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講談師の神田山陽のお弟子さんであった神田茜の『七色結び』。こういう楽しい小説は大好きです。
主人公は40代の普通の主婦・矢沢鶴子です。夫は会社員の光太郎。息子は中学生の永亀、そして姑のナナの4人家族です。義父の矢沢永一は数年前に亡くなっています。
彼女は、義父・義母のちょっと華やかな名前の表札の隣に自分たちの「光太郎・鶴子」という時代がかった名前の表札を並べることに躊躇いを感じています。
彼女は、断れない性格から次々と面倒ごとを引き受けてしまうのが常なのですが、ついにはPTA会長までやることになります。これがまた問題続出で大変なことになってしまうのですが、そんな時に姑のナナさんが嵌っているビジュアル系ミュージシャンの会報誌を目にするのです。最初はナナさんのことを呆れていたものの、自分も現実逃避をするかのようにどんどんビジュアル系の深みに嵌っていきます。ミュージシャンの存在を心の支えに硬直化しつつあるPTAを改革しようと奮闘する鶴子さんの活躍が涙ぐましくも痛快です。ストーリーが笑えて楽しいですし、後半には思わぬ展開が待ち受けていますので、ぜひ読んでみてください。軽いタッチですので、すぐ読めちゃいます。
『七色結び』というタイトルは、鶴子さんが内職をしている水引からきています。
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