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ファンタジーミステリー小説の『しゃばけ』シリーズ第17弾『むすびつき』を読んでみました。
病弱な若だんなと、彼に仕える妖(妖怪)たちが協力して事件を解決するという奇想天外な短編集です。
大店である長崎屋の一人息子の若だんなは寝たり起きたりの人間ですが、屋敷に住み付く多くの妖(あやかし)達に愛されてどうにか無事に生きています。今回の5つの物語のテーマは輪廻転生です。数百年、数千年と生き続ける妖達に比べ、人である若だんなの生はせいぜい数十年。お互いの生きる時間が違うのですが、優しい若だんなと可愛い妖達は来世でも一緒に楽しく暮らしたいと願っています。そんな若だんなと妖達が住む長崎屋には、いつも難しい事件が持ち込まれて、てんやわんやの大騒動が繰り広げられます。
お伽話のような、昔の紙芝居を見ているような雰囲気でしたが、人の生き死にや時間というものを考えさせるなかなか深い一冊と思いました。
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