『それは誠』 乗代雄介
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物語の主人公は地方都市の進学校に通う高校2年生の男の子。幼い頃にシングルマザーの母親を亡くし、祖父母と伯母、叔父に育てられた経緯がありますが、中学3年のときに叔父とは生き別れになってしまいます。そこで修学旅行を利用して日野市に住んでいる叔父にこっそり会いに行くことにします。
学校を休みがちで友達のいない主人公。ひとりで会いに行くつもりだったのですが、ひょんなことから同じ班の男子三人も同行することになります。男子三人はそれぞれスクールカースト上位、特待生、吃音症というユニークな面々で、女子四人もキャラがたっていて、主人公にとっては戸惑うような班構成でした。ただ、旅を通して七人の関係が密になっていき、さらに学校に内緒で別行動をとるという秘密を共有することで友人との距離感が縮まっていきます。
淡々と青春のいちページを綴った物語ですが、誰しも身に覚えのある青春時代の特別な一日を見事に仕立てあげた作品といえるでしょう。
淡々と青春のいちページを綴った物語ですが、誰しも身に覚えのある青春時代の特別な一日を見事に仕立てあげた作品といえるでしょう。