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やっと是枝監督の『万引き家族』を見てきました。
田舎の映画館はいつもガラガラなのですが、さすがにこの作品の集客力は凄く、ほぼ満席でした。
ストーリーと感想などはいろいろなところに沢山紹介されていますし、私があえて書くまでもありませんので簡単に・・・。

現代日本が抱える社会問題をこれでもかというくらいに提起した映画でした。私などは、これらの問題をあまり関わりのない対岸の出来事程度にしか捉えてきませんでしたので、ちょっとショックを受けています。貧困、格差、非正規雇用、虐待、ネグレクト、生活保護、独居老人、年金不正受給、JKビジネスなどなど・・・。
例えば貧困・・・。貧困家族と言ってしまえば簡単なのですが、貧しい時代を過ごしてきた団塊の世代の私でも、あれほどまでに汚い家での生活は経験をしたことがありません。現代の貧困というのは、それほどまでに生活の質を低下させていくものなのでしょう。貧困や格差の問題は、社会の秩序や安全とも関わってきますので、もう少し目を向けて行かなくてはと思っています。それにしましても、豪華客船での船旅や何とかトランスイートという列車に群がる人たちがいるかと思えば、対極にこのような底辺で暮らす人たちがいる、凄い時代になったものですね。

そして今回も家族のことを描いていましたね。家族の在り方がいろいろと多様化しているのに、いまだ血縁や旧来の家族関係に囚われて、それが絶対的な家族の絆と思い込んでいる私たち。東日本大震災が契機かどうか分かりませんが、近頃盛んに言われ出した「道徳教育」、血縁家族に負担を強いる「在宅介護」、そしていまだに議論の進まない「夫婦別姓」など、諸外国にくらべて家族に対する固定概念の意識が強いのかなと思っています。一部の政治家などはこの作品にあまり良い印象を持っていないようですし、対照的に欧州で絶賛されている様子をみても、家族を含めた共同体に対する考え方の違いが表出しているのかなと思ったりしています。
日本ももう少し緩やかなというか多様性があってもいいような気がしていますが、いかがでしょう。そんな家族の在り方を考えさせる映画でもありました。

それにしましても、リリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、そしてふたりの子役、いずれも惹き込まれるような名演が光っていましたね。
何とも複雑な心境なのですが、久しぶりにいい日本映画に出会ったような気になっています。
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