江戸下町の町人の生活から考える
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そして学校の校庭や国道の片側車線などにうず高く積まれた災害ゴミ。倒壊や火災などのほか、悪臭や衛生面での心配も出てきているようです。家具や寝具、家電製品などが泥に浸かって廃棄するしかなく、やむなく投棄したものなのでしょう。各自治体のホームページを見ますと、クリーンセンターなどで受け入れているようですが、自治体の初動の遅れと手っ取り早くゴミを処理したいという住民心理が働いて、このようなことになったものと思われます。総量で100万トンにも達するといいますから凄い量です。
振り返って、仮に私の家が今回のように被災したら、不法とは知りつつも住民心理に負けて同様に投棄するかも知れません。それにしましても、これ程までの大量のゴミをどのように分別処理するのでしょう。前述の危険性がありますし、これからの豪雨や台風の襲来を考えますと、これらのゴミが2次災害を引き起こす可能性もありますので、出来るだけ早い対応が望まれます。
話は変わりますが、数年前に東京の江東区清澄白河にあります「深川江戸資料館」を訪れた際の町人の住む裏長屋(裏店)の様子を思い出しています。下の写真はその時のものですが、三味線や裁縫、手習いなどを教える師匠の「於し津(おしづ)」という女性の家を再現したものです。棟割長屋と割長屋というものがあるのですが、この家は後者で採光のとれる縁側があったりと棟割長屋に比べると比較的環境に恵まれた住居のようです。広さは4畳半程度、1畳半の土間が付いていて炊事などをするスペースになっています。「於し津」は恵まれた方なのかも知れませんが、家にある家財といえばご覧の程度のものです。当時、江戸の人口は100万人に達していたようですが、数年に一度は大火が発生し、そのつど着の身着のままの状態で逃げるのが通例のようになっていたとも聞きます。長屋は柱に綱を絡ませて綱引きの要領で引っ張ると倒れる程度の作りで、壊して延焼を食い止めるといった工夫を凝らしていたそうです。現在の江東区にある木場(きば)には建築用の木材が大量に備蓄されており、そんな背景があって町人は協力的な行動をとることが出来たのかも知れません。
いろいろな経験から多くのことを学び、災害に強い人創り、町造りをしていたようです。
物が溢れている我が家の現状を見つつ、あらためて江戸町人の暮らしぶりを振り返っているところです。毎日のようにネット通販やお店で買いあさり、同様に大量に廃棄している我が身に照らして、これでいいのだろうかなんて考えています。でも、どっぷりと近代文明の恩恵に浸りきっている我が身は、江戸の町人文化は憧れではあれど到底戻れるようには思われません。
あの大量の災害ゴミをみていますと、少しでも家の中の物を減らさなくてはとも思っているのですが・・・。
コメント
コメント一覧 (2)
江戸の下町の事でしたらsiさんですね。
江戸っ子のsiさんが登場してくださることをお待ちしていました。
そうそう、なるべく物は買わないことが大切なんですよね。
でも、これが難しく、ホームセンターなどへ行くと、つい目についたり手にしたものを買っていることがあります。特に100均などは誘惑に負けて大量買いをしてしまいますので、なるべく行かないようにしています。
江戸は仰るように理想的なリサイクル社会だったようですね。私が子供の頃も似たようなもので、服や学用品などは兄弟のお下がりでしたし、布団なども打ち直しをして徹底して再利用していましたね。人糞なども畑の肥料として普通に撒いていました。
いま出来てることと言えば、生ごみをコンポストでリサイクルしていることくらいでしょうか。資源ゴミとはいえ、我が家から放出されるプラスチック、ペットボトル、アルミ缶、段ボールなどの多さに毎回あきれ返っています。少しでも減らしたいと思っているのですが、どうすればいいのでしょうね。(^^♪
もう少し江戸庶民の生活の知恵を学ばなくてはと思っています。
石川英輔の本は図書館から借りて読んでみます。
江戸の下町のコトでしたら、私におまかせください!?。なんせ、現代の棟割長屋(マンション)、1棟で200戸11階建ての6階に30年も住んでいましたから。それも約15坪に家族4人で暮らしておりました。
狭いところでの生活の知恵は、なるべくものを買わないことで、新しいものを買ったら古いものは捨てる、ことでした。
その点、北海道は家も広いですから、いろいろ買ってもしまっておく場所に困りませんね。
江戸下町の庶民は、新しいものはなかなか買えなかったらしく、ものはなんでも徹底的に使いきったようです。そのあたりのことは、だいぶ前に読んだ、石川英輔、という作家?研究者?の本に詳しく書いてありました。興味がおありでしたら読んでみてください。江戸は理想的なリサイクル社会ですが、私ではとても生きて行けませんね(笑)