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葉室麟の「風花帖」も面白くて一気に読んでしまいました。
文化11年(1714)に豊前小倉藩で、藩主小笠原忠固が江戸幕府の老中になる野心を抱き猟官運動を画策して金をばらまいたことで藩財政が悪化し、家中が二派に割れて争うという騒動が発生します。小倉城にとどまった一派を白(城)組と呼び、他の一派は黒組と呼ばれ隣の黒田領の筑前黒崎宿に籠もったもので、俗に「白黒騒動」と称されるお家騒動です。
そんな騒動に翻弄されながらも、生涯たった一人の女性への叶わぬ想いを貫き通し、自らの命を昇華した下級武士を描いた物語です。白い山頂から風にのって舞う小雪「風花」のように清廉潔白、純情一途に生きた男のあり様に心が惹かれます。

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