NHK-BSP おわら風の盆2023 スペシャルライブ
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まだ明るい時間ですが、町の中で一番高台にある東新町の町流しが出発しました。男踊り、女踊り、子供、そして音曲を担当する地方(じかた)が続きます。
この東新町には輪踊りもあって、大人たちにまじって少女たちが可愛い早乙女衣装をまとって踊ります。この早乙女衣装はこの町だけのもので、他町の少女たちは憧れなのだそうです。こういう世代間の伝承が大切なのでしょうね。
かつては花街として賑わった鏡町の女踊りには芸妓踊りの名残もあって、艶っぽさと華やかさがあります。舞台踊りや輪踊りを「おたや階段」に座って鑑賞するのが人気です。この「おたや階段」ですが、暦を配付するために伊勢から来る人たちの宿があったことからこの辺りを「御旅籠屋」(おたや)と呼ぶようになったそうです。
男踊りと女踊りが恋心をくすぐるほどに色っぽくて素敵でした。二人が月を見上げるシーンです。
道路幅はとても狭いですから、すぐ前で踊る感じです。
女性が着ている浴衣は11の地区で色も模様も違いますが、帯だけは黒で統一されています。その昔、貧しくて娘のために帯を揃えることが出来なくても、喪服の帯だけはどこの家にもあるだろうという発想で定着したと言われています。
おわらに欠かせない役割を担っているのが唄と楽器を奏でる地方(じかた)とよばれる人たちです。地方は唄い手、囃子、三味線、太鼓、そして胡弓で構成されています。概ね25歳になると踊り手としては卒業し、そのあとは地方になる人が多いそうです。三味線は複数人いますが、胡弓は一人のみで、あまり目立ってはいけないのだそうです。胡弓は哀調の音色を奏でますので、おわらにはなくてはならない楽器ですね。
地方には「名人」と呼ばれる人がいますが、これを生業(プロ)としてやっている人はいないそうです。
これも解説を聞いて驚きましたが、男踊りを踊っている男性が着ている法被は羽二重なのだそうです。女性は木綿の浴衣ですから、値段的には10倍くらい高いものだそうです。しゃきっとした男踊りには絹の素材が適しているのでしょうね。裏地も見せていただきましたが、トランプかカードのようなものが描かれています。養蚕が盛んで富裕層が多かったと言いますから、旦那衆はこんなのを着て粋だったのでしょう。
ちょっとだけ知識がついて見方が変わりましたので、再度おわらを見る機会があった際には参考にしたいと思います。八尾ではおわら風の盆が終わると、どことなく秋の気配を感じるそうです。
※NHK-BSP「おわら風の盆2023 スペシャルライブ」の放映画面を撮影させていただきました。