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宮部みゆきの『過ぎ去りし王国の城』は、思っていた以上に面白い小説でした。

ちょっとだけネタバレを・・・
物語は、推薦入試が終わり、暇を持て余す中学3年生の真(しん)が、細密な古城のスケッチを拾うことから始まります。不思議なことに、その絵に触れると絵の世界を見れ、さらに自分のアバター(分身)を描くことで絵の中に入り込めることを知ります。絵心のない彼は、絵が得意ながら家庭でも学校でも孤独な生活を送る珠美にアバターを描いてもらい、先に絵の世界に入り込んでいた漫画家アシスタントのパクさんと出会います。3人は、静かで美しいけれど生命の気配がなく、出入りする人間のエネルギーを吸い取って消耗させる絵の世界を次第に不審に思うようになります。
さらに絵の世界の古城の中で発見した少女が、10年前の少女失踪事件と関係していることが少しずつ明らかになってくると、彼らはある決断を迫られます。

物語の中での異世界ファンタジーの要素はそれほど多くはないのですが、彼らが絵の世界に引き込まれるという描写は、現実的なことではありません。ただ、私たちが本や映画の物語という異世界に没入するときの感触に近いものがあり、現実世界においても感覚的に分かるような気がします。物語の中の異世界から影響を受けるということは現実にありますもね。

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