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2018年06月

『魔力の胎動』 東野圭吾

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東野圭吾の『魔力の胎動』を読み終えたところです。 
映画になっている『ラプラスの魔女』の前日譚とのことです。前作を読んでから2年半も経っていますので、どんな内容だったか忘れていましたが、不思議な能力を持つ少女・羽原円華の名前を目にして、あらすじを思い出しました。

本書は5つの短編からなっています。前日譚ということで、前書のストーリーに向かって遡る形になっていますが、人物の登場時期と合わせますと、すべてが過去の物語ではなく、各章が前作と入り乱れているようです。前作と合わせて読まれると、より面白いかも知れません。
ちょっとネタバレをしますと・・・

・「第一章 あの風に向かって翔べ」
ベテランスキージャンパーの坂屋は鍼灸師のナユタの患者です。近頃の坂屋は思うような結果が出せず、幼い息子に胸を張って自分の職業を言えないでいます。ひょんなことから坂屋の手伝いをすることになった円華。彼女の不思議な能力で坂屋の復帰を目論みます。
・「第二章 この手で魔球を」
同じくナユタの治療を受けているプロ野球選手の石黒。彼はナックルボーラーとして球界から重宝されていますが、受け手の捕手が膝を故障し引退を決めるのです。そこで後継として山東を指名するのですが、ある試合で捕り損ねて以来、まったく捕れなくなってしまいます。ここでも円華がある作戦を立てて、彼の立ち直りを試みます。
・「第三章 その流れの行方は」
ある日、ナユタと高校の同級生の脇谷が恩師・石部のもとに挨拶に伺います。そこで、石部の息子が水難事故によって植物状態になり入院していることを知ります。しかも、事故の原因にも訳がありそうなのです。さらに石部の息子は偶然にも円華の父で脳神経外科医師として勤務する開明大学に入院しているのです。混迷を深める石部親子。そんな親子のために円華は一肌脱ぐことになります。
・「第四章 どの道で迷っていようとも」
有名な盲目の作曲家の朝比奈もナユタの患者です。数ヶ月ぶりに朝比奈の元を訪ねたナユタは、朝比奈の世話をしていた助手が亡くなったということを知ります。しかも、朝比奈は「自分のせいで死んだ、私が殺したも同然だ」と言います。助手の死の真相、そしてナユタの過去や彼の秘められた人間性も明らかになります。
・「第五章 魔力の胎動」
前作の『ラプラスの魔女』で描かれた、赤熊温泉での火山性ガスによる不審死が主題です。3年前にも、灰堀温泉で同じように火山性ガスによって親子3人が亡くなるという事故が起きていましたが、その事件の真相が明かされることになります。これは事故だったのか心中だったのか、そして温泉地に現れた不審な行動をする女の目的は何か、青江修介と奥西哲子が奮闘します。

超人気作家の東野さんですが、個人的には内容にも文章にもちょっと物足りなさを感じています。近頃は殆どが映像化されていますので、その流れで書かれているのかなと思ったりしています。2006年の『容疑者Xの献身』や、2012年の『ナミヤ雑貨店の奇跡』などは超面白かっただけに、あの頃のような小説を読みたいなと思っています。
《図書館からお借りしました》
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雨の合間

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ぐずついた天気が続いている北海道ですが、今日は曇りがちながら雨が降らない一日でした。また明日からは大雨のようです。そんな空模様に合わせたように、アジサイが少しずつ色づいてきました。6月も今週で終わり、来週からは7月です。林の中を吹き抜ける風にも、なんとなく夏を感じるようになってきました。
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プルーンもいい感じ・・・

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北海道は昨夜半から横殴りの強い雨となっています。通勤の行き帰りも道路に大きな水溜りが出来て、行き交う車が水飛沫を跳ね上げていました。
夕方には小降りになりましたので、庭に出て庭を一回り点検です。案の定、ブドウの新しい蔓が折れたりしていました。これからしばらく梅雨前線が北海道に停滞するようですから、ちょっと鬱陶しい天気が続きそうです。

幼木を含めプルーンの木が4本あるのですが、成木の2本には今年も沢山の実が付いています。このまま黒紫色になると食べられるのではと思うほどに大きくなっていますが、もう二回りくらいは太って大きくなります。
このプルーン、薬剤散布は必須で、すでに2回行いました。私のところではモスピランという薬剤を使って、シンクイムシ対策をしていますが、経験的にこの薬剤が一番効果的かなと思っています。使う時期は地域によって異なりますが、プルーンを植えている方は、一度お試しになられてはと思います。
まだ植えて5年ほどの大玉のパープルアイにも今年初めて実が付きましたので、これも楽しみです。80~100gとビッグサイズになるようですから、一個食べたら満腹かも知れませんね。(^^♪
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『悪徳の輪舞曲(ロンド)』 中山七里

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中山七里の『悪徳の輪舞曲(ロンド)』を読み終えました。さすがに最高に面白い小説でした。

冒頭から妻による夫の自殺を装った殺人事件のショッキングな描写から物語が始まります。この殺人に手を染めるのが、このシリーズの主人公・弁護士の御子柴礼司の母親・郁美ときていますから驚いてしまいます。
『贖罪の奏鳴曲』『追憶の夜想曲』『恩讐の鎮魂曲』と続いて、この本がシリーズ4作目ですから、主人公の御子柴のことを存知の方は多いと思います。彼は14歳のときに近所の幼女を殺害し、遺体の各部位を郵便ポストや賽銭箱に配って回ったことから〈死体配達人〉と呼ばれ世間を恐怖に陥れた本名・園部信一郎という男です。医療少年院を出所後、弁護士資格を取得しています。弁護のやり方と報酬額は想像を絶するほどに悪辣ですが、裁判では百戦百勝という凄腕の弁護士として名を馳せています。
郁美の関わった偽装殺人事件は、その後の警察の捜査によって逮捕・起訴されることになります。しかし、例の〈死体配達人〉の母であるということが分かると、ことごとく弁護を断られ、結果的に妹の梓を通じて郁美の裁判の弁護を依頼されたのが御子柴でした。御子柴と家族は30年も前に縁を切っていますから、今回の依頼もあくまでも弁護士と一被告人という乾いた関係で立ち向かうことになります。
郁美は容疑を否認するものの、検察側が揃えた完璧なまでの証拠を前に、裁判は最初から勝ち目のない不利な状況であることは歴然としています。しかし、百戦錬磨の御子柴の繰り出す奥の手が凄いのです。そして最後に知ることになる事件の真相にも驚愕してしまいます。そのへんは読んでのお楽しみということで。

すべては〈死体配達人〉こと園部信一郎の起こした事件に行きつくのですが、「悪徳の輪舞曲」というように、人間の心の奥底に潜む影というか暗い部分が絡まって悪徳の連鎖という物語を形作っています。ただ、ストーリーが暗くならずに読後感がいいのは、中山七里さんの小説なればこそだと思っています。
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木漏れ日の雑木林

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爽やかな初夏を感じさせる昨日の日曜日、ブドウ園と裏の雑木林の下草刈りを行いました。春から3度目になりますが、木々の緑が濃くなるにつれ地面に降り注ぐ日差しが乏しくなりますから、下草自体もあまり伸びなくなっています。春には2日間もかかっていましたが、昨日は全体で半日で済ませることが出来ました。
草刈りは得意で毎日でも大丈夫なのですが、長時間作業をすると手が痺れてきますので、この点だけ注意が必要です。作業後、全体を振り返って綺麗になった林の中を見るのは何ともいいです。
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カンパニュラが風に揺れて

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カンパニュラ(風鈴草)が満開になって風に揺られています。カンパニュラは山野で見かけるホタルブクロの仲間で、改良された園芸種としても沢山の種類がありますが、これはカンパニュラ・ケントベルという花のようです。多年草で一度植えておきますと、雑草のように毎年旺盛に生育して花を咲かせます。花はシンプルな釣鐘状で、上品な紫色と相まってゆらゆらと風に揺れる様は風情があります。
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すくすく育つリンゴ

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本州は梅雨の真っ最中のようですので、園芸ファンの皆さんはいろいろと対策を講じていることでしょうね。北海道は梅雨がないと言われていますが、晴れたと思っていたら雨が降ったりして、落ち着かない天気になっています。
こんな天気の中、リンゴの実がゴルフボールくらいの大きさにまで成長しました。これまでに薬剤散布を2回しましたが、今のところ病気や害虫にやられずに順調に推移しています。まだ、空を仰ぐように上を向いていますが、もう少しすると下を向くようになると思います。今年も袋を掛けずにワイルドに栽培していますが、フジは日の光を浴びてすでに真っ赤に色づいています。俗に「サンフジ」と呼ばれる育て方です。王林はいくら日が当たっても、青いままですので、幼果の段階から種類による違いがあって面白いです。
今年は数えきれないくらいの実を付けていますので、台風などに耐えて実りの秋を迎えて欲しいなと思っています。
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ルバーブのシフォン・ケーキ

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ルバーブの茎が立派に成長していますので、何本か採ってシフォン・ケーキに混ぜ込んでみました。
ルバーブというものを見たことがない方がおられるかと思いますので、どんなものか簡単に説明させていただきます。種子か苗で植えておきますと、多年草ですから毎年雑草のように生育してきます。見た目はフキのようでもあり、小さなイタドリのようでもあります。タデ科といいますからイタドリの仲間なのかもしれません。とにかく雑草のように丈夫ですから、少し肥料をやるだけで、ほったらかしておいても大丈夫です。
茎は固そうですが、加熱するとすぐ溶けますから、ケーキやジャムに多用されます。
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ということで、加熱してトロトロになったものを大匙5杯加えてみました。
ルバーブは、ほどよい酸味があって、シフォン・ケーキにもバッチリです。他のケーキは自信がありませんが、シフォンだけに関しては、レシピや手順が頭にがっちりインプットされていますから、ほぼ失敗なく作れるようになっています。
エプロンをしたお爺さんが作る「macotoシフォン屋」を夢見ています。うふふ・・・冗談ですよ。(^^♪
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バラが咲きました

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先日からバラが咲いています。
この冬の豪雪で、枝が折れたり枯れたりして、今年はバラは駄目かなと思っていたのですが、何とか持ちこたえて咲いています。管理が面倒ですが、庭先までいい香りがしますし綺麗ですので、愛好者が多いのも頷けるような気がします。
今日は朝から雨の予報が出ていましたので、昨日のうちに撮ったものですが、逆に天気が良すぎて、バラの魅力をひき出すような写真にはなりませんでした。こんどは雨の日のしっとりした風情も撮ってみたいと思っています。
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満開のシモツケ

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シモツケが満開になりました。
5mmほどの小さな花ですが、密集して咲きますので、ピンクの帯のようになりとても綺麗です。マルハナバチが蜜を集めに飛来していましたが、花の大きさからして蜜が少ないようで、一か所に留まることなく忙しく動き回っていました。それほど小さな花です。
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『おまじない』 西加奈子

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西加奈子の短編集『おまじない』を読み終えました。
8つの短い物語で、主人公はそれぞれ少女、ファッションモデル、キャバクラ嬢、レズビアン、妊婦など「生きづらさ」を感じている女の子たちです。社会の価値観に縛られたり、傷つけられたり、苦しんだりしながらも健気に人生を歩んでいます。
そんな彼女たちですが、身近にいる「おじさん」たちの何気ない一言に救われるのです。それぞれの物語に登場する「おじさん」たちは、普通というよりもちょっと変な(ユニークと言ってほうがいいかも・・・)男の人ばかりなのですが、「おじさん」の「魔法の言葉」で彼女たちの世界は開かれていきます。
個人的には3作目の『孫係』が面白かったです。ひと月の間、同居をすることになった少女と祖父のお話です。お互いに気を遣うことから、双方とも口には出さないものの気疲れを感じています。そんな折、お爺さんの方から少女へ心の内を語り始めます。「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんです。あなたは孫係。私は爺係。係だと思うとなんでもできるんです」と・・・。少女は「それって嘘じゃないの」と反論しますが、お爺さんは「自分が得をしようとか相手を貶めようと思って嘘をつくのは良くないが、根底にあるのが思いやりであればいいんだよ」と諭します。こんな「魔法の言葉」が印象的なお話です。
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駒ケ岳山麓一周100km

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今日は雨が降らないようですし、仕事もフリーでしたので、ロードバイクによる駒ケ岳山麓100kmライドに行ってきました。
いつものように家を出て、すぐ裏の城岱スカイラインを登ります。標高約550mの展望台までのヒルクライムがこのコースのクライマックスです。汗まみれになった下着を交換して、一気に海抜0mに近い鹿部まで下ります。ここからが悲惨でした。
気温21℃との予報でしたので、生足に短パン(レーパン)、上は半袖ジャージというスタイルだったのですが、下のデータのように一気に体感温度が下がり、腕のスマートウォッチによると10~12℃で海沿いを走ることになりました。レインギアは持っていたのですが、面倒で羽織らないで走り続けたら、本当に低体温症でぶっ倒れるのではと思うほどの寒さでした。
さすがに森を過ぎ、大沼へ入る頃には気温が上がって、快調に走ることが出来ましたが、ちょっと迂闊でした。
いろいろとハプニングがありましたが、102.15kmを走行しましたし、平均速度も約20km/hで走れましたので、まあまあかなと思っています。今年はあと2回くらいこのコースを走りたいと思っています。
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初めて実が付いた花梨

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庭に一本だけある花梨に初めて実が付きました。
春に花が咲いていましたので、実がならないかなと毎日のように眺めていたのですが、3cmほどの赤い実を発見しました。隣町はマルメロの産地ですので、秋にいろいろな種類のマルメロを買ってきて、ジャムなどに加工するのですが、花梨を栽培しているのはあまり聞いたことがありません。
実はまだ上を向いていますが、リンゴと同様に成長とともに下を向いてくるものと思います。色も今は薄赤色ですが、いずれ黄色くなるようです。

花は4月27日に撮影したものです。シンプルですが、濃赤色の花弁が緑の葉に映えて、とても綺麗な花です。
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『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ

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瀬尾まいこの『そして、バトンは渡された』を読み終えたところですが、こんな感じの本は大好きです。登場人物はみんないい人で、ほんわかと温かくて、そして最後はちょっぴりウルウルさせて、とてもいい本です。

主人公の優子には3人の父と2人の母がいます。こう書くと、ちょっと不思議な気がするのですが、内実はこんな感じです。実の母は彼女が幼い頃に事故で亡くなります。父は再婚するのですが、ブラジルへの赴任を契機に離婚をすることになり、小学生の優子は継母とともに日本に残ることを選びます。梨花というその継母は生来の天真爛漫な性格からその後も結婚・離婚を重ねます。その結果、高校生になった優子は血の繋がりのない30代の森宮という男と正式な親子として普通に生活しています・・・そんな設定です。

第1章は、そんないろいろな親の元を巡って、高校を卒業するまでを綴っています。
第2章は、短大を卒業して就職をし、そして最愛のフィアンセと巡り合って、結婚するまでです。

実母以外の4人の親は、それぞれとてもユニークなキャラクターなのですが、みなに共通しているのは優子の幸せだけを考えて子育てに一生懸命なことです。まさに優子というバトンは周りの愛に包まれてリレーされるのです。その「愛」も仰々しいものではなく、普通に転がっているようなさり気なさで描かれており、この物語が一層魅力的なものになっています。

あまり詳しいネタバレをすると読む面白さが半減しますので、このへんまでとしますが、ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。
本屋大賞にノミネートされるといいなと思っています。
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肌寒い日々・・・

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この1週間、肌寒い日々が続いています。
菜園に植えた野菜の苗たちも寒そうですし、ちっとも大きくなりません。使い捨てビニールを大量に使うマルチやトンネルは嫌いでやりませんが、今年に限ってはやったほうが良かったかなと思っているところです。
土日にかけて一斉に草刈りと芝刈りをしましたので、雑木林の下草がきれいになってすっきりしました。雨上がりは緑が一層映えますし、若葉の香りが微かにしていい感じです。
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『引き抜き屋 ②』 雫井脩介

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『引き抜き屋』の下巻「②鹿子小穂の帰還」をやっと読み終えました。
小穂のヘッドハンティング業は山あり谷ありながら、なんとか順調に推移しています。そんななか、彼女の父が社長を務めるアウトドアメーカー「フォーン」の経営が怪しくなっていきます。もとはといえば社長がヘッドハンティングして招き入れた大槻という人物が陰で画策しているのですが、それを知った彼女は思い切った一手を打つことになります。
とても長い小説で、上下巻も必要なのかなと思ってしまいますが、それなりに痛快で面白いです。池井戸潤さんの「下町ロケット」や「陸王」などと雰囲気が似ており、池井戸さんの作品がお好きな方にはおすすめです。
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暑くて水が恋しい

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今日の函館は25℃近くまで気温が上がって暑い一日でした。
フリーですし、朝からあまり風もありませんので、カヤックを積んで大沼まで行ってきました。大沼もご覧のような快晴で、カヤックを組み立てている時から汗ばむほどでした。キャンプ場から漕ぎ出して島巡り遊歩道まで、ぐるっと一周してきましたが、湖面には私以外には誰もいませんし、広い大沼の湖面と青空をひとり占めしているようで、最高に贅沢な気持ちでした。
午後からは家内を誘っていつものようにプールです。1時間ほどの遊泳ですが、暑いときは水遊びに限りますね。(^^♪
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ブリヂストン美術館展

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学会場のロイトンのすぐ隣が道立近代美術館と三岸好太郎美術館ですので、2日目も抜け出して『ブリヂストン美術館展』をみてきました。京橋にあるブリヂストン美術館が建て替えのために休館しており、その合間を縫って作品が北海道へやって来たようです。以前に京橋のブリヂストン美術館へ行ったことがあり、常設展示されていたものはみていますが、重要文化財4点を含む西洋絵画41作家56点、日本絵画20作家28点の作品群をみていますと、石橋財団コレクションの凄さにあらためてため息が出ます。
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レストランではブリヂストン美術館展を記念してのスペシャル・メニューがありましたので、チョイスしてみました。何がスペシャルなのかよく分かりませんでしたが、美味しかったです。
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第2会場は三岸好太郎美術館になっています。mimaの愛称で親しまれている小さな美術館で、知事公館の庭を見ながらcafeでくつろぐにもいい素敵なところです。会期は今月の24日までですので、ぜひ足を運んでみてください。
また7月14日(土)から9月9日(日)までは石橋正二郎の故郷である福岡県久留米市で同展が開催されます。
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北海道大学植物園 ④アツモリソウ

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保護植物に指定されているアツモリソウが綺麗に咲いていましたので、じっくりと見てきました。

1枚目が通常のアツモリソウです。
2枚目がチョウセンキバナアツモリソウです。日本では秋田県の一部に生育し、環境省第4次レッドリストに登録されている絶滅危惧種なのだそうです。
3枚目が北海道礼文島の固有種レブンアツモリソウです。こちらも環境省第4次レッドリストに登録されている絶滅危惧種です。
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北海道大学植物園 ③草花編

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北海道大学植物園の第3弾は草花編です。
前回と同様に花の名前は、植物園のホームページに掲載されていますので、そちらを参照なさってください。各種樹林帯は勿論のこと、カナディアン・ロックガーデンや高山植物園、温室などもあって、花々を楽しみながらのんびり散策するには最適の場所です。大都会の中のオアシスって感じです。
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北海道大学植物園 ②樹木編

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北海道大学植物園の花が咲いている樹木を掲載したいと思います。
まず入園ゲートをくぐりますと広大な芝生とハルニレを主体にした巨大な樹木が迎えてくれます。英語名のエルムの愛称でも親しまれている樹木ですが、北海道大学の構内と同様にもともとこの地に生えていたものだそうで、樹齢は150~200年ということです。200万もの人が住む大都市の中心部とは思えない野性味に溢れたエリアです。
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花や樹木の名前は、植物園のホームページに詳しく掲載されていますので、あえて名前は記載いたしませんが、北海道の野山や街路、庭先に普通に見られる花々、樹木がほとんどです。当然のように季節ごとに咲く花が異なっていますので、訪れる際には植物園のホームページなどでチェックされるとよいと思います。
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北海道大学植物園 ①建物編

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学会1日目(6月2日)の午後に会場を抜け出して、すぐ近くにある北海道大学植物園を訪れてみました。札幌へ来る機会のある時は、時間が許す限り寄ることにしている大好きな場所です。植物は後編に掲載するとして、まず建物から紹介したいと思います。植物園のホームページなどに詳細が掲載されていますので、詳しいことは省きますが、重要文化財に指定されている国内最古の博物館本館、博物館旧事務所、博物館倉庫、博物館便所、博物館鳥舎、植物園門衛所の6棟が園内の一角にあります。他にイギリス人宣教師のジョン・バチェラー博士の旧宅、そして札幌農学校キャンパスの動植物講堂だった宮部金吾記念館が移築保存されています。現在は博物館本館のみしか内部公開されていませんが、建物好きにはたまらないスポットです。
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20年ぶりに札幌で開催された全国学会

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仕事関係の全国学会『日本臨床細胞学会総会』がロイトン札幌とニトリ文化センター(厚生年金会館ホール)で開催されましたので出席してきました。
春と秋の年2回開催されていますが、札幌での開催は20年ぶりとの事で、やっと北海道に順番が回って来たという感じです。参加者は3000人を超える大きな学術集会ですので、会場の関係でどうしても首都圏や関西の大都市に集中するようになってきています。若い頃、地元開催というと前日から泊まり込みで会場設営などいろいろ準備をしたものですが、近年は学会を専門に手掛ける業者があって、この方たちが会場設営は勿論のこと進行から宿泊までを一手に引き受けてスムーズに行うようになってきました。プレゼンテーションなどを含め本当に隔世の感があります。
北海道というと学会よりも観光というイメージが強く、1日目は各セクションともほぼ満員の盛況でしたが、2日目ともなりますと、閑古鳥が鳴いているようなセクションもありました。2日間とも晴天ですし、やはり中にいるよりも外の方がいいと考えるのはいずこも同じです。
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専門的なことはさておきまして、一般の皆さんにも興味があるのではと思うような講演がありましたので、ひとつだけ紹介させていただきます。当学会ではあまり専門外の方が登壇して講演をすることはないのですが、今回は兵庫県の㈱ブレインという会社の社長さんが「AIレジ BakeryScan実用化の意義」と題してお話をなさいました。
BakeryScanなるものを簡単に言いますと、複数のパンを識別して瞬時のうちに名前と金額を表示するレジ・システムです。パンは種類の多いところで100種類くらい店頭に並ぶそうで、その名前を憶えるのに新人店員で3ヶ月ほどかかるらしく、トッピングや焼き具合、微妙な形状の違いもあって、相当に熟練を要する仕事なのだそうです。
実際に動画を見せていただきましたが、AIが正しく認識できたものはディスプレイ上でのパン画像がグリーンで縁取りされ、名前と金額が表示されます。また、AIが怪しいと判定したものはイエローで縁取りされ、類似の候補が数点サイド・ヴューに表示されます。このイエローで判定されたものだけ、人間が正しい商品名をタッチしてAIに教えてあげます。この積み重ねで、AIはどんどん賢くなって、数回の学習の後はほぼ完ぺきに判読できるようになるそうです。
これを細胞診断に応用できないかと㈱ブレインでは開発を進めているそうです。パンと細胞では認識する情報量が大きく違いますので、そう簡単に実用化できるとは思えませんが、人間がやってもAIがやってもパターン認識という意味では一緒ですので、加速度的なAIの進歩によっては日の目をみそうな予感もしています。人間しか出来ないと思っていた形態学の世界にもいよいよAIが登場してくるのでしょうか。今までの価値観をひっくり返すような凄い時代がすぐそこまで来ているような感じがして講演を聴いていました。
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 ㈱ブレインのホームページから引用させていただきました。

粘土箱の中の宝石 『木内 克 展』

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寄贈手続きが無事に済み、大木館長の案内で施設および展示作品を見せていただきました。
旭川ゆかりの日本近代彫刻の代表的彫刻家・中原悌二郎を記念した美術館だけあって、中原悌二郎が残した12点の作品は勿論のこと、木内克や佐藤忠良、舟越保武など錚々たる彫刻家の作品が所蔵・展示されています。

事前に企画展『木内克展』が開催中ということは聞いておりましたので、こちらの展示も楽しみにしていました。昭和45年に開始した中原悌二郎賞の最初の受賞者ということは前述しましたが、木内自身すでに日本の近代彫刻界を代表する彫刻家として名を馳せていましたので、後にこの賞が彫刻界の最高栄誉の一つとして認められていく先駆けとなりました。
15年程に及んだ滞欧生活の中で独自に築いた大らかで気品のある作風は、戦後の彫刻界に大きな影響を与えることになり、同時に人々を魅了し続けた作家のひとりとして知られています。木内のモデルを長く務めたのは松平須美子という女性ですが、今回の企画展のブロンズ作品のすべてが彼女の献身的な支えによって生み出されたものであり、また木内の制作意欲を高めたことは間違いないようです。

今回、寄贈した作品も何かの企画展あるいは常設で展示されるかも知れませんので、展示された際にはご覧いただければ嬉しく思います。
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旭川市彫刻美術館へ

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旭川にある中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館へ行ってきました。
私のブログの中で少しだけ木内克(きのうちよし)の作品を紹介していますが、これらの作品を寄贈したいという親類の依頼で、ブロンズ、テラコッタ、絵画など10数点を運搬してきました。貴重な作品ですので、相当に気を遣っての道中でしたが、何とか破損することなく無事に届けることが出来てホッとしているところです。

戦後の日本の彫刻界を代表する一人として知られている木内克(1892~1977)は茨城県水戸市の出身ですが、1970年(昭和45年)に旭川で開催された栄えある第1回中原悌二郎賞の受賞者であり、また没後に遺族からブロンズ原型が多数寄贈されたこともあり、当美術館とは深い関係があります。

私は旭川には毎年のように足を運んでいますが、当美術館へは初めての訪問であり、このような機会でもないとなかなか来ることがなかったかもしれません。ご覧のように素晴らしい建物ですが、昨年の10月までの5年間は修復のために閉館しており、そんな関係もあって知名度が低かったのでしょう。

建物は1902年(明治35年)、旧陸軍省第7師団の将校たちの社交場「旭川偕行社(旭川師団将校集会所)」としてに建設されたそうです。 半円形の玄関や2階の大きなホールなど、当時としてはとてもお洒落な建物だったらしく、集会所としては勿論のこと社交場や迎賓館として利用されていたようです。往時には皇太子時代の大正天皇や昭和天皇もご宿泊になられたとのことです。
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当時の様子をもっと知りたいと思い、美術館の紹介で近くの自衛隊の敷地内にある北鎮記念館を訪れてみました。
これが当時の旭川偕行社の様子を知ることが出来る建物模型です。軍部の施設とは思えないほどに洗練されて美しい建物です。コロニアル・スタイルともいわれるどこかオリエントの匂いのする佇まいが素敵です。
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ジオラマで当時の陸軍第7師団の建物や配置の様子を知ることが出来ます。兵舎や騎馬訓練の馬場、パン工場まであって興味深いです。偕行社はといいますと、中央上部やや右寄りにあります。
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