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池井戸潤の『下町ロケット ヤタガラス』を読み終えました。
現在、TBSで同ドラマが放映中ですので、詳しいネタバレは避けたいと思いますが、池井戸さんの小説は最初の数ページを読んだだけで物語の全体像と最後の結末のおおよその予想がついてしまいます。でも読まずにはいられないという気持ちになりますので、池井戸小説には惹きつける何かがあるのでしょうね。
今回も佃航平が率いる「善」のチームと、それに対抗する「悪」のチームという分かりやすい構図で、最後はいつものように正義の味方の佃チームが勝つというお決まりのパターンです。
物語は帝国重工の大型ロケットで打ち上げられた準天頂衛星「ヤタガラス」のGPS機能を利用した無人の農業トラクターの開発に纏わるものです。具体的には、佃チームが加わる帝国重工の「アルファ1」とダイダロスが中心となって開発する対抗馬の「ダーウィン」の開発競争です。技術開発というテクニカルなお話ですのでクリーンなイメージがあるのですが、こと人間の我欲や複雑な感情が絡んでくると話はいい方向へ進まないのは世の常です。人間の怨念の凄まじさを感じるか、佃航平の人間味溢れる「善」にホッとするのか、それは読んでのお楽しみということで。
PB190001-2