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昨年の第149回直木賞受賞作「ホテルローヤル」を読み終えました。物語の舞台は、釧路湿原を見下ろす高台に建つラブホテル「ホテルローヤル」。40年前のホテル開業前から閉館して廃虚と化した後まで、順にさかのぼる形で話は進みます。訪れる客、経営者の家族、そこに働く従業員の日常を7つの短編で切り取り構成します。
重苦しい閉塞感のある日々に男と女が求める一瞬、その瑞々しさを切なく描写する作者の筆はさすがです。ただ、それほど頁ボリュームはありませんが、ちょっと疲れるモチーフかなというのが個人的な読後感想です。
コメント
コメント一覧 (3)
台風崩れの爆弾低気圧で大荒れになっていますが、そちらは大丈夫でしょうか。
私は通勤で函館まで高速(100km/h)を使うのですが、80km/hでも左右に揺られて、とても怖かったです。風、雨とも収まってくれるといいのですが。
桜木紫乃の作品はリアリティがあるうえに人間の深い心理まで描写していて読み応えがありますね。実家がラブホテルを経営していたことがあり、清掃などを手伝っていたようですので、実際にいろいろな側面を見てきたのでしょう。
原田康子の「挽歌」は昭和30年代前半の作品だったと思いますが、お袋が読んでいて家にありました。私は読んだかどうか定かではありませんが、映画になったりして挽歌ブームになりましたね。30年代の北海道の過酷な状況を子供ながらに知っていますので、今読むとまた別の感動があるかもしれません。
そのころは、学生だったので、今、読めば、まったく違う感想になるかも知れませんが(笑)
ホテルローヤル、読み終えました。良かったですね。私の人生もいろいろあったもので、共感できる部分がたくさんありました。作者は、まだ若い方ですよね。才能ありますね〜!
直木賞なのだから当然ですね(笑)