『風かおる』 葉室麟
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好きな作家のひとりですから、一気に読んでしまいました。この作家さんの本はちょっとミステリー風で、人間の本質をついているにも拘わらず、ほのぼのとして読後感がいいのが好きな理由なのかも知れません。
あらすじは記しませんが、『些細な嫉妬から流転する人生を哀歓豊かに描く傑作時代小説』と帯に書いてありました。小説の最後のほうで、事件の全貌を話すひとりの男のくだりが、この小説のすべてを語っているようです。
「(誰が悪かったのか)わからないな。今回の件で悪人はひとりもいないようだ。しかし、ひとの心には時として魔が入り込む。魔は毒となってひとを次々に蝕んでいく。その様はまるで疫病のコロリのようだな」と。
面白い時代小説です。
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