カテゴリ:
劇作家、女優などとして活躍されている本谷有希子の『異類婚姻譚』を読み終えました。第154回の芥川賞の受賞作です。Wikipediaによれば、異類婚姻譚とは鶴女房( 鶴の恩返し)のように人間と違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称をいうのだそうです。
物語は、夫婦が長年連れ添うと顔が似てくるという前述のような説をモチーフにしています。もとは他人であった夫婦という存在が、兄弟姉妹など血族以上に同化していく過程の不思議さや、自己と他者としての境界を問うているのかなと思って読んでいました。
『ちょっと面白い本』のカテゴリーに入れたものの、芥川賞受賞作にしては読み応えがないというか、肌に合わないというか、この手の作品はあまり好きになれそうにありません。
P3310001-2