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直木賞にノミネートされた藤崎彩織の『ふたご』を読んでみました。
ご存知のように彼女は2011年にメジャーデビューした4人組バンド「SEKAI NO OWARI(セカオワ)」でピアノや作詞作曲、ライブの演出などを担当しています。そんな彼女が演奏活動と掛け持ちで5年という歳月をかけて書き上げた一冊だそうです。

主人公は、中学二年生でピアノの道を進もうとしている西山夏子。学校や友達とうまく関係を結べずにいます。そんな時、独自の感性を持つ一年先輩の月島悠介に出会い、何となく惹かれていきます。しかし、月島は進学した高校を「やりたいことがない」と中退し、心機一転で旅立ったアメリカの留学先からも2週間で帰ってきます。ある日、月島はパニック障害になり、それがきっかけでADHD(注意欠陥多動性障害)と診断され精神科に入院します。
その後、徐々に回復し、夏子が大学生になったころ、「バンドをやる」と夢に向かって歩き出します。夏子も月島に振り回されつつもバンドのメンバーに加わり、紆余曲折を経て成功への階段を歩き始めていく、そんなストーリーです。
1部と2部に分かれており、1部は二人の出会いから夏子が高校を卒業するまでのいわゆる青春篇。そしてバンドを結成して仲間が増え、音楽会社の新人発掘部門に見いだされるまでが2部という構成になっています。

私にとって「SEKAI NO OWARI」は、NHKの「紅白」でたまたま聴いたくらいの知識しかありませんし、当然のようにグループや彼女の音楽ファンでもありません。そんな無知な読者ですが、この小説はほとんど「SEKAI NO OWARI」のメンバーや結成に纏わる実話なのかなと思ったりしています。
個人的に物語にはまったく興味が湧きませんでしたが、藤崎彩織さんの文章はシンプルなうえに日本語が綺麗だなと思って読んでいました。次作はもっと素敵なものを読ませてくれそうで、楽しみな作家さんが増えて嬉しく思っています。
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