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ダン・ブラウンの『オリジン』、上下巻とも一気に読み終えました。2003年に『ダ・ヴィンチ・コード』を刊行して世界的なベストセラー作家になったダン・ブラウンですが、この作品も優劣をつけ難いほどに面白かったです。

主人公は宗教象徴学者のロバート・ラングドンです。彼の教え子でコンピューター科学の分野で輝かしい才能を発揮しているエドモンド・カーシュが主催するイベントに招待されてスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れています。カーシュは、〝現代の預言者〟の異名をとるほどに名声を博しており、今回のイベントでは『我々はどこから来たのか。そしてどこへ行くのか』という人類最大の命題について、衝撃的な内容を全世界へ向けて発信しようというのが狙いです。人類にとって最も根源的なふたつの問いに答えるもので、それはエデンの園におけるアダムとエバを人類の起源とするキリスト教など既存の宗教の教義を根底から揺るがす事態を惹き起こすことが予想されます。当然のようにカトリックなどの宗教界からはプレゼンテーションの公開を強く反対されることになります。
カーシュ自身も身の危険を感じてのイベントの開催であり、警備は厳戒態勢で臨んだのですが、プレゼンが開始される直前にカーシュはステージ上で銃弾に倒れることになります。目の前で友人であり教え子を殺されたラングドンは深い悲しみと怒りを覚え、犯人を見つけ出すとともにカーシュの偉業を自分の手で世界に伝えたいと決意するのです。そんなラングドンにグッゲンハイム美術館の館長であるアンブラが協力を申しでます。このアンブラ館長は麗しい美女で、次期スペイン国王の婚約者としても知られている女性です。
ビルバオ、マドリード、セビリア、バルセロナを舞台に、ラングドンとアンブラの逃亡、そしてカーシュの残した謎に迫ることになります。その逃亡の手助けと核心部に迫る導きをしてくれるのが、カーシュが心血を注いで開発した人工知能(AI)のウィンストンです。ちょっとイギリス訛りの英語を話すウィンストンが凄いです。この小説の隠れた主人公がウィンストンかなとも思います。
これ以上書きますと、この小説の面白さが半減してしまいますので、あとはぜひお読みになってみてください。AIやIoTに代表される今話題のテクノロジーが、「進化論」やいわゆる「宗教論」とどのように関わっていくのか、興味深いお話が満載の小説です。
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