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今野敏の『任俠浴場』は最高に面白かったです。
知りませんでしたが、これはシリーズ物で「任俠書房」、「任俠学園」、「任俠病院」に続く第4作になるそうですね。前の3作もぜったいに読まなくてはと思うほどに傑作でした。

舞台は東京の下町に事務所を構える阿岐本組です。組長の阿岐本雄藏は義理と人情に篤く、昔気質(かたぎ)のヤクザです。ヤクザの寡占化と広域化が進む中、指定暴力団の枠から外れるほどに弱小ということが幸いして、ここまで何とか生き延びてきました。
そんな阿岐本のもとに持ち込まれたのが、赤坂6丁目にある古ぼけた銭湯の再建話でした。阿岐本は代貸の日村たちと浴場経営再建に乗り出すのですが、銭湯経営者の家庭事情や赤坂署のマル暴などが絡んで、ヤクザといえどもそう簡単にことを進めることはできません。でも、そこはヤクザの中のヤクザと言われる阿岐本です。見事に銭湯「檜湯」を庶民の憩いの場に生まれ変わらせるのです。
「世直し」に燃える任俠の物語をぜひ読んでみてください。個性豊かなヤクザたちがとても魅力的です。
PB110007