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作家生活30周年の記念作品となる宮部みゆきの『この世の春』、上巻を読み終えました。
舞台は江戸時代、北関東のどこかの小藩「北見」。藩主の北見重興(しげおき)が、ある騒動の結果、主君押込にあって若くして隠居させられることから物語が始まります。
重興は自身の中に多重の人格を抱える解離性同一性障害を患っているという設定です。現代のように病態が明らかになっていない時代のお話ですから、怪しげな呪術や藩政に遺恨を持つ陰の勢力の力が見え隠れして、物語は佳境に向かっていきます。サイコホラーの恐怖、ミステリーの謎が満載で凄いです。
今、下巻を読み始めたところです。下巻も読み終えましたら、また感想を書かせていただきます。
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