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伊坂幸太郎の『ホワイト・ラビット』を読み終えました。
時間や場面が複雑に行き来して、思わず前に遡って二度見しちゃうような込み入った構成になっていますが、最後は複雑なピースが絶妙に結び合わさって物語の全体像が見渡せる、トリック満載のエンタメ小説です。
仙台を舞台にした一夜の籠城劇。誘拐というあり得ない生業を筆頭に、奇妙な人質立て篭もり事件、星座のオリオン座やさそり座といった天文学の蘊蓄(うんちく)、そしてヴィクトル・ユーゴーのあの有名な「レ・ミゼラブル」に纏わるお話、妻子を亡くして生きる目的を失っている警官の登場などなど・・・もう頭が混乱しそうですが、こんなゴチャゴチャ感とちょっとお洒落な文章が伊坂幸太郎ミステリーの醍醐味なのかもしれません。物語の進行の手助けする「狂言回し」の技法も盛り込んでおり、伊坂幸太郎が自在に操る人形劇を見ているような不思議な感覚の小説です。
PB230004