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宮下奈都の『スコーレ No.4』を読み終えました。
本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』もそうでしたが、宮下さんの文章は静かな音楽を聴いているような感じで、繊細で丁寧に書かれていて、いいなあと思いながら読んでいました。小さな町の骨董屋で生まれた女の子が、思春期から大人として成長していく日常をスコーレ(学校)に例えて描いた物語です。主人公が過ごした各時代のお話が4つの短編のような体裁をとっており、いずれも私達の日常と同じようにいろいろな出会いや出来事があるもののドラマチックなことは何一つなく淡々と綴られています。そんな中での主人公・麻子が感じる細かな心の動きや周囲から優しく助けられて成長する過程が読みどころです。読後感がとても爽やかですし、女性の方は共感できるところがあるのではと思います。ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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