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2018年01月

大雪でも春の準備をしなくては・・・

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一昨日の夕方からの大雪と強い風による吹き溜まりで、深いところでは1mくらいの積雪になりました。気象庁の高解像度降水ナウキャストを見ていますと、道南の瀬棚から七飯に向けてクサビ状に雪雲の空白地帯があり、七飯付近でクサビの頂点を迎えるような形になっていました。1000~1200m級の遊楽部岳、乙部岳などの山々がほぼ一直線に連なっていますから、北西からの風の時にこのような現象になるのかも知れません。この頂点のところで局地的な大雪になるようで、昨日も七飯付近で断続的に強い降雪を示す橙色から紫色の地点が見られました。

おかげでログの屋根の雪は見るからに重そうな感じになっていますが、このようにこんもりと積もっている景色も結構好きですので、春までこのままでもいいかなと思っています。北国に住んでいますと不思議なもので、氷点下10℃くらいまで気温が下がっても、雪があると何となく暖かいような感じがします。実際に屋根に沢山の雪が乗っかっていますと、保温効果があって暖かいようです。

大雪と雪かきに追われていた1月ですが、あと数日で2月を迎えますね。近くの農家では畑の融雪を促す黒い粉末を撒く時期になりますし、果樹農家では寒冷期の剪定作業に入るようです。私のところでもブドウやリンゴなどの剪定をしなくてはと思っているところです。2月を過ぎると、少しずつ春の足音が近づいてきますね。
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『きのう、きょう、あした』 つばた英子

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映画『人生フルーツ』の「つばた英子」さんと「つばたしゅういち」さんの『きのう、きょう、あした』を読んでいます。
しゅういちさんが、2015年6月に庭仕事を終えて昼休みをしているうちに突然お亡くなりになって、現在は英子さんがお二人の思い出の詰まった72㎡のワンルームでお過ごしになっているようです。しゅういちさんのお食事が陰膳になったくらいで、おひとりになっても日々の営みは以前と殆ど変わらないようです。
英子さんのひと手間の加わった美味しそうなお料理とお菓子、そして四季を彩るいろいろな花々や野菜、何気ない日々の暮らしのひとこまなど読んでいて元気をいただける楽しい一冊です。
私たちもお二人のように楽しく過ごしていけたらいいなぁと思っています。

映画でのワンシーンですが・・・
しゅういちさんが旅立たれたときに、英子さんがしゅういちさんの手を握られて、「しゅういちさん、私がそちらへ行く時までお元気にしていてくださいね」と声を掛けられていたのが微笑ましいというか深く心に残っています。何とも愛らしくて素敵な女性ですね。しゅういちさんが、「僕の永遠のガールフレンド」と仰っていたのが頷けるようです。
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映画『プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード』

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モーツァルト生誕260年を記念して製作された映画『プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード』を観てきました。モーツァルトの映画と言えば『アマデウス』ですが、1984年製作ですから、あれから34年も経ったのですね。

チェコ、プラハというと、スメタナとドヴォルジャークがすぐ頭に浮かびますが、モーツァルトもプラハで愛された作曲家だったようです。オペラ『フィガロの結婚』に熱狂していたプラハ市民が1738年に完成したスタヴォフスケー劇場にモーツァルトを再び招いたのが1787年。映画のモチーフになっているオペラ『ドン・ジョヴァンニ』は、この地で書かれて同年の10月にモーツァルト自身の指揮で当劇場で初演されています。

若手オペラ歌手のスザンナと出会い、妻子ある身ながらその距離を縮めるモーツァルト。そしてオペラのパトロンであり猟色家として悪名高いサロカ男爵もスザンナとの結婚を企んでいます。『ドン・ジョヴァンニ』創作の蔭でうごめく愛と嫉妬・・・。モーツァルトは失意のうちに初演の舞台を迎えることになります。

34年前の『アマデウス』もロケ地がプラハでしたが、この映画もすべてがプラハで撮影されたようです。映画のストーリーや音楽は勿論ですが、いにしえのプラハ市内、歴史あるスタヴォフスケー劇場など美しい景色にうっとりでした。
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『火定』 澤田瞳子

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澤田瞳子の『火定』を読み終えましたが、星4つ半つけてもいいくらいに感動しました。伊吹さんの『彼方の友へ』も良かったですが、こちらの澤田さんの『火定』も甲乙つけ難いほどに良かったです。う~ん、お二人とも直木賞が取れなかったことが残念でなりません。

時は奈良時代の天平年間、権力者である藤原四兄弟までもが罹患して亡くなった寧楽(奈良)の都・平城京での天然痘のパンデミックが主題になっています。太平年間には、世を震撼させた疫病の他にも旱魃や飢饉、大地震などが続き、これらの大きな出来事が引き金となって聖武天皇の親政や大仏建立などがなされたことが知られています。

遣新羅使が持ち込んだとされる天然痘が徐々に都に蔓延し猛威を奮うところから物語が始まります。原因も治療法も分からないなか、市中の病院「施薬院」では医師やスタッフが次々と担ぎ込まれる膨大な感染者の治療に昼夜をおかず奮闘します。
そんな「施薬院」の外では、疫病を避けて畿内から逃げ出す者、藁にもしがみつこうと「まじない」など怪しい宗教を頼る者、はたまたこの機に乗じて金儲けに走る者など世は混乱の渦に巻き込まれてしまいます。

まさに人間の心の中にある清い部分と濁った部分が、パンデミックという極限の状態のなかで炙り出されることになります。「火定」とは、自らの身体を火の中に投げ入れて死ぬ「火定入滅(かじょうにゅうめつ)」という仏教用語から来ているのだそうです。疫病の流行に対して無力さを感じ、おのれを含めた人間の業の深さを嘆く、主人公のひとり名代(なしろ)の叫びが「火定」という響きの中に聴こえてくるようです。
1300年も前の世の物語ですが、今まさに眼前で繰り広げられているような躍動と恐怖をおぼえる小説です。ぜひ読んでいただきたいと思います。
《図書館からお借りしました》
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極寒の銀世界へ

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数年に一度という強烈な寒波に覆われている日本列島ですが、昨日は函館でも-13.7℃と凍えるような寒さでした。今日は少し気温が上がったようですが、それでも依然として冷凍庫の中に入ったような状態が続いています。
雪も相当に降り、ゲレンデ・コンディションが良くなったようですから、スキーに出かけてみました。休みの日は頑張って出かけるようにしていますから、何とか11回目を数えるまでになりました。職場の人達からは「羨ましい~」と言われるのですが、スキー仲間からは「まだ、そんなもん」と鼻であしらわれてしまいますので、何となく複雑な心境です。(笑)

スキー場の表示で-14.0℃となっていましたが、滑っている体感はもっと下がっているような感じでした。とにかく寒くて、爪先も指先も感覚がなくなるほどでした。寒すぎてスキー板も滑らないような感じがしていましたが、それでも銀世界に飛び込んでいく爽快感はたまらないです。
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小豆シフォンケーキ

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先日のブルーベリー・シフォンは食べちゃいましたので、小豆のシフォンケーキを作ってみました。小豆と言いましても、いただいた大阪名物の「夫婦善哉」を使ってのケーキです。「夫婦善哉」はお餅を入れると最高に美味しいのですが、ケーキにしても一味違った美味しさを引き出してくれるのではと思ったからです。粉も和風に「米粉」にしてみました。

ベース・レシピはいつもと一緒です。おさらいをしますと、「卵黄チーム」と「卵白チーム」の別々のチームにすると分かりやすいかも知れません。「卵黄チーム」は5個の卵黄に30gほどの砂糖、大匙1のサラダオイルを加えて、白っぽくなるまで2分ほどかき混ぜます。砂糖はあとで加えるジャムや餡などを考慮して増減するといいと思います。白っぽくなったら、これに2回ほど篩った粉70gを加え、軽く混ぜ合わせます。はじめは上手く膨らませられないことが多いので、ベーキングパウダー小匙3/4程度を粉に混ぜてもいいかも知れません。
「卵白チーム」は何といってもメレンゲです。私はブレンダーを使っていますが、角が出来る程というか逆さまにしても落ちない程度にしっかりとかき混ぜます。冷やすと上手く出来るようですが、とにかく一生懸命頑張ってメレンゲを作ります。メレンゲに「卵黄チーム」に加えたと同じ量(30g)の砂糖を加えることもありますが、私は殆ど加えません。
これで「卵黄チーム」「卵白チーム」とも完成です。あとは「卵白チーム」の1/3を「卵黄チーム」へ加え、手早く混ぜ合わせます。そして残りの2/3を混ぜ合わせるとベースの生地が出来上がります。とにかく手早く泡を潰さないことがコツです。
私は17cmの普通のシフォン型を使っていますので、分量はそれに合わせています。静かに流し込み、竹串を円を描くように数回クルクルと回してすべて完了です。180度で予熱しておいたオーブンで35分焼けばシフォンの出来上がりです。そうそう、焼き上がったら逆さまにしておくことも忘れないでくださいね。

今回は「卵黄チーム」に大匙5の「夫婦善哉」を入れ、砂糖は10gにしてみました。小豆を主体に入れる感じです。甘みも押さえられてちょうどいい感じですし、フワッフワで美味しいです。小豆の缶詰でも美味しく出来ると思います。
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『砂上』 桜木紫乃

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桜木紫乃の『砂上』を読み終えました。
何とも息苦しい題材の小説で数ページを読んで投げ出そうかと思ったのですが、そこはさすが直木賞作家の筆の力ですね。先を読まずにはいられないような展開で、結果的には最後まで読んでしまいました。

主人公は北海道・江別市に住む柊令央(ひいらぎれお)という女性です。作家になりたいという夢を抱いて新人賞に応募を続けていますが、まったく展望が開けないままに40歳を迎えています。ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫からの慰謝料で細々と暮らしていますが、そんな彼女のもとに小川乙三(おとみ)という女性編集者が現れます。乙三は、以前に応募して落選していた『砂上』という小説の書き直しを提案します。この小説は令央の私生活そのものと言ってよい程に生々しい家族関係をモチーフにしたもので、まさに自分の身を削るがごとく赤裸々に書いたものだったのです。人生のどん詰まりに追いつめられたこともあり、あらためておのれの人生を直視しつつ、もがき苦しみながらもハードカバーの新刊を世に送ることになります。

読み進むうちに、令央が書く小説『砂上』と桜木さんの書く小説『砂上』が交錯しその境目が分からなくなってきます。そして終いには、虚構と現実が入り乱れて、何がフィクションで何がリアルなのかも渾然一体となって見極めがつかなくなってきます。何とも不思議な小説です。
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清塚信也ピアノリサイタル

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今年最初のコンサートは、清塚信也ピアノリサイタルです。
前回の七飯公演は2011年1月でしたので、ちょうど6年振りの七飯公演になります。35歳になったと仰っていましたが、テクニックそして音楽性にも一段と磨きがかかって素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
クラシックコンサートは勿論のこと、映画やテレビドラマなどの分野でマルチな活動を展開していますので、今回も1000席が早々に完売するほどの人気でした。
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プログラムは以下の通りです。一部はクラシックを主体に、二部は彼の作曲したものや編曲した曲目で構成されていました。清塚さんのベートーヴェンやショパンもいいですが、私はやはりガーシュウィンなど、少しジャズっぽいほうが雰囲気的にぴったりかなと思っています。ドラマのテーマソングなどストーリー性のある曲目も、彼のエンターテイナー的な要素が絡まってなかなかいい感じでした。
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アンコールだけは写真を撮ってもOKという異例のファンサービスで、満員の聴衆の殆どの方々がスマホを用意して写真や動画を撮っていました。こんなところにも人気の秘密があるのかも知れません。それと、天才的なピアノ演奏に負けず劣らず、演奏の合間のトークもウィットに富んで楽しいですね。

そうそう、七飯のホールにはYAMAHAのピアノしかないのですが、開館以来ピアノが更新されていないことにご不満だったようです。「今回のリサイタルで僕がこのピアノをぶっ壊します」と冗談を飛ばしていましたが、「文化」を謳い文句にした町にしては、ちょっと恥ずかしいというか残念に思っていたところでした。
次回の清塚さんのリサイタルの時には、STEINWAYのコンサートグランド D-274がステージ上に君臨していて欲しいなと思っています。D-274は2,100万円ほどするらしいですが、3月に開業する道の駅「なないろ・ななえ」に12億円も投じるのですから、ピアノにこの程度の予算を回してもバチは当たらないように思っています。くしくも今年4月には町長選挙がありますので、ピアノの更新を公約に掲げてくれないかなと期待しているところです。
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珈琲豆焙煎のすすめ

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もう何度か紹介しましたが、私のところでは珈琲豆の自家焙煎をしています。焙煎と言っても大袈裟なものではなく、200g程度を専用の籠に入れてガラガラとバーナーの上で回すだけです。5回に分けて1kgを焙煎しますが、所要時間は1時間程度で、慣れてくると鼻歌まじりで簡単に焙煎が出来ます。市販の焙煎豆に比べて蒸らし時の膨らみがいいですし、何といっても生豆は安く購入できますので、自家焙煎は外せません。興味のある方はぜひトライしてみてください。珈琲好きに自家焙煎はおすすめです。今回も薫り高いエメラルド・マウンテンです。

隣の豆苗は同じ豆類でもまったく関係がありません。野菜が高いので日向に置いて成長を促しています。3度刈り込みをして、4度目を頑張ってもらっています。(^^♪
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『ミ・ト・ン』 小川糸

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大好きな小川糸さんの『ミ・ト・ン』。この本もいいですね。

物語の舞台は、バルト三国の一つ「ラトビア共和国」、小説の中では「ルップマイゼ共和国」となっています。その小さな国は日本と同じような多神教の国で、すべての物には神や精霊が宿ると信じられています。昔ながらの伝統と自然を守り、つつましく人々は暮らしています。そんな小国にありながら温かい家庭に生まれたマリカという女性の一生を綴った物語です。彼女のそばには美しい毛糸で編まれた手袋・ミトンがいつも沢山あります。ミトンには各々に深い意味のある幾何学文様が編み込まれ、赤ちゃんの誕生や結婚式、人生の終わりなどに送ったり送られたりする習わしがあります。

彼女の初恋の人で、のちに良き伴侶となるヤーニスもラトビア人らしい魅力的な男性です。彼は養蜂家として愛するマリカを支えるのですが、結婚後数年して旧ソ連(小説の中では「氷の国」)に連行されて消息が不明になります。

占領下の苦しい日々に耐えながらも、ヤーニスとの楽しき日々の思い出を胸に笑顔を絶やさなかったマリカの生涯、そして彼女を支えた美しい毛糸の手袋・ミトンの存在が心に残ります。ラトビアの美しい風景に思いを馳せ、お読みになってみてください。
《図書館からお借りしました》
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巻末には小川糸さんのトラベル・エッセイと平澤まりこさんの可愛いイラストが掲載されています。小川さんと平澤さんは本著を発刊する前に3回ラトビアを訪問されているそうです。宝石のようにキラキラと輝くラトビアの人々の暮らしと風景に魅了されたと仰っています。ぜひ行ってみたいなと思っています。
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スキー用アプリの正確度は?

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昨日のスキー場でのゴンドラ内でのこと。私の使っているスキー用アプリ「ski tracks」の正確度についてスキー仲間へふってみました。スキー場へ出かけるたびに使っているのですが、計測結果の最高スピード表示がちょっとオーバーなのではと思っていたからです。
15分間のゴンドラの中は、それぞれの想像が錯綜して一向にまとまりません。(笑) 「車でも80km/hを出すと緊張するよ」という言葉に頷き、半信半疑というか結論が出ないままゴンドラを降りたのですが・・・。

そんなこともあって、今日の仕事帰りに車で計測してみようと思い立ちました。車には正確なスピードメーターがついていますし、それと対比するのが一番だと思ったからです。
函館以外の方は地理がよく分からないので恐縮ですが、非常勤で勤務している湯の川の職場から自宅のある七飯町までの約20km間を計測対象にしました。ルートは産業道路を赤川まで来て、赤川インターから高速道路に入って七飯本町インターで降りるといういつもの通勤コースです。
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このところの暖気で路面は殆ど乾いていますので、車のメーター表示で産業道路は55km/h前後、高速道路(函館新道)は90~100km/hで走行しました。「ski tracks」のほうも加速と停止の繰り返しが綺麗な山になっていて、正確にプロットしているように見えます。
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あくまでも道路走行ですので、滑走距離や垂直下降、斜度などは参考になりませんが、肝心の最高速度が93.1km/hと表示されていることがお分かりいただけると思います。高速道路を走っている時に計測されたものと思います。前述のように車のスピードメーター表示で95km/h前後で走っていましたので、この結果からほぼアプリの計測は正しいと考えていいのではと思っています。

未だどのようなメカニズムで計測しているのかよく分かりませんが、私の考えではGPSを一定間隔で細かく区切って、その区間の通過タイムから割り出しているのではと予想しています。どうでしょう。
メカニズムに詳しい方に教えていただければ嬉しいです。
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『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ

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ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読み終えました。
すでに沢山の方がお読みになっていると思いますし、これからお読みになる方もおられると思いますので、詳しい内容は帯に書かれている程度にとどめたいと思います。
 
現代の世の中では到底考えられない臓器提供を目的としたクローン人間のための施設「ヘールシャム」で育った若者たちの日常を描いた作品です。彼らは何度かの臓器提供をしたのち、身体に限界を迎えた者から使命を終えこの世を去ります。
物語は全篇に渡ってキャシーという女性の回想というかたちで進行します。キャシーは特別に訓練を受け提供者を介護する介護人として施設で働いていますが、自らも提供者という立場にあります。彼女の内省的な淡々した語り口が、若者たちの生まれながらの運命の残酷さを際立たせています。
ただ、彼女の口から語られる思い出の中のヘールシャムの若者たちは、自身の運命を知りつつも、友情を温め、性に翻弄される私たちの青春時代とそれほど変わらない普通の日常を過ごしていることに、何となく怖さを感じてしまいます。

この小説から何を感じるかは読者によって異なるような気がします。読み始めは、過剰に進みつつある生殖医療などの近未来的な科学技術の問題を提起したものか、はたまたグローバリゼーションの中での搾取する側と搾取される側の問題を扱ったものかと思っていました。でも今こうして読み終わってみますと、この物語の語り手はキャシーひとりであり、キャシーの語ったことがすべてであることに改めて気づかされます。
運命にささやかに抵抗するものの受け入れられず、折り合いをつけようと試みるも上手くいかず、仕方なしに自己を正当化して語るキャシーの姿が妙に身につまされます。何となく私たちに似ている・・・あえて究極の状態に置くことで浮かび上がる人間本来の姿、そんなことを描きたかったのかなと思ったりしています。
《図書館からお借りしました》
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超簡単! ブルーベリー・シフォンケーキ

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久しぶりのシフォンケーキ作りです。
今回は昨夏に収穫してジャムにしていたブルーベリーを使ってみることにしました。ベース・レシピの分量はいつもと同じで、小麦粉70gと卵5個、サラダ油大匙1、それに砂糖を少し(25g)加えたものです。ブルーベリージャムは、卵白と分けた卵黄に大匙3ほど加えてみました。卵白は逆さにしても落ちない程度のメレンゲにするのと、生地と混ぜる時に泡を潰さないようにするのがコツですが、それさえ注意すればOKです。
ジャムをどの程度加えればいいのか塩梅が分かりませんでしたが、焼き上がりで少し紫色に色づく程度になっていましたし、ほのかにブルーベリーの香りもしますので、この分量でいいかなと思っています。焼きの時間をいれても1時間以内に出来る「超簡単!」なシフォンケーキでした。
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『オブリヴィオン』 遠田潤子

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遠田潤子の『オブリヴィオン』も面白かったです。
主人公の森二は妻殺しの罪で服役し、模範囚として4年の刑期を終えて刑務所を出所する場面から物語が始まります。刑務所の門で迎えるのは、実兄でヤクザ稼業で身を立てている光一と、妻の兄にあたる義兄の圭介です。しかし、当の森二は二人を無視して元の家には帰らず安アパートに入居するのですが、その隣室にはバンドネオンを演奏する混血で美しい少女の沙羅が住んでいます。この沙羅が演奏するアストル・ピアソラの「オブリヴィオン」という曲、この小説の中では全篇に通奏低音のように流れて重要な意味をなしています。
森二はなぜ妻を殺したのか、その夜に何があったのか、謎の一つ一つが明らかになるにつれ、複雑な人間関係とやるせないほどの現実が少しずつ浮き彫りになってきます。
「オブリヴィオン」には忘却とか恩赦という意味がありますが、物語は人生を間違えてしまった人たちが、勇気を出して新しい一歩を踏み出す姿を描いているのかなと思います。

このピアソラの「オブリヴィオン」という曲は私も好きでよく聴いているのですが、ピアソラ独自のリズムで、4拍子の中で「一拍半・一拍半・一拍」という独自のパターンが多用されているのが特徴です。もともとイタリアの映画音楽として作曲されましたが、映画も音楽もあまりパッとしなかったようです。その後、「カンツォーネの女王」として名高いミルバが歌って評判になり広く知られるようになったそうです。ミルバと言えば「ウナ・セラ・ディ東京」が懐かしいですね。
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わぁ~! 玄関から出られない

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昨日までサラッとしか雪がなかったのですが、朝にカーテンを開けたらご覧の景色に一変していました。夢うつつで除雪車がガーガーやっているなと思っていたのですが、案の定ドカ雪になっていました。もともと北海道の中でも雪の少ないところですから、一晩で50cm近くも降ったら、もうお手上げです。午前中の雪かき作業で数日分のエネルギーを使い果たした感じですが、すっかり片付いた通路や階段を眺めるのも何となく気持ちがいいものです。

そうそう、積もった雪の割目が青く色づいてとても綺麗でした。北海道のサラサラの雪ではあまり経験することがありませんが、春先など水分を多く含んだ雪の場合に光が差し込むと青くなるようですね。天からのちょっとしたご褒美かなと思っています。
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『彼方の友へ』 伊吹有喜

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実業之日本社 創業120周年記念作品として発刊された伊吹有喜の『彼方の友へ』を読みましたが、すごく面白かったです。

明治41(1908)年の創刊から昭和30(1955)年まで、激動の時代をくぐり抜けて刊行されていた少女雑誌『少女の友』がモデルとなってこの小説が生まれたのだそうです。
舞台は昭和12年の東京。主人公の佐倉波津子(ハツ)は16歳。芸術に心を寄せる少女ですが、経済的なことから進学をあきらめ、西洋音楽を教える私塾で女中として働いています。しかし、戦争の色が濃くなったこともあり私塾をたたむことになり、ハツは自分の身の振り方に悩みます。そんな折に親戚から憧れの少女雑誌『乙女の友』の編集部の雑用係をしないかという話が舞い込みます。ハツは主筆の有賀憲一郎、看板作家の長谷川純司など個性あふれる人々に囲まれ、迷い悩み苦しみながらも自らの才能を開花させていきます。

それから幾年月が経ち、卒寿を迎えて老人施設のベッドの上で微睡むハツ。そんな彼女のもとに「フローラ・ゲーム」と書かれた美しい小さな箱が届けられます。
昭和12年、昭和15年、昭和18年、そして昭和20年と激動の過去と現代を行き来しつつ物語は進んでいきます。若かり日の淡い恋慕の情や奮闘した日々のことに思いを馳せ、「彼方の友へ」とつぶやくハツの心情が胸に迫ってきます。

おすすめの一冊です。そして今期の「直木賞」をぜひ受賞して欲しい小説と思っています。
《図書館からお借りしました》
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映画『Life is Fruity 人生フルーツ』

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お正月休みに出来るだけ映画館へ足を運んで映画を観たいと思っていましたが、やっと3本目です。
今日はアンコール上映をしていた『人生フルーツ』です。すでにご覧になった方は沢山おられるでしょうね。
愛知県春日井市にある雑木林に囲まれた赤い屋根の平屋にお住いの津端修一さん(90歳)、英子さん(87歳)ご夫妻の日常を綴ったドキュメンタリー映画です。コツコツと、ていねいに、時をためてお過ごしになるお二人の姿が、なんともさり気なく自然で感動的です。
ル・コルビュジェの「家は暮らしの宝石箱でなくてはいけない」という言葉を実践しているのでしょうが、本当にすべてがキラキラと輝いて素敵な人生をお過ごしになっているなと思いました。
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そのまま帰るのも勿体ないし、映画の余韻も楽しみたかったので、"Cafe & Meal   MUJI" で軽く食べていくことにしました。野菜がいっぱいのデリプレート、美味しかったです。もちろん別々のものを選んでお互いにシェアしましたが、いずれも英子さんのレシピとちょっと似ているかなと思ったりしていました。
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『銀河鉄道の父』 門井慶喜

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門井慶喜の『銀河鉄道の父』を読み終えました。
あの宮沢賢治の父・政次郎から見た賢治像を描いたという側面もありますが、むしろ政次郎のことを書いた本という感じがします。賢治の家は、花巻で質屋と古着屋を営む地元でも有数の商家であり、裕福な家庭で幼少から青年期までを過ごした息子とそれを支える父親の姿が描かれています。賢治の童話などが生まれた背景や過程を知ることが出来ますし、封建的な父親像といわゆる過保護で親バカという両面で揺れる政次郎の心の動きが読みどころです。
《図書館からお借りしました》
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映画『Destiny 鎌倉ものがたり』

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気になっていた映画、『Destiny 鎌倉ものがたり』を観てきました。
コミックスで34巻も発行している漫画作品が原作という予備知識もなくポスターに惹かれて映画館へ足を運んだのですが、ほとんど漫画を読まないこともあって、あまり映画の中に入り込むことは出来ませんでした。救いは主人公の奥さん役を演じた高畑充希さんの演技が素晴らしかったことくらいですが、この方は本当にこういう役回りはお上手ですね。そうそう、30年ほど前の少しレトロっぽい鎌倉の風景も良かったです。
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お手軽アップルパイ

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前回は二つ折りにして餃子のようにしたアップルパイを作ってみましたが、今回は型抜きの生地をそのまま重ねて作ってみました。中に入れるアップル・フィリングの量を沢山入れることが出来ます。

作り方は前回と同様にいたって簡単です。リンゴは皮をむいて5mmほどに短冊状に切り、器に入れてレモン汁、シナモンパウダーを適当量振りかけて、電子レンジでしんなりするまでチンします。リンゴの種類やお好みで砂糖を加えたり、レモン汁の量を調整するといいと思います。パイ生地は市販の冷凍もので、それを径10cmの型でくり抜きます。フィリングが程よく冷めたら、パイ生地の上にこんもりと盛って、その上にもう1枚を被せます。卵黄を適当に塗って、180度で20~25分焼けば完成です。蓋が閉まらなくても構いませんので、アップル・フィリングは沢山入れた方がグッドかも知れません。
次はアップル・フィリングにクルミなどを混ぜてみたいなと思っています。(^^♪
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『ワルツを踊ろう』 中山七里

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中山七里の『ワルツを踊ろう』を読み終えました。
『ワルツ~』という題名と表紙の装丁に惹かれて読み始めたのですが、これほど想像していた内容と違う本に出合うのも稀かなと思っています。
舞台は東京のはずれの7世帯9人が住む山奥の限界集落。そこに外資系金融機関をリストラされた39歳の独身男性が住むことになります。もともと実家がこの集落にあり、両親が亡くなって空き家になったことと自分の貯えが寂しくなってきたことがUターンするきっかけになります。
村落に溶け込もうといろいろと努力しますが、ことごとく裏目に出てしまいます。ワルツを大音量で流して和ませようと試みたり、カラオケ大会を開いてみたり、はたまた有機野菜をネット販売してみたりと・・・。そんな努力もむなしく逆に村人から反感を買うようになり、窓ガラスを割られたり、糞尿を撒かれたり、愛犬を殺害されたりと酷い仕打ちを受けるようになります。
そんな村人の中に一人だけ彼を理解し心から優しくしてくれる住民がいます。

このあとは本を読んでみてください。中盤まではちょっと笑えるほどに滑稽に描かれていますが、中盤以降は一転して凄惨で想像を絶するような怖さが待っています。そして最後のどんでん返しもダブルで怖いです。
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この列車には名優たちが必要だった・・・

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ショーン・コネリーやイングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンスなど豪華キャストが起用されて話題となった前作を観たのは1974年のことでした。
40年以上も経って新しく生まれ変わって登場した『オリエント急行殺人事件』。監督としてメガホンをとり、またポアロ役を演じたケネス・ブラナーをはじめ、前作にもましての豪華スターの競演で、もうワンダフルでした。ゴージャスに、そしてスタイリッシュになった『オリエント急行殺人事件』、瞬きをする暇がないほどに凄いです。面白さ満載で最高でした。
くれぐれも列車に乗り遅れて映画を見逃さないようにしてくださいね。

そうそう、ポアロは謎解き後、次の事件の依頼が入って慌ただしくエジプト・ナイルに向かうべく途中下車してしまいました。あの映画のリニューアルがあるかも・・・(^^♪
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『ミステリー・クロック』 貴志祐介

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貴志祐介の『ミステリー・クロック』を読み終えました。
「ゆるやかな自殺」「鏡の国の殺人」「ミステリー・クロック」「コロッサスの鉤爪」という物語の舞台も内容も異なる4つの短編、中編が収載されています。
「ゆるやかな自殺」は逃げ場のない暴力団事務所での自殺に見せかけた事件、「鏡の国の殺人」は完璧な防犯システムに守られた私設美術館で起きた事件、「ミステリー・クロック」は時計に囲まれた山荘での晩餐会の最中に起きた事件、「コロッサスの鉤爪」は周囲には島ひとつない小笠原の大海原で起きたボート転覆事件、いずれも密室や限られた空間の中で起きた殺人事件の謎解きが主題となっています。
場所や内容が異なると前述しましたが、共通するのは防犯コンサルタントという怪しい仕事をしている榎本径という男と、まったく頼りにならない青砥純子という弁護士が登場して難事件を解決していきます。とても実行することは不可能と思われるようなトリックが超満載で、榎本径が理路整然と謎解きをしていっても私の頭では何が何だか理解不能な状態で読んでいました。
私には少しトリックがしつこいように思いましたが、この手のミステリーがお好きな方にはおすすめかもしれません。
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『マスカレード・ナイト』 東野圭吾

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東野圭吾の『マスカレード・ナイト』。テレビから流れる大晦日恒例の東急ジルベスター・コンサートのカウントダウンが始まる直前に読み終えました。偶然にもこの小説の物語設定の日時と合致するように読み進めた感じです。『マスカレード・ホテル』、『マスカレード・イブ』に続くシリーズ第三段にあたるものです。

ある事件の犯人が、ホテル・コルテシア東京での大晦日のカウントダウン・パーティーに現れるとの予告が警察に入ります。このパーティーには仮面(マスカレード)をつけての仮装パーティというおまけがついています。ホテルという匿名性の守れる不特定多数の集まる場所、しかも顔の認識が出来ないマスカレード・パーティーという特殊な設定、このような物語の仕掛けは東野圭吾でなければ出来ないような気がします。
いくつにも散りばめられたサイドストーリーがあって、最後まで事件の核心がどこにあるのかハラハラドキドキの連続でした。それにもまして、ホテルマンに扮して潜入捜査をする刑事の新田の活躍、そしてこれぞ一流ホテルのコンシェルジュと思わせる山岸尚美の仕事っぷりももうひとつの読みどころです。

賑やかなNHKの紅白歌合戦をちらちら、それに続くジルベスター・コンサートのカウントダウン、まさに小説のマスカレード・パーティーの真っただ中にいるような雰囲気で読み進めることが出来ました。大晦日に読めたのも良かったですし、面白かったです。
PC200011

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