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加美町のsea to summitシンポジウムで基調講演をされた畠山重篤さんが、交流会の会場で著書の『人の心に木を植える』の販売とサイン会をしていましたので一冊購入しました。

畠山さんは、気仙沼湾でカキ養殖業を営んでいるのですが、「森は海の恋人」の合言葉とともに1989年から気仙沼湾にそそぐ大川上流の室根山で植樹運動を続けています。その活動が今年で30年を迎えることから、今までの軌跡や思いをまとめて刊行したそうです。その間、2011年には「千年に一度」と言われる東日本大震災の大津波に襲われて、お母さんを亡くされ、また養殖設備も壊滅的な被害を受けたそうです。すべてが流され、大量の油に覆われて海は死んだかに見え、一時は絶望的になって漁師を辞めようとさえ思ったそうです。しかし、ひと月半後には奇跡的に魚が戻って来たそうで、これは植林運動によって背景の森林の環境を整えたゆえの成果だったとの確信に至ったようです。
「30年やってきて気が付いたのは、結局は人間に還るということ。科学的な裏付けがわかっても、人間が自然を壊すような生活をしていたら、自然はよくならない」と仰います。植林運動は環境整備という大事な役割と当時に、「人の心に木を植える」という精神運動でもあるようです。

著書にサインをしていただいたら、一緒に写真も撮りましょうということで、並んでファインダーに収まっていただきました。大きくて心優しい方といった印象でした。
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