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池井戸潤の『下町ロケット2』、前作の『下町ロケット』と同様に面白い小説でした。バルセロナにある聖家族贖罪教会(サグラダ・ファミリア)を建築したアントニ・ガウディにちなんだ「ガウディ計画」、教会や建築とはまったく関係のないモチーフですが、今回の新しい計画の命名がまずもって面白いです。細かいネタバレはいたしませんが、とにかく痛快な内容です。悪い奴らは徹底的に悪く、良い人達はどこまでも良くて、最後は正義が勝つという、水戸黄門を見ているような感じです。ここまで正義だとちょっと胡散臭い感じもしますが、まあ読後感がスカッとしますから良しとしましょう。

いつものように佃製作所をはじめとした正義側の仕事に対する考え方には教えられることが多いです。何のために仕事や研究をするのかという問の投げかけは、技術屋の端くれの私などにも通じるもので心して耳を傾けるべきと思いました。ノーベル化学賞に輝いた北里大学の大村智さんも仰っていましたが、どんな仕事も名誉や地位や身に余る金が目的ではなく、世の人々の幸福のために行うという理念を失ってはいけないということなのでしょう。「ガウディ計画」の関係諸氏は、研究者・技術者としてキラキラ輝いていますね。佃製作所、次は何にトライするのでしょう。『下町ロケット3』として続編が出て欲しいです。
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