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国立文楽劇場開場30周年記念として行われた通し狂言「菅原伝授手習鑑」が6月29日(日)NHK-Eテレ「古典芸能への招待」で放映されました。あの重要無形文化財保持者(人間国宝)の七世竹本住大夫の最後の舞台となった引退公演でした。語るは名場面の「桜丸切腹の段」で、不憫な息子を思う父の情愛、義理のなかで切腹を選んだ男の色気、夫を失う妻の悲しみが住大夫さんの義太夫節とともに心に沁み込んで来ました。
また、「桜丸」を操ってこの段にだけ登場した人形遣いの吉田簑助さん、妻「八重」を操った吉田文雀さんの両人間国宝が共演し、お三方による二度と再現できない珠玉の舞台を観ることが出来ました。

そして、その1週間前の6月21日(土)にETV特集「鬼の散りぎわ~文楽・竹本住大夫 最後の舞台~」も放映されました。人形浄瑠璃文楽の太夫として68年の芸道をしめくくる引退公演にのぞむ住大夫さんの心意気が伝わってくる内容でした。
それにしましても、60歳代の一番脂の乗っていた頃の住大夫さんの義太夫節を聴いてみたかったです。6人の登場人物の語りを使い分けていたといいますから凄かったのでしょうね。

ポスターは国立文楽劇場のサイトからお借りしましたが、竹本住大夫さん、吉田簑助さん、吉田文雀さんによる「桜丸切腹の段」を舞台で観たかったです。
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「桜丸」切腹の場面をテレビ画面から撮影させていただきました。「主遣い」と「左遣い」、「足遣い」の3人の息を合わせて人形を操るそうです。「左遣い」の人は、「主遣い」の操る人形の頭の微妙な動きに合わせて、左手を動かすようです。また「足遣い」の方は、「主遣い」の腰に密着して、その動きを読み取るのだそうです。「主遣い」の方だけが下駄を履いていますが、寄り添うお二人が下駄に踏まれないか心配になります。人形ひとつをとっても凄い芸術なのですね。

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6月29日(日)放映/NHK-Eテレ「古典芸能への招待」より