木内克の猫 (テラコッタ⑤)
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蒲鉾かコッペパンを思わせるほどにデフォルメされた猫の置物ですが、なんとなく素朴で温かみのある感じがします。背中を撫でると、さも猫が気持ちよさそうにする感触が伝わってきて、思わず微笑んでしまいます。座布団に鎮座しているこんな猫、いますよね。(^^♪
物語は、クラシックギタリストの蒔野と、海外の通信社に勤務する国際ジャーナリストの洋子の出会いから始まります。初めて出会った時から、強く惹かれ合っていた二人ですが、運命のいたずらで行き違いになり、ついに二人の関係は途絶えてしまいます。互いへの愛を断ち切れぬまま、別々の道を歩む二人ですが・・・。
バグダッド、パリ、ニューヨークと目まぐるしく舞台が転換し、その都市の風景や暮らす人々が物語に深みを与えています。また、世界中で繰り広げられている紛争や経済、人権問題なども織り込まれており、否応なしに読者はそれらの諸問題にも目を向けることになります。ただ、闇雲に問題を提起するのではなく、洗練された芸術観、人生観に裏打ちされて物語は展開します。知的で成熟した大人のラブストーリーといって過言ではなく、しかも静謐で丁寧な文章で書かれており、読み応えのある小説です。
正月開幕の歌舞伎公演の模様を伝える恒例のNHK-Eテレ『こいつぁ春から』をご覧になりましたでしょうか。東京・歌舞伎座と大阪・大阪松竹座の新年の華やかな賑わいを生中継で伝えていましたね。
歌舞伎座からは玉三郎の「傾城」と染五郎、愛之助、左團次らが出演する「秀山十種の内 松浦の太鼓」を、大阪松竹座からは中村鴈治郎の「雁のたより」の舞台の一部が放映になっていました。
他に三代目市川右團次の襲名披露公演をしている新橋演舞場や松也が出演している浅草公会堂の舞台稽古の様子なども流れていました。いずれのお正月公演も舞台だけではなく、客席も着物姿の女性や綺麗どころが沢山来場されていて、とても華やいだ雰囲気でいいですね。
そうそう、幸四郎、染五郎親子も2018年1月にそれぞれ襲名を控えているそうで、今の役者名での公演は今年限りということですから、この親子にも目が離せませんね。
※2017.1.2 NHK-Eテレ『こいつぁ春から』の放映画面を撮影させていただきました。