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三浦しをんの『木暮荘物語』、新刊ではありませんので、読まれた方は沢山おられるでしょうね。私は読んでいませんでしたので、図書館の棚で見つけて借りてきました。この手の小説は大好きですから、一気に読んでしまいました。星4つつけてもいいかなと思うほどに面白かったです。

小田急線・世田谷代田駅から徒歩5分、築ウン十年、全6室のぼろアパート・木暮荘の住人4人と彼らを取り巻く人々とが織りなす人生模様を描いた物語です。一見平穏そうに見える木暮荘の日常。しかし、ひとりの人間として生きるがゆえの悩みが、哀しみという形で滲み出てきます。そんな哀しみを救ってくれるのが、ぼろアパートの小暮荘そしてそこに暮らす人々の繋がりでした。

私の学生時代はとても貧乏でしたので、家賃3000円のぼろアパートで自炊生活をしていました。仕送りする親も貧乏でしたが、イマドキの「貧困」などとはこれっぽっちも思ったことはありませんから不思議です。部屋の広さは4畳半、玄関と台所とトイレは共同、風呂などは勿論ありません。窓を開ければお寺と墓地が広がっていて、それは壮観な立地環境にありました。確か町名が寺町とか新寺町とか言ったような・・・。
今にも壊れそうなぼろアパート・S荘、部屋数は上下で廊下を挟んで10室くらいあったように記憶しています。私の隣室は、授業に行ったのをあまり見たことがない理学部のH君。座る隙間は勿論のこと、これでもかというくらいにうず高く積み重なったゴミの上に横たわる万年床。布団と畳の間にはキノコが生えているのではといつも思っていました。夜中に酒盛りをするとアパート中が居酒屋と化してしまうくらいに筒抜けの安普請アパートですから、何度迷惑をかけたことか。でも、あまり怒鳴られた記憶がありませんので、ぼろアパートゆえのお互いさま精神がまだあった時代なのかも知れません。汚れた食器をそのままにしていると、朝にはいつも綺麗に洗ってしまっておいてくれていたKおばさんはどうしているかなぁ・・・。
老若男女いろいろなワケアリの住民が暮らしていたS荘が懐かしいです。
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