カテゴリ

カテゴリ:ちょっと面白かった映画

映画『津軽のカマリ』

カテゴリ:
大西功一監督の映画『津軽のカマリ』の上映会&トーク会が、昨日(24日)の夜に長万部町で開かれたのですが、行くことは叶わず、しかたなくAmazonPrimeで観ました。
『スケッチ オブ ミャーク』も良い映画でしたが、『津軽のカマリ』も見ごたえ聴きごたえのある素晴らしい映画でした。

初代・高橋竹山は、20数年前のことと思いますが、亡くなる数年前の舞台(はこだて音楽鑑賞協会主催)で聴いたことがあります。映画の中でも「目の不自由な人が紡ぎ出す独特の音色」と表現していましたが、本当に忘れられない思い出として残っています。

私が子供のころには、函館でも「門付け」といって人家や商店の玄関先に立って音曲を披露し金品をいただくことを生業にしていた人たちがいました。今ですと大道芸人という立派な仕事でしょうが、その頃は「坊様(ボサマ)」と呼んだり、子供たちは「ほいど(物乞い)」などと罵ったりして、長く蔑まれていた人たちでした。そのような過酷で悲惨な生活を送る人たちの中に、初代・高橋竹山もいたようです。

ちなみに「カマリ」とは、津軽弁で匂いなどを表す言葉だそうです。
img20210324134343823721
配給元の映画紹介をそのまま掲載させていただきます。

津軽三味線の巨星、故初代 高橋竹山。明治に生まれ、幼少期に煩った麻疹が元でおおよその視力を失う。北東北の過酷な環境の中、庶民の暮らしは貧しく、福祉もまだ整わない時代、唯生きていく為に三味線を習い、門付けをしながら乞食同然に彷徨った。生前、竹山は「津軽の匂いがわきでるような音をだしたい」と語っている。彼を産み、視力を奪い、蔑み、また命の綱となった三味線を授けた恨めしくも愛おしいこの土地に初代竹山は終生拠点を置き、津軽の音を探し続けた。映画は、残された映像や音声、生身の竹山を知る人々の言葉を拾いながら、彼の人生や心模様を呼び覚ましていく。そして、この地に今も残る風習や文化、人々の暮らしにレンズを向け、竹山の音に潜むであろう津軽の原風景を浮き彫りにしていく。

監督は『スケッチ・オブ・ミャーク』の大西功一。沖縄宮古諸島の老人達が記憶する古代の唄とかつての島の暮らしに焦点を当てたその前作は、2012年に公開され、3万人もの観客を動員した。人々の暮らしと音楽を辿る旅は今作、北国に向かって大きく舵を切る。そのきっかけは19年前、鈍行列車に揺られ東北各地を巡る中、北上し行き着いた津軽半島北西部の日本海岸にある十三湖。その強い悲しみを湛えた情景が忘れられずにいた。その後に出会う竹山の子孫や弟子達との縁から、本映画の構想を得る。そして、2015年の春より約2年の撮影期間と約一年の編集期間を経て、前作を凌ぐ新たな作品を紡ぎあげた。

映画『スケッチ・オブ・ミャーク』

カテゴリ:
「ハイサイ・カミヤクモ」のイベントの一つが、映画『スケッチ・オブ・ミャーク』でした。ロカルノ国際映画祭で「審査員スペシャル・メンション」を受賞した作品です。

沖縄県宮古島に伝わる古謡と、神聖な神歌に焦点をあてたドキュメンタリー作品です。音楽家の久保田麻琴さんが、御嶽(うたき)でとり行われる神事に使用される歌と出会ったことが、映画を製作するきっかけになったと言います。監督は函館在住の大西功一さんです。
いにしえからの神への崇拝、宮古の深い自然と人々の営み、そして飾り気のない歌が混然一体となってスクリーンに蘇ります。じんわりと熱いものがこみ上げるほどに魂が揺さぶられる感動作でした。

上映後には、大西功一さんのトーク会がありました。
IMG_6046
616408_451318164934012_2053703198_o

映画『燃えよ剣』

カテゴリ:
先ほど見終えたNHK大河ドラマ『青天を衝け』。
彰義隊残党の一人として戦った箱館戦争で捕らえられ、東京での投獄生活を送っていた渋沢栄一の2歳年上で従兄の渋沢成一郎(喜作)。栄一の働きがあって出獄でき、再会を果たしましたね。
その後は大蔵省勧業課の職員となり、群馬県の富岡製糸場の開設などにも関わっていたようです。

そんな箱館戦争で喜作たちと一緒に新政府軍と戦っていたのがあの土方歳三。彼をモチーフにした映画『燃えよ剣』を観てきました。原作は読んでいませんが、司馬遼太郎の同名作品の映画化です。

あまりにも有名でファンの多い土方ですし、函館を含めた道南一帯は彼に纏わる史跡が多いだけに興味のある映画でした。天然理心流を通じて近藤勇と出会い、江戸幕府第14代将軍・徳川家茂警護のための浪士組に彼らとともに応募して、京都へ赴くところから物語が始まります。土方は副長の地位に就き、近藤の右腕として京都の治安維持等にあたりました。文久3年(1863年)には、活躍が認められて新選組として正式に発足しています。新選組は系統的な組織作りがなされ、トップは局長の近藤ですが、実際の指揮命令は副長の土方から発せられていたようです。
映画ではあくまで剣にこだわる土方として描かれていましたが、彼は洋式軍備の必要性を感じていたようで、鳥羽・伏見の戦いの以前から銃や大砲の訓練は行っていたようです。それにしましても、同志で初代筆頭局長(頭取)の芹沢鴨の暗殺場面や元治元年(1864年)の池田屋事件の場面は、火花が散るほどの殺陣で、凄惨というか凄まじい迫力でした。

そんなことで京都時代の土方と新選組が主に描かれた映画でした。最後にちょっぴり五稜郭を舞台にした箱館戦争の場面と、終焉の地となる箱館一本木関門でのシーンがありましたが、箱館時代の土方ファンのひとりとしては、この点で少し物足りなかったというのが本音です。

2014年の岡田准一さんの『軍師官兵衛』は良かったですが、本作品も最高でした。
moeyoken

映画『こんな夜更けにバナナかよ』

カテゴリ:
映画『こんな夜更けにバナナかよ』を観てきました。
期待していた通りのいい映画でした。ちょっと笑えたり、ウルウルしたり、そしてほっこりと気持ちが暖かくなって映画館をあとにしました。
001
主役のモデルとなった筋ジストロフィーの鹿野靖明さんがどのような方だったのか、映画でも実際の病院として登場していた勤医協札幌西区病院と関連のある北海道民医連新聞にエピソードが紹介されていました。鹿野さんの主治医だった鈴木ひとみさん(勤医協伏古10条クリニック)、交流のあった舘野知己さん(勤医協帯広病院)が、鹿野さんの生きることへの執念やボランティアの人たちへの思いなどについて語っています。
konnayofukenibananakayo

勤医協札幌病院のホームページに掲載されていた本年1月1日付けの北海道民医連新聞(第534号)の関連記事をコピーさせていただきました。下記は新聞記事のテキストです。

*****「生きる意味」を伝えた*****
勤医協伏古十条クリニック 医師・鈴木ひとみさん

主役のモデルとなった筋ジストロフィーの鹿野靖明さんは勤医協札幌西区病院を受診し、入院を繰り返した患者さんです。その主治医が私でした。とくに思い出深いのは、1995年人口呼吸器装着となるまでの壮絶なやりとりと、装着後、勤医協では第一例目となる在宅人工呼吸器患者さんとして退院させるまでの、院内外のチームの働きです。
当時は介護保険制度以前であり、在宅医療は普及していない時代でした。鹿野さんが「普通に生きたい」という気持ちをぶつけてきたエネルギーが私たちを動かし、ボランテイアの若者に生きる意味を伝えたのではないかと思っています。
患者さんと医師との間の気持ちのやりとりや、医師には見せなかった気持ちは、この映画の原作となった渡辺一史著『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』に記述されています。
今回映画化にあたり、初回台本から関わらせていただき、撮影協力もさせていただきました。私の知らなかった鹿野さんの家庭での生活やボランティアの思いを、当時の関係者やスタッフ、俳優たちを通して改めて知る機会になりました。医師として大変貴重な体験を鹿野さんを通してさせていただき、ありがたく思っています。
映画は暗いィメージではなく、明日の糧になる内容です。鹿野さん役には大泉洋さんがはまり役で演じられていることから想像がつきます。主治医役は原田美枝子さん、勤医協西区病院の看護師役に韓英恵さんが出演します。
みなさんに映画館で観ていただきたいと思います。


*****「本音の人」のたくましさ*****
勤医協帯広病院 医師・舘野知己さん

「こんな夜更けにバナナかよ」の主人公鹿野靖明さんが亡くなって16年になる。私が19歳の時から約20年の付き合いだった。
「日本の福祉を変える」と息卷いて、車いすで街に出た。人工呼吸器をつけて各地の大学など精力的に講演してまわっていた。が、「舘野ちゃん、もうだめだ。ボランティアが集まらない。もう死ぬわ」と蚊の鳴くような声で電話してきたこともある。延々と続く「恋バナ」は18番だった。
そう、彼は「本音の人」。というより、本音で生きるしかなかった。私たちは仕事が終われば家に帰り、好きに時間を過ごす。しかし彼は、24時間365日、いつも誰かがそばにいなければ生きていけない。初対面のときから車いすだったし、自分のおしりだってふけない。ついに自発呼吸もできなくなってしまった。それでも彼は何百何千の人の手を借りながら堂々と生きた。結婚だってした。それは実にたくましい偉業だが、本当に恥ずかしく、またみっともないことの連続でもあったと思う。泣いたり、笑ったり、ねたんだり、ご満悦だったり…。ありのままにみせてくれたから、多くの人たちを引き付けたのかもしれない。

映画『そらのレストラン』

カテゴリ:
当地から80kmほど北へ行ったところにある「せたな」町を舞台にした映画『そらのレストラン』を観てきました。

映画は、せたな町で循環農業に取り組む農業ユニット「やまの会」がモデルになっています。海が見える牧場で牛飼いとチーズ工房を経営する大泉洋が演じる亘理が、1日限りのレストランを家族や仲間とともに開くまでの奮闘を描いています。
北海道の雄大な景色が綺麗で、美味しいものも沢山出てきます。ストーリーもジーンときますし、大泉洋さんはじめ出演者の皆さんが純朴で優しい「せたな」町の住民になり切っていて、道産子の私が見ても違和感がありませんでした。ほっこりして幸せな気持ちになれるいい映画だなと思っています。
ぜひ劇場に足を運んでご覧になってください。
00001
00001_0001
毎年7月にロードバイクの105kmファンライドが開かれている町で、私も2017年に参加してお世話になっています。町を挙げてのライドだったのですが、残念なことに昨年は天候不良で欠場しましたら、今年は大会自体が休止になってしまいました。海あり山ありのとても風光明媚なところで、エイドポイントでの美味しいものも忘れることが出来ません。写真は2017年のライドの様子です。
ぜひ「せたな」町にも足を運んでみてください。
19702626_786794584814631_6068065257366089786_o

映画『メリー・ポピンズ リターンズ』

カテゴリ:
映画『メリー・ポピンズ リターンズ』を観てきました。
アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の『メリー・ポピンズ』、その25年後を描いた続編です。25年後といっても街の様子はあまり変わっていませんが、ただ1930年代を迎えてロンドンは大恐慌時代に突入しています。バンクス家はあの可愛かったジェーンとマイケルの姉弟は大人になって、マイケルは3人の子供の父親になっています。
親の残した大きな家に住むものの金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中は荒れ放題です。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥っています。そんな彼らの前に、あのメリー・ポピンズが傘をさし風に乗って舞い降りてきます。

愉快な煙突掃除屋のバートはすでに亡くなったのかも知れませんが、バートのもとで見習いだったジャックがガス灯の点灯夫として、バートと同様に存在感を示していました。そしてメリー・ポピンズ役、前作でのジュリー・アンドリュースがとても魅力的でしたが、今作のエミリー・ブラントも素敵でしたよ。

そうそう、『メリー・ポピンズ』というと「Chim Chim Cheree」ですね。
それと「 (Supercalifragilisticexpialidocious)スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」という呪文のような歌も唄われましたが、憶えていますか。人生を明るく前向きにさせる魔法の言葉でした。

前作の『メリー・ポピンズ』が1964年制作ということは、もう55年も経つのですね。私はたしか高校1年生の時に観たと思います。あと50年もしたらマイケルの3人の子供たちが家庭を持って、『メリー・ポピンズ メモリーズ』として続々編があるかも知れません。50年後は2070年ですから、3作目は天国から観れるかなぁ・・・(^^♪
『ディズニー史上最高のハッピーを』と銘打ったワンダフルな映画をぜひ劇場でご覧になってください。
00001
00001_0001

映画『終わった人』

カテゴリ:
9月4日にモントリオール国際映画祭のワールド・コンペティション部門で、映画『終わった人』で主演した舘ひろしさんが最優秀男優賞を受賞したとのニュースが飛び込んできましたので、さっそく同映画を観てきました。1999 年の『鉄道員』で高倉健さんが受賞して以来の快挙といいますから凄いです。

「定年って生前葬だな」という何ともショッキングなつぶやきの場面から映画が始まります。舘ひろしさん演じるエリート銀行員の主人公は、仕事一筋であと一歩で役員というところで子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えます。
「仕事なし」「趣味なし」「夢なし」「家で居場所なし」という4重無の定年男が、生き甲斐や居場所、にわか趣味を探してもがき続ける哀しくも楽しいドタバタコメディです。

主人公の田代壮介が何度かつぶやくフレーズ 「散る桜、残る桜も散る桜」・・・。
まあ、立派な学歴があって一流企業やエリート役人として勤め、リッチな生活をしていても、行きつくところは大差がないということを言ってるのでしょうね。過去を悔まず、未来を憂えず、日々無理をせずに楽しい気持ちで過ごすことが大切なのかも知れません。

内館牧子さんの同名の小説の映画化ですが、本を読んでいた家内の話では映画のほうが断然面白かったそうです。

朝一番にもかかわらず、映画館は死ぬまで終わらないであろうオバサマ達で席が占拠されており、ほぼ終わっている私などは、身につまされるというか何となく居心地のよくない思いで映画を観ていました。でも、大好きな笹野高史さんの渋い演技も光っていて、とても面白い映画でした。もっと多くの終わった & 終わりかけているオジサマにも観て欲しいと思っていました。(^^♪
owatta
owatta2

映画『写真甲子園』

カテゴリ:
北海道新聞ぶんぶんクラブの招待で、七飯町文化センターで上映された映画『写真甲子園』を見てきました。昨年夏に私のブログで、この映画のことを紹介していたのですが、肝心の私はまだ見ていませんでした。
全国各ブロックの予選を勝ち進んだ18校の高校写真部のメンバーが、写真の町・東川町の本戦に集結して写真の腕を競うという内容の映画です。初出場ながら念願の本戦出場を叶えた東京の桜ヶ丘学園、そして常連校として名を連ねる関西学園を中心に、一枚の写真に青春のすべてを賭ける高校生たちの熱き戦いを描いています。
東川、美瑛、上富良野そして東神楽町の美しい田園風景と町並み、旭岳を中心にした大雪山系の雄大な山並み、そんな夏の北海道を舞台に繰り広げられる一途な高校生たちの真剣なまなざしが感動的です。

私も18日から東川町そして忠別湖、旭岳で開催される「大雪旭岳sea to summit」へ行く予定です。映画の中の風景は私の中の原風景にもなっています。
00001
00001_0001

映画『万引き家族』

カテゴリ:
やっと是枝監督の『万引き家族』を見てきました。
田舎の映画館はいつもガラガラなのですが、さすがにこの作品の集客力は凄く、ほぼ満席でした。
ストーリーと感想などはいろいろなところに沢山紹介されていますし、私があえて書くまでもありませんので簡単に・・・。

現代日本が抱える社会問題をこれでもかというくらいに提起した映画でした。私などは、これらの問題をあまり関わりのない対岸の出来事程度にしか捉えてきませんでしたので、ちょっとショックを受けています。貧困、格差、非正規雇用、虐待、ネグレクト、生活保護、独居老人、年金不正受給、JKビジネスなどなど・・・。
例えば貧困・・・。貧困家族と言ってしまえば簡単なのですが、貧しい時代を過ごしてきた団塊の世代の私でも、あれほどまでに汚い家での生活は経験をしたことがありません。現代の貧困というのは、それほどまでに生活の質を低下させていくものなのでしょう。貧困や格差の問題は、社会の秩序や安全とも関わってきますので、もう少し目を向けて行かなくてはと思っています。それにしましても、豪華客船での船旅や何とかトランスイートという列車に群がる人たちがいるかと思えば、対極にこのような底辺で暮らす人たちがいる、凄い時代になったものですね。

そして今回も家族のことを描いていましたね。家族の在り方がいろいろと多様化しているのに、いまだ血縁や旧来の家族関係に囚われて、それが絶対的な家族の絆と思い込んでいる私たち。東日本大震災が契機かどうか分かりませんが、近頃盛んに言われ出した「道徳教育」、血縁家族に負担を強いる「在宅介護」、そしていまだに議論の進まない「夫婦別姓」など、諸外国にくらべて家族に対する固定概念の意識が強いのかなと思っています。一部の政治家などはこの作品にあまり良い印象を持っていないようですし、対照的に欧州で絶賛されている様子をみても、家族を含めた共同体に対する考え方の違いが表出しているのかなと思ったりしています。
日本ももう少し緩やかなというか多様性があってもいいような気がしていますが、いかがでしょう。そんな家族の在り方を考えさせる映画でもありました。

それにしましても、リリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、そしてふたりの子役、いずれも惹き込まれるような名演が光っていましたね。
何とも複雑な心境なのですが、久しぶりにいい日本映画に出会ったような気になっています。
00001
00001_0001

映画『ロング・ロング・バケーション』

カテゴリ:
せっかくの日曜日、あいにくの雨模様です。こんな日は映画が一番ということで、『ロング・ロング・バケーション』を観てきました。

高齢のカップルがキャンピングカーで旅をする、こんなフレーズのパンフレットを見るとあたかも今を流行りの「終活」かなと思ったのですが、いやいやまったくそんなものではなく、ユーモアたっぷりの夫婦の愛を描ききった最高にゴキゲンな作品でした。

物語の主人公は、アルツハイマーが進行して過去と現在が気ままに行き来する夫で元文学教師のジョン。もう一人は、末期の結腸癌で余命いくばくもない妻のエラです。二人とも周りがすすめる病院や施設なんて真っ平ごめんと公言しています。子供たちは巣立って幸福な家庭を築いていますし、もう思い残すことはないと、二人でジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダのキーウェストを目指すことにします。ジャニス・ジョプリンやキャロル・キングなどご機嫌な音楽を聴きながら、愛用してきた年代物のキャンピングカー「レジャー・シーカー」に乗り、軽快に南を目指していくのです。毎晩、思い出のスライドを小さなスクリーンに投影して、これまでの過去を追懐しつつ、旅はユーモラスに、時にハプニングを交えて進んでいきます。美しい風景が車窓を流れ、時と場所でシチュエーションが変化していくロードムービーに、青春モノを思わせるような爽やかなラブストーリーが重なります。
二人が夢見たキーウェストのヘミングウェイの家は、想像していたよりも賑やかなテーマパークになっており、ちょっぴり落胆するのですが、それ以上に夫婦水入らずで最後の旅を続けられた充実感に満ち溢れていたことは言うまでもありません。そして、美しいフロリダの浜辺で、楽しかった思い出を胸に、「レジャー・シーカー」とともに静かに天国へと二人は旅立って行きます。
監督のパオロ・ビルツィは本作のテーマを「最後の瞬間まで自分の人生を選ぶという問題に対してどう行動するか」だと述べていますが、もろ手をあげて賛同したいと思います。
llv01
llv02

映画『北の桜守』

カテゴリ:
吉永小百合ファンのひとりとして観たいと思っていた『北の桜守』、映画館へ足を運んできました。ストーリーはほぼ知っていましたので、泣くほどではありませんでしたが、我が北海道を舞台にしただけに映像がとても綺麗でこちらは感動的でした。キャストも超豪華で吉永小百合さんの他に、堺雅人、篠原涼子、阿部寛、佐藤浩市さんなどそうそうたる顔ぶれです。ちょっと面白かったのは、主だった場面でケラリーノ・サンドロヴィッチという方の演出による舞台演劇パートにシーンが移行する手法を用いていたことです。実写と演劇の両方を楽しめますし、重層的な効果も期待できますので、個人的にはアリかなと思って観ていました。それにしましても吉永小百合さんはいつ観ても品があって綺麗ですね。(^^♪

そうそう、忘れていました。映画の中で小百合さんと堺さんの親子が旅をするのですが、私の町の近くにある「せたな」町の「太田山神社」にも参拝で訪れるシーンがあります。もちろん地名や神社の名前などは出てきませんが、この神社が「日本一危険」とか「日本一過酷」などといわれる場所にあります。目がくらむような断崖絶壁の上にあり、地元の人でもあまり登らないのですが、堺さんはともかくとして小百合さんが登られたことに驚いています。水泳もお上手ということは聞いていましたが、相当に身体を鍛えているのですね。

ぜひ映画館へ足をお運びになってご覧になってください。
ks1
ks2
お綺麗な小百合さんを観たことですし、そのまま帰るのも勿体ないので、近くの国際ホテルでランチです。家内が小百合さんのような体型を目指しているわけではないのでしょうが、「薬膳ランチ」を頼みましたので、私もお付き合いです。野菜たっぷり、薄味でとても美味しかったです。
P31100031-2
P31100071-2
P31100081-2
P31100141-2

歌も踊りもワンダフルなミュージカル映画

カテゴリ:
ミュージカル映画『The Greatest Showman グレイテスト・ショーマン』を観てきました。
歌も踊りも最高にワンダフルで、ミュージカル好きにはたまらない映画でした。

「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師フィニアス・テイラー・バーナムの半生を描いたミュージカルです。貧しい家に生まれ育ったフィニアス、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚し、妻と二人の娘を幸せにするために努力と挑戦を重ねます。やがてさまざまなオンリーワンの個性をもちながらも日陰に生きる人々にスポットライトを当て、誰も見たことがない華やかなショーを作り上げます。さらにイギリスのオペラ歌手ジェニー・リンドを迎えて全米を魅了するショーを繰り広げて事業は大成功をおさめます。しかし、そんな彼の進む先には、これまで築き上げてきたものすべてを失いかねない大きな波乱が待ち受けています。

本当に「夢が踊りだす」・・・そんな素晴らしい映画です。
GSM1
GSM2
映画から帰って来て、平昌オリンピックのフィギュア・スケートのエキシビションを見ていましたら、最後に全員で滑るフィナーレで、この映画の主題歌「This is Me」が使われていて驚いてしまいました。全9曲のミュージカル・スコアは『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞した音楽チームが担当したようです。「This is Me」は、たとえ世間の人達から何と言われようと、誇りを失わずにありのままの自分でいることの大切さを謳いあげた曲のようです。
映画のエンドロールにもこの曲は流れていましたが、もう魅了されっぱなしでした。(^^♪

Youtubeにプロモーション・ビデオがありましたので掲載させていただきます。

 

映画『生きとし生けるもの』

カテゴリ:
先々週の土曜日にトークショーがあった今津秀邦監督の映画『生きとし生けるもの』を観てきました。北海道の自然を舞台に5年の歳月をかけて撮り続けてきた美しい映像の数々にとても感動しました。
映画は、宮島沼水鳥・湿地センターのねぐらを一斉に飛び立つ8万羽のマガンの集団からスタートします。8万羽の鳥たちの羽ばたく姿とともに鳴声や羽音の凄まじさに圧倒されます。氷河期の生き残りと言われるエゾナキウサギの愛らしい動き、秋に川を遡るシロザケの群れとそれを待ち構えるエゾヒグマの勇壮な姿、何とも愛おしいキタキツネの子供たちと見守る母親キツネなどなど・・・今津監督の動物への暖かい眼差しが感じられて、素晴らしい作品でした。
「誘い人」の津川雅彦さんのナレーションは始まりと終わりだけ、音楽も控えめで、もっぱら風や川のせせらぎの音、そして動物たちの鳴き声などが主体になって構成されています。

映画が終わって、客席のどこからともなく拍手が送られたのは、久し振りの出来事かなと思っています。この作品は、映画館でご覧になることをおすすめします。
ikitoshi1
ikitoshi2

映画『プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード』

カテゴリ:
モーツァルト生誕260年を記念して製作された映画『プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード』を観てきました。モーツァルトの映画と言えば『アマデウス』ですが、1984年製作ですから、あれから34年も経ったのですね。

チェコ、プラハというと、スメタナとドヴォルジャークがすぐ頭に浮かびますが、モーツァルトもプラハで愛された作曲家だったようです。オペラ『フィガロの結婚』に熱狂していたプラハ市民が1738年に完成したスタヴォフスケー劇場にモーツァルトを再び招いたのが1787年。映画のモチーフになっているオペラ『ドン・ジョヴァンニ』は、この地で書かれて同年の10月にモーツァルト自身の指揮で当劇場で初演されています。

若手オペラ歌手のスザンナと出会い、妻子ある身ながらその距離を縮めるモーツァルト。そしてオペラのパトロンであり猟色家として悪名高いサロカ男爵もスザンナとの結婚を企んでいます。『ドン・ジョヴァンニ』創作の蔭でうごめく愛と嫉妬・・・。モーツァルトは失意のうちに初演の舞台を迎えることになります。

34年前の『アマデウス』もロケ地がプラハでしたが、この映画もすべてがプラハで撮影されたようです。映画のストーリーや音楽は勿論ですが、いにしえのプラハ市内、歴史あるスタヴォフスケー劇場など美しい景色にうっとりでした。
mozartmozart2

映画『Life is Fruity 人生フルーツ』

カテゴリ:
お正月休みに出来るだけ映画館へ足を運んで映画を観たいと思っていましたが、やっと3本目です。
今日はアンコール上映をしていた『人生フルーツ』です。すでにご覧になった方は沢山おられるでしょうね。
愛知県春日井市にある雑木林に囲まれた赤い屋根の平屋にお住いの津端修一さん(90歳)、英子さん(87歳)ご夫妻の日常を綴ったドキュメンタリー映画です。コツコツと、ていねいに、時をためてお過ごしになるお二人の姿が、なんともさり気なく自然で感動的です。
ル・コルビュジェの「家は暮らしの宝石箱でなくてはいけない」という言葉を実践しているのでしょうが、本当にすべてがキラキラと輝いて素敵な人生をお過ごしになっているなと思いました。
00001
00001_0001
そのまま帰るのも勿体ないし、映画の余韻も楽しみたかったので、"Cafe & Meal   MUJI" で軽く食べていくことにしました。野菜がいっぱいのデリプレート、美味しかったです。もちろん別々のものを選んでお互いにシェアしましたが、いずれも英子さんのレシピとちょっと似ているかなと思ったりしていました。
P1100003

映画『Destiny 鎌倉ものがたり』

カテゴリ:
気になっていた映画、『Destiny 鎌倉ものがたり』を観てきました。
コミックスで34巻も発行している漫画作品が原作という予備知識もなくポスターに惹かれて映画館へ足を運んだのですが、ほとんど漫画を読まないこともあって、あまり映画の中に入り込むことは出来ませんでした。救いは主人公の奥さん役を演じた高畑充希さんの演技が素晴らしかったことくらいですが、この方は本当にこういう役回りはお上手ですね。そうそう、30年ほど前の少しレトロっぽい鎌倉の風景も良かったです。
second_pic 

この列車には名優たちが必要だった・・・

カテゴリ:
ショーン・コネリーやイングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンスなど豪華キャストが起用されて話題となった前作を観たのは1974年のことでした。
40年以上も経って新しく生まれ変わって登場した『オリエント急行殺人事件』。監督としてメガホンをとり、またポアロ役を演じたケネス・ブラナーをはじめ、前作にもましての豪華スターの競演で、もうワンダフルでした。ゴージャスに、そしてスタイリッシュになった『オリエント急行殺人事件』、瞬きをする暇がないほどに凄いです。面白さ満載で最高でした。
くれぐれも列車に乗り遅れて映画を見逃さないようにしてくださいね。

そうそう、ポアロは謎解き後、次の事件の依頼が入って慌ただしくエジプト・ナイルに向かうべく途中下車してしまいました。あの映画のリニューアルがあるかも・・・(^^♪
orient2
orient1

東川町が舞台の『写真甲子園』 11月公開予定

カテゴリ:
大雪旭岳sea to summitが開催された東川町が舞台の映画『写真甲子園 / 0.5秒の夏』が今年の11月に全国の映画館で公開されますので紹介させていただきます。『写真甲子園』というのは、写真の町として知られている東川町で1994年に始まった高校写真部の日本一を決める大会で、ブロック別公開審査を勝ち抜いた全国11ブロックの代表18校が、毎年7月に当地での本戦で熱い戦いを繰り広げています。
映画は、写真に青春を捧げる高校生たちの熱き姿を東川町の美しい自然とともに描き出した作品です。監督は『僕らの七日間戦争』などで知られる菅原浩志さん、キャストには若手俳優にまじって秋野暢子さんや千葉真一さんなど実力派俳優陣が顔を揃えています。 そして主題歌と挿入歌は大黒摩季さんとBoooozeが担当しています。
333
sea to summitの際にいただいたDVDです。町を挙げて協力・応援をした作品のようで、町長さんや観光協会会長さんからも全国の多くの方々に観ていただきたいというメッセージをいただきました。11月になりましたら私たちも観に行こうと思っていますが、皆様もぜひ映画館へ足を運ばれてご覧くださればと思います。全篇に流れる大黒摩季さんの「latitude~明日が来るから~」、Boooozeの「Zoom up★」もいいですよ。
詳しいことは公式ホームページをご覧ください。予告編なども観ることが出来ます。
P8230004
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 函館情報へ  

このページのトップヘ

見出し画像
×