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シュテンファン・ツヴァイク/作、行定勲/演出の「見知らぬ女の手紙 2014」を観てきました。渋谷のパルコ劇場で2008年に初演され、昨年の再演が好評だったということで、今年再々演になった舞台のようです。
リーフレットを見た感じではちょっと引いてしまいそうな内容なものですから、どうしようか迷ったのですが、あの「北の国から」で蛍役をされた中嶋朋子さんが出られるということで、行くことにしました。案の定、客席は予想通りのちょっと寂しい入りでしたが、薄照明に浮かび上がる舞台装置を見た瞬間にこれは面白い舞台になりそうと直感しました。

物語は、世界的ピアニストが演奏旅行から帰ると、見知らぬ女から分厚い手紙が届いていることから始まります。その手紙には、主人公の女性(28歳)が小学6年の頃からこのピアニストに一方的に恋焦がれて現在に至るまでの、彼に寄せる思いの丈、そして情念が綴られています。男は「見知らぬ女」として数日のみ彼女と関係を持っただけという感覚、一方の女は少女の時からずっと彼に対する一方的な愛を持ち続けている・・・そのギャップが凄いというか怖いです。

椅子とソファそしてピアノだけの簡素な舞台。男は一言もしゃべらず、女だけが感情豊かに長い長い手紙を読み続けます。中嶋朋子さんの朗読というか演技は素晴らしく、手紙の中の世界に惹き込まれてしまいました。中嶋さんはいい女優さんになりましたね。そして西島千博さんの代役だったのですが、高比良洋さんの前衛的な踊りも舞台に奥行きを持たせてくれて魅力的でした。

そうそう全編にベートーヴェンの「月光」が流れるのですが、これが何ともいえない情感をひき出していました。また簡素な舞台装置ですので、それだけに照明の効果が洗練されて見事でした。
余韻の残る素晴らしい舞台でした。

北海道公演は、七飯に続いて28日に富良野演劇工場で、30日に斜里町公民館ゆめホールで開催されますので、お近くの方はぜひご覧になってくださいね。ぜったいにお勧めします。中嶋さんが「北の国から」の舞台・富良野とともに七飯、斜里を公演の場所に選んでくださったことをとても嬉しく思っています。

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