カテゴリ:
「三菱一号館美術館」で開催されている『ラファエル前派の軌跡展』を観てきました。

「ラファエル前派」といってもさっぱり分かりませんが、説明を要約してみますと・・・

時代は浦賀にペリー率いる黒船が来航した1853年の約5年前のことです。英国のロセッティ、ハント、ミレイという3人の学生が、「ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood)」というものを結成しました。あの印象派が絵画の歴史に絶大なインパクトを与えるほんの数十年前です。
当時の美術界は『ベルヴェデーレの聖母』などで有名なラファエロを最高の画家としていました。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに盛期ルネサンスの三大巨匠といわれている人です。
しかし、ロセッティら3人は、盛期ルネサンスを代表するラファエロなどの調和のとれた画風は退屈だし時代遅れなのではという不満を持っていました。それがこの活動の発端となったようです。
ただ大きな運動とはならず、長くも続きませんでした。そんなことであまり知られていないのですね。

今回の企画展のもう一つの大きな見どころは、美術史家でパトロンのジョン・ラスキンが蒐集したターナーの作品です。ラスキンはラファエル前派の活動を支持し、若き3人を支援していたことでも知られています。

つまりは、ラスキンの「自然をありのままに再現すべきだ」という言葉に現れているように、人物は勿論のこと背景となる風景や事物を含めて、すべてを自然な姿で忠実に描くことを重要視したのでしょうね。

三菱一号館美術館での開催は6月9日をもって終了しましたが、
2019年10月5日(土)~12月15日(日)まで 大阪・あべのハルカス美術館、
2019年6月20日(木)~9月8日(日)まで  福岡県 久留米市美術館で開催されます。
お近くの方はぜひご覧ください。
そうそう、一部屋だけ写真OKのところがあります。カメラ、スマホをお忘れなく。
P6070020
P6070008
P6070009
P6070010