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誉田哲也の『ノーマンズランド』を読み終えました。

この本はシリーズになっているようで、いずれも姫川玲子という警察官が主人公です。現在は警視庁捜査一課殺人犯捜査係第十一係の主任警部補というのが肩書です。
ひとり暮らしの女子大生がマンションの部屋で扼殺されるという事件が起き、彼女が所轄の葛飾署の特別捜査本部に入り捜査を担当するというくだりから物語がスタートします。そして容疑者を逮捕するのですが、調べが進むにつれ20年前に埼玉県のある街で突然消えてしまった女子高校生の事件とリンクすることが分かり、思いもかけないような事実が浮かび上がってきます。

エンタメ小説かと思いきや、北朝鮮による拉致問題が絡んだり、さらには自衛隊や憲法議論にまで踏み込んでいますので、作者はこのへんのところに読者の眼を向けさせたかったのかなと思っています。戦争によって生じた空白地帯を「ノーマンズランド」と言うらしく、現在の日本は広い意味でのノーマンズランドに近い状態にあるのではと作者は考えているようです。きっと政治や外交が未熟ってことを言いたいのかも知れませんね。

北朝鮮の問題や政治的な議論を絡ませているのはタイムリーで、それなりに理解できるのですが、姫川玲子が大活躍するエンタメ風のこのシリーズに馴染むのかどうか、空回り感もあって個人的には疑問です。ちょっと消化不良気味で面白さが伝わってきませんでした。
《図書館からお借りしました》
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