのでしょう。それがホメーロスなどに伝承されたものと思われます。ホメーロスが実在していたかどうかは定かでないようですが。
古代ギリシャにおいて、『オデュッセイア』や『イーリアス』は、市民階級は必ず知っているべき知識のひとつとされていたようですから、教養が高かったのですね。

※上の2枚はcotoの撮影、下の2枚はBS-TBSの『世界遺産で神話を舞う』の放映画面を撮影したものです。

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ドラマ『富士ファミリー』

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1月2日にNHK総合(21:00~)で放映された『富士ファミリー』、大好きな木皿泉の脚本ですから、ドラマ開始の時を楽しみに待っていました。

富士山が大きくそびえる山麓のコンビニ『富士ファミリー』、コンビニとは名ばかりで、入るのを躊躇うほどのおんぼろのお店です。惚けているのではと思うような笑子バアさん(片桐はいり)が店番をしているシーンからスタートです。このお店には評判の美人三姉妹がいて、長女の鷹子(薬師丸ひろ子)は一家を切り盛りする大黒柱、次女のナスミ(小泉今日子)は夫の日出男(吉岡秀隆)を残して病気で亡くなってしまい、三女の月美(ミムラ)は面倒なことに関わりたくないとさっさと嫁いでいました。
そんなある日、笑子バアさんの前に亡霊となったナスミが現れ、服にしまい込んだメモを見つけて欲しいと言います。このメモには、ケーキ、懐中電灯、四葉のクローバー、光太郎、ストローなど脈絡のない言葉が書かれているのですが、それが物語を思わぬ方向へ導くきっかけになります。
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トラックの荷台から振り落とされトンネルの中で一人たたずむ介護ロボットのマツコロイド。「私は介護されるためだけに作られ、ここにいます。作った目的は製作者に聞いて下さい」と。自分の居場所を失っていた笑子バアさんは、「皆の足手まといになるこんな私でも生きてていいの」と訊きます。「生きる価値とかそんなものより、ここにいることが重要なのではないかしら」と応えるマツコロイド。いい場面です。
マツコロイドは今回がドラマ初出演だそうで、メーキャップや台詞の打ち合わせなど本番前から緊張していたそうです。てなことないですね。(笑)
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富士山は私たちが生まれるずっと前から悠然と聳えていて、生きてるときはいつも見守ってくれ、そして死んでからも何事もなかったように変わらずに聳えている・・・そんな富士山から元気を貰い、励まされる『富士ファミリー』です。店の名前は勿論のこと、牛乳瓶、お菓子のシールなどいろいろなところに富士山が登場します。
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そして最後は、皆で初詣。背後には亡霊のナスミがピースサインを送っています。
世の中の人や物、そして諸々の出来事にはすべて何らかの役割や目的があり、必要でないものは何一つないという優しくおおらかな木皿泉さんのメッセージが込められているようなドラマでした。楽しいけどどこか哀しく、哀しいけどどこか笑わせる・・・お正月に相応しく、三段重箱から溢れるような素敵なドラマでした。
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あぁ、そうそう。笑子バアさんの当たった「ストロー」。人型の紙縒り(こより)にストローで水をかける遊び、私も子供の頃によくやりました。笑子バアさんが男と女の人型紙縒りが妖しく絡まる上から水をかけると、妙に艶めかしい動きをするシーン。大笑いしてしまいました。やけくそになってストローから水滴を落とす笑子バアさんの横顔、最高でした。

※写真はすべてNHK総合で放映された『富士ファミリー』の画面を撮影したものです。

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『こいつぁ春から 』初芝居生中継

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昨日、NHK-Eテレ(19:00~21:30)で放映された『こいつぁ春から 初芝居生中継』をご覧になった方は沢山おられることでしょう。大阪松竹座、歌舞伎座での新春歌舞伎、良かったですね。客席も華やいだ雰囲気で、これを観るとお正月だなって思っちゃいます。

舞台稽古の僅かな場面しか観れませんでしたが、いずれも今日(1/3)が初日の国立劇場の『小春穏沖津白波(こはるなぎ おきつ しらなみ)』と新橋演舞場の『新春花形歌舞伎』での歌舞伎十八番の内『七つ面』を個人的には観たいと思っていました。近かったら観に行きたいのですが、残念です。

まず国立劇場の『小春穏沖津白波』、尾上菊之助が演ずる小狐礼三です。狐に因んだ稲荷神社の鳥居の上で、妖術を使って大暴れする場面です。簡素化された黒を背景に流れるように配された鮮やかな朱の鳥居、歌舞伎の様式美の極みのような舞台ですね。IMG_3348
そしてこちらは新橋演舞場で歌舞伎十八番の内『七つ面』を演ずる市川海老蔵です。七つの面を踊り分けるものですが、今年は劇中劇にしようと考えているとのことですから、どのような舞台になるのでしょう。海老蔵、ますます意欲的に、そして円熟味を増してきましたね。
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今年は河竹黙阿弥が生まれてちょうど200年になるそうで、新橋演舞場で一緒に上演される『弁天娘女男白浪』、国立劇場の『小春穏沖津白波』も黙阿弥の作品です。黙阿弥好きには楽しみな一年になりそうです。
そうそう、この『こいつぁ春から 縁起がいいわえ』というのも、黙阿弥の『三人吉三』のなかで小判百両を奪ったお嬢吉三が朗々とうたいあげる名科白ですもね。

※写真はいずれもNHK-Eテレ『こいつぁ春から 初芝居生中継』のテレビ画面を撮影したものです。

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『下町ロケット2』 池井戸潤

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池井戸潤の『下町ロケット2』、前作の『下町ロケット』と同様に面白い小説でした。バルセロナにある聖家族贖罪教会(サグラダ・ファミリア)を建築したアントニ・ガウディにちなんだ「ガウディ計画」、教会や建築とはまったく関係のないモチーフですが、今回の新しい計画の命名がまずもって面白いです。細かいネタバレはいたしませんが、とにかく痛快な内容です。悪い奴らは徹底的に悪く、良い人達はどこまでも良くて、最後は正義が勝つという、水戸黄門を見ているような感じです。ここまで正義だとちょっと胡散臭い感じもしますが、まあ読後感がスカッとしますから良しとしましょう。

いつものように佃製作所をはじめとした正義側の仕事に対する考え方には教えられることが多いです。何のために仕事や研究をするのかという問の投げかけは、技術屋の端くれの私などにも通じるもので心して耳を傾けるべきと思いました。ノーベル化学賞に輝いた北里大学の大村智さんも仰っていましたが、どんな仕事も名誉や地位や身に余る金が目的ではなく、世の人々の幸福のために行うという理念を失ってはいけないということなのでしょう。「ガウディ計画」の関係諸氏は、研究者・技術者としてキラキラ輝いていますね。佃製作所、次は何にトライするのでしょう。『下町ロケット3』として続編が出て欲しいです。
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2016年の幕開け

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新しい年、2016年は比較的暖かい天気で迎えることが出来ました。

年賀状の出し忘れの方々の分を携えて郵便局まで歩いて行ってきましたが、近くの神社には初詣の方々が列をなして参拝待ちをしていました。正月風情が感じられなくなっていますが、ここだけは数少ないお正月を感じさせる処なのかも知れません。私は小学生の頃に親に連れられて神社へ行ったきり正月の参拝に行ったことはありませんが、手を合わせる皆さんの願いが叶えばいいなと思って正月風景を眺めていました。

新しいカレンダーの1ページ目は真っ白な雪の結晶でした。この素敵な絵のように、日本そして世界中の人達が平和で安心して暮らせる年であればと願っています。
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