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日本ピアノ調律師協会のカレンダーの4月のピアノを忘れていましたので、5月と一緒に紹介します。

4月は「スピネット」でした。
グランドピアノ型の物を「チェンバロ」、弦が真横に張ってあるものは「ヴァージナル」と言うらしいです。そして写真のピアノのように弦が斜めに張ってあるのが「スピネット」と呼ばれる古いピアノです。弦が斜めですので、弦長がある割には部屋に置きやすいのだそうです。右のサイドがチェンバロの様にカーブしており、このようなベントサイドのあるものは「ベントサイドスピネット」と言うようです。
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5月のピアノは「テーブルピアノ」です。
写真のピアノを保存展示している武蔵野音楽大学楽器博物館によりますと、製作はエラール、プレイエルに継ぐフランスを代表するピアノメーカーのパープによるものだそうです。パープは今日に残る代表的考案であるフェルト巻ハンマーや弦の張力を分散させる交差弦方式など137もの特許をとる画期的機構を生み出したそうです。
写真のピアノは、パープの特許となった独特な形状の楽器で、鍵盤を奥へスライドさせ、譜面台を兼ねた蓋を閉めると、6角形のテーブルに変身する家具調ピアノです。上流階級の調度品にふさわしい仕上りで、ワーテルローの戦いでその名を馳せたウェリントン公爵も同じピアノを所有していたといわれています。
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